セーラー服の少女
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
二日後。
スズは制服のまま、5号機のコックピットですやすやと眠っていた。
ただ、彼女の足は裸足だ。
パイロットテストでも、銃火器の操作の優先をする仮想世界での演習のときでも、よくウーゼに乗る。だが温かく、たゆたう感じが、頭に浮かぶのが妙に気になって、ここ最近、自分で試している。
そして、今はなぜか、それがスズの名目となっている。
自室のベッドで眠るよりここのほうがいいと、5号機コックピットで、うとうとと眠るのが、すっかり習慣となってしまっている。
スズは、プログの天井を、ぼうっと見つめながら、両手をお腹の辺りで組んで考え込む。
スズがあくびをすると、CPOがごぼっと泡立った。
「眠い……」
なんで5号機って、こんなにも落ち着くんだろ? スズは少し唸り、考えるが、スズは、なぜか寒気が背中から這い上がり、すぐに考えるのをやめた。
彼女はため息をついたが、またまぶたを閉じ、肺に空気を入れる代わりに息を吸うとCPOを入れる。
でも、懐かしい……この感じ。ふっと、何かがよぎり、あれ、となったが、また、スズは唸る。
彼女はもう一度、今度は少し肺が苦しくなるまで、目いっぱい深呼吸をする。できるだけ、頭にさざめいている思考の声を考えないようにした。
その最初のイメージは、ザザッ、ザザッ、と本当に小さなノイズで、シン、と音が消えた。
自分を優しく包むような声が聞こえたような気がしたが、それよりも、次に全ての考えがかき消されて、その姿は鮮明になる。
黒い長髪の少女がセーラー服の姿で、そして、無表情にこちらを見つめている。彼女は、ひと昔前の冬服だ。その黒髪の少女に、スズは見覚えがあった——というよりその顔は、二日前に見たことがあるばかりだった。久遠さん……?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




