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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
121/260

安堵

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



「ねえ、久遠さん」

 彼女とともにハッチから体を出したカエデは、きょとんとした表情になる。

「色々と、ごめん」

「色々って? 私は気にしていないわ」

 カエデは平然と聞いてくるが、スズは恥ずかしそうに口ごもる。

「その……」

「なぜ謝るの? あなた、昨日の夜も謝ってたわね」

 再び、スズは、カエデをハッと見ながら言う。

「え? そうなの?」

「ええ、そうよ。あなた、泣いてたわ」

 スズは少しうつむく。

「この前から、私、謝ってばかりだね……」

 もう泣かない、って決めたのに……。

 カエデは、うつむくスズの心を読んだように否定する。

「謝らなくていいわ」

 彼女の黒い瞳の目尻が、ほんの少しだけ下がる。

「泣くのはあなたの心を和らげてくれる。だから平気よ」

 スズは、カエデに優しく頭を撫でられる。

 彼女は最初、ビクッと体を(こわ)ばらせたが、それは、今まで感じていた恐怖などではなく、不思議な安堵感だった。少しびっくりしたけど、なんか嬉しいな……あれ? 前にこんな風に、誰かに撫でられたような——。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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