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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
124/260

微笑み

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 カエデはスズの手をとって歩き始めた。

「あ、あの? 久遠さん?」

「暗い顔をしてたわ。元気がなさそうね」

「ああ、ううん。そんなことないよ」

「そう。よかったわ。あなたの手、温かいのね」

 スズは少し驚いたが、髪の後ろをかいた。

「あ……えっと、久遠さんの手、ちょっと冷たくていいよね」

 カエデはスズに振り向くと、小首をかしげた。

「う……」

 スズは頬が熱を帯びるのを感じた。思わず、ボソリと心の声を口に出す。

「か、かわいいなあ……」

「そんなに褒めないでもらえる? スズ……」

 スズは慌てて、胸の前でもろ手を振る。

「ああ。ご、ごめん、久遠さん。つい心の声が。聞こえてると思わなくて……。でも、久遠さん、かわいいよ」

 彼女は、ふふっ、と口角を上げて微笑んだ。それから彼女は、スズにお礼を言う。

「ありがとう」

 スズも彼女につられて微笑み返すが、いつもより心臓の鼓動が早くなるのを彼女は感じた。うわー……なんか、こういうのって、恥ずかしい、かも……。

 スズはうなじに温かい手を当てると、再び差し出された、カエデのひんやりとする冷たい手をとる。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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