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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
101/260

赤い瞳と灰色の瞳

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 再び、自動扉が開くと、青年が戻ってくる。

「ハルト」

(はやし)主任なら今は医務室にいる。カエデも一緒だから、安心してくれ」

 スズはハルトの、カエデと名前呼びに内心、感心した。仲いいのかな? 彼女はそう、ぼんやりと思った。

「あの、さっき、顔色悪そうだったから、大丈夫かなって……」

「安静にしていれば大丈夫だって、主任が言ってた。そんなに心配するなよ」

「よかった……」

 大丈夫なんだ…… 

 スズに近づいたユキは、スズが持っているプリントのあるところを指でさして助言する。

「ここは右足のあと、左足からステップを踏む」

「え? そうなの? ごめん。真白(ましろ)さん」

 スズが謝るのは癖だ。

 スズの目の前のユキは、彼女のプリントを見つめながら少し考え込んだ。

「私、お手本見せたほうがいいのかな?」

「いいの?」

 ユキが承諾するのは、スズが思ってもみなかった反応だった。白髪(はくはつ)の彼女は、こくりとうなずいた。

 ハルトは携帯電話を操作していたが、赤い(ひとみ)に灰色の目を向けた。

「ユキ。おまえ、そんな、人にお手本とか見せるタイプじゃないだろ?」

「え、そうなの? 真白さん?」

「スズは平気。それに、ハルトもカエデも、一色(いっしき)くんも」

 彼女はハルトに目線を向けていたが、スズに顔を戻す。

「私、頑張る」

 ユキはプリントから目を離すと、少しだけ唇を引き締めた。

 えっと、難しいところは——。

「真白さん、ここからいいかな?」

 カエデに間違いを指摘された少し前のところを指でさす。

「うん。スズ——」

 呼びかけられた彼女は、え? となったが、ユキに近寄った。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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