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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
100/260

瞳の色

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 自動扉が再び開くと、ユキが、両手にペットボトルを持って現れた。

「真白さん」

「落ち着いた?」

「うん。もう大丈夫だよ」

「そう。これ、あげる」

「ありがとう」

 スズは、ユキからペットボトルに入った水を受け取る。

 ユキがカエデにペットボトルを渡したとき、カエデは一瞬、目をそらした。

 カエデの黒い瞳は、紫色に変化する。

 あれ? 目の色が、変わった? 

「久遠さん?」

 カエデの瞳は、一瞬、紫色になったが、ゆっくりと戻った。彼女はうつむきながら、震えた声を出す。

「いえ。平気よ」

「でも——」

 だが、カエデはスズの言葉を遮る。

「少し、休めば平気だから」

「うん。わかった……」

 カエデは出ていくと、再び、シュコンッと、自動扉が閉まった。

 大丈夫なのかな?





 数時間後。

 スズは疲れきっており、膝に手を当て、荒く呼吸をしていた。

 しかし、床に座り込んで仰向けになると、淡い電光がついた天井を見る。

 全っ然、できない…… 

 スズが、ため息をつきながら天井を見ていると、その瞳にユキが映った。

「スズ」

 スズは、カエデのほうに顔を向けた。

「あ、真白さん、疲れてない?」

 彼女は起き上がる。

「少し……」

「そっか、あと六日しかないから、私も頑張らないと」

 スズは片膝を立てながら、ペットボトルのキャップを開けて水を飲む。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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