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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
114/260

謝罪

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 スズは、カエデとの共同部屋のベッドで、暗い電灯を見る。

「いよいよ、明日か……」

 つぶやいたスズは片手を見つめ、握って離す仕草を繰り返す。

「不安なの?」

 問いかけられたスズは、顔を、左側にいるカエデに向ける。

「うん……久遠さんは?」

 聞いたあとに、じわじわと、彼女の中にある不安が押し寄せてくる。カエデは一言、平気よ、と彼女に応えた。

「ねえ、体どこか悪いの? 医務室にいたよね?」

「……」

 そのときのスズは、彼女にかける言葉が見つからなかった。あ、と、口に出さずにあることを思い出すと、彼女に尋ねる。

「ねえ、久遠さん? なんで最初に会ったとき、私の名前を知ってたの?」

 スズは、カエデから顔をそむけてうつむく。

 すると、カエデも顔をそむいたが、彼女は謝った。

「ごめんなさい……」

 なんで、謝るの? 

「ううん。こっちこそごめん……」

 そして、彼女は、少しため息をつく。

「私、あなたに会ったことがあるの」

 スズはつかの間、何を言われたのかわからなかった。彼女の頭の中には、疑問符が浮かび上がるばかりだった。

「え……?」

 返事をしないのもよくないな、とスズは思ったので、何かを言わないと、彼女は思い、何かを言おうとした。

 しかし、少し経ってから、すやすやと、カエデの寝息が聞こえてきた。

 どういうことなんだろう? うう、眠い。でも、トイレ行ってからにしよう……。スズは、ふらふらとおぼつかない足どりで、寝ぼけまなこをこすりながらトイレを済ませた。

 彼女はベッドに横たわると、そのまま、夢の中へ向かって行った。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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