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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
105/260

ため息

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 そのカエデの声は、いつもの(りん)とした声ではなく、何かを諦めたような声だった。

「あなた、知ってるんでしょう? 私のこと、何もかも……」

 カエデの体がぐらりと倒れそうな寸前、スズがそれを支える。

「あっ。久遠さん、大丈夫?」

 ユキはカエデを、じっと見つめている。その表情からは読み取れないが、ユキも、スズとカエデを心配していた。



 サクラは、医務室の自動扉が閉まると、二人に声をかけた。

 彼女は左手を右手に重ね、普通礼をする。

「ありがとうございます。でも、驚かれましたよね?」

 彼女の顔は苦笑した顔になったが、その顔はすぐに笑顔になった。

「お二人は、医務室に何か用事がありましたか?」

 スズが目をうろつかせる。

「えっと、久遠さんのお見舞いに来たんですけど……あの、大丈夫なんですか?」

 サクラは、なんともいえない苦しそうな表情をする。

「時々、つらい記憶を思い出してしまうみたいなんです」

 彼女は、カエデに払われた右手をさすった。

「私はその痛みを取り除くことはできないので、今みたいにされると……」

 彼女はふるふると首を振り、少しため息をつく。

「ダメですね。私」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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