アオの調べ物
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
一方、ほぼ同時刻。
アオは、指令室のパーソナルコンピュータを操作していた。スズたちの作戦に不参加だった彼は、彼女たちに言ったとおり、調べ物をしている。
それを心配そうに見ているオペレーターが、ついにアオに尋ねた。
「あ、あの……俺、怒られるかな?」
ここは指令室一階、オペレーターたちが職務を行っている場所だ。そのせいか、いつもよりメインディスプレイが近くに感じられる。
メインディスプレイは横幅十メートルだが、近くから見上げると、予想より大きく見えた。
アオは、ワーキングチェアにあぐらをかいていたが、彼は首を横に振る。
「ううん。僕、パイロットだから大丈夫」
しかし、そのオペレーターは苦笑する。
「いや、そういうことじゃなくて……」
彼は、ワーキングチェアの背もたれに片手でつかむと、アオに耳打ちする。
「君、パイロットなんだろ? 単独行動してたらまずいんじゃないのか?」
オペレーターはため息をつくと、周囲をうかがう。この場所にアオがいるおかげか、先ほどから、二人に視線が集まっているのだ。
「ほら、林主任に言われたけど、2号機パイロットは倒れたんじゃないか」
アオは、オペレーターに流し目をする。赤色が混じった黒い瞳が、オペレーターを射抜く。
「何? 職場のパソコンを使ったら、調べられるとまずいことでもあるの?」
その壮年のオペレーターは、やけに声をひそめているし、語尾も濁していた。
「いや、ないけど。履歴に君が操作したっていうことがバレるんだよ。ほら、君……」
アオは、ついに嘆息をした。
「しつこいなあ。〝君はパイロットだから、DNAを医務室専用の資料室に保管されている〟でしょ? 言いたいことは」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




