『第二次大災害による出撃可能パイロット』
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
パーソナルコンピュータから、電子音が鳴ると、アオは笑みをこぼす。
「ビンゴ。来たきたきた……お? 『二〇十一年・十二月七日』『第二次大災害による出撃可能パイロット』」
アオは、これだ、と首肯する。
「ん? なあ、九年前のことなんて調べて、どうするんだい?」
アオはオペレーターに尋ねられると、赤色が混じった黒い瞳を細めた。そして、鋭い声で問う。
「どうする? まだわからないの?」
オペレーターはアオの威圧に圧倒されると、唾を飲みこんだ。
アオは先ほどの凄みの気配を消すと、口角を上げて笑う。
「このデータ貸してよ。ほかの資料もコピーしたいから」
「いいか? 『部外秘』なんだよ、それ。頼むから、絶対によそへは漏らさないでくれよ」
アオはいかにも面倒くさいという雰囲気で、自分に釘を刺す彼を見た。そして、アオは無言のまま、USBメモリをそのパーソナルコンピュータに刺した。
オペレーターは、アオが事前に、USBメモリを所持していた用意のよさに驚いていた。
「どうして、君たちパイロットは、扱いづらい人間——」
男性オペレーターはため息をつくと、こめかみに手を当てた。
「いや、もうよそう……」
再び、小さな電子音が鳴ると、パーソナルコンピュータは、USBメモリのコピー完了を示していた。
アオは、パーソナルコンピュータの右下にある、USBメモリを安全に抜くアプリケーションを押してから、ワーキングチェアから立ちあがった。
「ありがとう」
そして、彼は、ひらりと片手を振る。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




