ダンス
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
スズの携帯電話から、音源の音楽が鳴る。
ハルトから聞いたことは、指令室室長がクラシック音楽を今回のダンス用に改変した音楽らしい、とのことだった。
スズはそれに耳を傾けながら、ユキのダンスを横で見つめた。
とは言っても、一緒に踊っている状態だ。
さっきユキが、お手本を見せると言ったが、彼女は続ける。
「どこを間違えるのか、実際に見ないとわからない。だから、もう一度、踊ってほしいの」
彼女は、真剣な瞳で彼女にそう言う。
すごいなー、真白さんは……あ、ここだよね? 私がつまづいてるところ。さっき言われたとおり、左足からなんだ……。スズは、ぼんやりと考えていたせいで、またステップを間違えた。
「あっ」
今は、右手と左足を上に上げなくてはいけなかったのに、先ほどの間違えたステップを直そうとして、今度は、左手と左足を一緒に出してしまった。
また、間違えた……。スズは、申し訳ない表情をユキに向けて、うなじに手を当てる。
「ごめん」
ユキは、平気、と無表情で答える。気まずそうなスズは、少し遠くの青年に呼びかけた。
「あ、ねえ、ハルト。いったん音楽止めてくれない?」
「ああ、携帯触ってもいいか?」
「うん」
ハルトは青いファイルに目を向けていた。しかし、彼は、彼女の携帯を手を取り、曲を止める。
「さっきのところまで巻き戻そうか?」
スズは、うん、とうなずいて、彼に返事をする。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




