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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
122/260

電話

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 突然、ウーゼに付随している固定電話から着信音が鳴り出す。

 スズは肩を震わせて驚いた。電話だ。誰から? 

 隣にいるカエデが、電話の受話器をガチャッと取る。

「はい。はい。——わかりました」

 カエデは受話器を耳から離す。

「はい」

「え? 私に?」

「そうよ。あなたに」

 え? なんでなんだろう? スズは彼女から受話器を受け取ると、遠慮がちに話し始める。

「あの、もしもし?」

『お疲れ』

 ねぎらう青年の声が聞こえてきた。

 その青年の声は、スズにとって聞き覚えのある声だった。

「え? ハルト? どうして?」

 ハルトはメインディスプレイで彼らを見つめながら、少し口角を上げた。

『二人とも。完ぺきだった』

 スズは、ふっと微笑む。

「うん」

 褒められた。

「スズ。あなた、優しくて温かいわね」

 スズは一瞬、真顔になったが、すぐに不思議そうな顔をする。ん、なんで急に、そんなことを言うの? 久遠さん? どういうこと?

「ひとつ聞きたいのだけれど……あなた、なぜ昨日の夜に私のベッドに入って来たの?」

 スズの手から固定電話の受話器が抜け落ちると、黒い装甲に金属音を激しくたてて当たった。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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