感謝
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
爆発の衝撃によって、2号機と5号機は七日前のようにひどく絡みあってしまった。
スズは、コックピットの背もたれに深く体を沈められ、後ろにのけぞる。
「わっ⁉」
ディスプレイ越しのカエデも、驚いて声を荒らげた。
『きゃあっ!』
「いってて……久遠さん、大丈夫?」
背中を強打し、それをさすったスズは、ディスプレイ越しのカエデに心配そうに声をかける。
『うん。平気』
スズは、カエデの返事に、ホッと安堵した。
「よかった……」
ていうかこれ……動けるのかな? スズは、ディスプレイに、眉を下げた顔を向ける。
「ねえ、久遠さん? 動ける?」
『ダメね——動けないわ』
あ、これ、ダメそうだな……。
「ちょ、ちょっと待ってて」
スズは急いで5号機をなんとか動かしてから、カエデのところへ駆け寄り、プログのハッチ越しに、カエデに声をかける。
「大丈夫? 久遠さん?」
カエデは、プログ射出用の操縦桿を引っ張り、バシュウウッと、ハッチを開ける。
スズはプログの上によじ登ったが、体勢を崩しそうになり、途中で転倒しそうになった。
「スズ」
コックピットに降り立ったあと、彼女に問いかける。
「え? どうしたの?」
「ありがとう。助かったわ」
スズは、カエデをハッと見つめた。
「……スズ?」
スズは少し放心したままだったが、カエデに声をかける。
「あ、ううん。なんでもないよ」
スズはカエデに手を差し出すと、カエデはスズの手をとった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




