瞳の色
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
自動扉が再び開くと、ユキが、両手にペットボトルを持って現れた。
「真白さん」
「落ち着いた?」
「うん。もう大丈夫だよ」
「そう。これ、あげる」
「ありがとう」
スズは、ユキからペットボトルに入った水を受け取る。
ユキがカエデにペットボトルを渡したとき、カエデは一瞬、目をそらした。
カエデの黒い瞳は、紫色に変化する。
あれ? 目の色が、変わった?
「久遠さん?」
カエデの瞳は、一瞬、紫色になったが、ゆっくりと戻った。彼女はうつむきながら、震えた声を出す。
「いえ。平気よ」
「でも——」
だが、カエデはスズの言葉を遮る。
「少し、休めば平気だから」
「うん。わかった……」
カエデは出ていくと、再び、シュコンッと、自動扉が閉まった。
大丈夫なのかな?
数時間後。
スズは疲れきっており、膝に手を当て、荒く呼吸をしていた。
しかし、床に座り込んで仰向けになると、淡い電光がついた天井を見る。
全っ然、できない……
スズが、ため息をつきながら天井を見ていると、その瞳にユキが映った。
「スズ」
スズは、カエデのほうに顔を向けた。
「あ、真白さん、疲れてない?」
彼女は起き上がる。
「少し……」
「そっか、あと六日しかないから、私も頑張らないと」
スズは片膝を立てながら、ペットボトルのキャップを開けて水を飲む。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




