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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
112/267

自分と他者

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



「ごめん……久遠さん」

 スズに謝られたカエデは、顔をそむけて、ふるふると首を振った。

「ごめんなさい」

「ううん」

 スズも首を振った。だが彼女は、実際、カエデをどう扱えばいいのかわからなかった。

 彼女は、カエデを一人にさせようとする。

「じゃあ……」

 今のカエデは、いつもより凛(りん)とした声ではなかった。

「待って」

 カエデは、右手で左肘の辺りをつかんでいた。

「…………」

 スズは彼女に振り向くが、内心、いたたまれなかった。

 彼女は、その場から去りたかった。自分が、カエデを慰められる言葉をかけられるはずないと、彼女自身、思っていたからだ。

 自分は自分で、カエデはカエデだ。

 彼女のつらい気持ちに寄り添えることができないのに、なんと言葉をかければいいのか、スズは戸惑《とまど》っていた。

 カエデは、何かを言うのを迷っているようだった。彼女は、すがるような声だ。

「独りにしないで」

 カエデの今の表情は、スズには見えなかった。

 彼女は少し迷ったが、うん、とうなずいた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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