↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
129/265

医務室

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 スズは、細い手に両耳を当てられた。ユキの両手に耳を塞(ふさ)がれたのだ。

「おわっ……真白さん? どうしたの?」

 ユキが厚さの薄い唇を開いて、ハルトに何かを言っている。

 ハルトは、灰色の瞳をほんの少しだけ見開いた。そして、彼は、左手の親指と人差し指をこめかみに当てて、嘆息した。そして、自動扉越しから彼は出ていった。

 スズには彼の表情は見えなかった。なので彼女は、隣のカエデを見る。

 そこでユキは、やっと、スズの耳から両手を離した。

 カエデは唇を引き締めていた。スズにとって、その彼女の表情は、とても苦しそうに思えた。食べなくもないのに、食事を無理やり喉に押し込められる感覚に近いだろう。

 彼女は紙のように白い顔をしている。唇もほんのり色づいている桃色から紫色に近くなっている。

「ねえ、真白さん。医務室どこ? 久遠さん連れてく」

 しかし、カエデはスズに反論した。

「平気よ。一人で行けるわ」

「ダメだよ」

 スズは壁の表示を頼りにしながら、医務室へと向かう。

 医務室は左側にベッドが二台あった。反対側には、たくさんの書類が積み上がっていて座れないソファがあった。

 スズはカエデをベッドに座らせる。

「大丈夫?」

「ええ。あなたは?」

 彼女はパイプ椅子を、カエデが座るベッドの近くに持ってきた。

 引きずらずに持ってきたので、カタンッ、という音しかたてなかった。

「私? 私なら大丈夫だよ」

 彼女はカエデに、薄い毛布をかけた。

「ありがとう……」

「ううん。大丈夫」

「本当に?」

「本当にって?」

 カエデは寝返りを打った。

「いえ……なんでもないわ」

 スズはその辺にある本を手に取ってみると、ベッドの端に両肘をついた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。