国連軍会議室
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
国連軍会議室は、窓ガラスが一面に覆われている、見晴らしのいい場所だ。
この場所はノヴァ日本支部からは遠い。ヘリコプターで向かうと、一時間ほどで着く北海道だ。
そこでは、二名の軍人たちが、互いに顔を見合わせていた。
軍人の彼は、机に肘をつき頭を悩ませている。そして、軍人の彼女は、静かにため息をついていた。
なぜなら先ほど、ノヴァ日本支部・山田ハルト室長の判断で、ウーゼを出撃させるという報告を受けた。
「我々では、あの化け物どもに勝てないとでも言いたいんですか?」
青年らしき軍人の一人が、机を拳で強く叩いた。
それから、彼は皮肉げに、遠くに広がる諏訪市の方向を見つめる。
ある部屋で、固定電話越しの女性は、はっきりとした声で答えた。
『いいえ。室長の決断は適切です。蒼龍少尉』
名を呼ばれた軍服の青年は、無言で、いかめしい顔をするだけだった。
軍服の女性は、ティーカップを机の上に置く。
「わかりました。今回の予算のことは一考します。再び、会議の場を設けることにしましょう」
『貴重な機会をいただき、ありがとうございます。日代大尉』
軍服に身を包む女性は、ティーカップをソーサーから持ち上げかけたが、彼女は、またそれを机に置いた。
「汐波司令。ところで、あの計画はどうなっていますか?」
アカネは、あまり間を置かずに話す。
『彼女は〝二番目の少女〟と接触をします』
女性は続けて、重要な資料に目を通してたが、再び発言をする。
「しかし、彼女は、〝あの実験〟の生き残りです」
軍人の青年は驚き、肩をすくめた。
「そんなばかだろ。〝あの実験〟に生き残りが? まさか、例外ってわけじゃあないですよね?」
彼は念を押すように言ったとき、目を細めた。
彼女は、彼をなだめようとする。今日も軍人の女性と彼しか、この広い会議室にいないからだ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




