別解【英雄無きアルスター】
前回のあらすじ
・ない
・あとがきに挟もうかと思っていたけれども、シンプルに長くなったので幕間行き
読んでも読まなくてもいいやつ
攻略方法【荒野の赤牡牛】
確かこれはあとがきにかいていたはず。気になったらそっちの方が詳しく書いてあるから、探して読んでね。
ちなみに、召喚獣ガチャじゃなくても勝つ方法がないわけではない。その場合は単純に探索者本人の力量だよりになるため、ユウキがそれをやろうとすると詰んでいた。
余談だが、力量勝負になった場合、探索者協会職員の柴田は赤牡牛の咆哮を浴びなければギリギリワンチャンあった。初見殺しの咆哮は基本的に対策しようがないから、仕方ないね。
攻略方法【虐げられし王】
シンジの遭遇したイレギュラー。一応名前あったけど、確か一度も使っていなかったな……プロトタイプだとスカサハが王アリルを殺していたけれども、いつの間にか死んでいた。ドンマイアリル。
攻略方法は、単純に力量と体力が求められる。遮蔽物や隠れる場所がない以上、まともにケルトの戦士たちと戦闘する必要があるためだ。あとは、王アリルは確定で召喚術式の行使をするため、あんまり強くない召喚獣が召喚されることをお祈りするしかない。
ちなみに、相手がシンジでなければ、王アリルがスカサハを召喚した時点で詰んでいた。一般探索者が数多の英雄の師匠に勝てるわけがないんだよなぁ……
攻略方法【英雄無きアルスター】
複合型イレギュラーの【英雄無きアルスター】だったが、イレギュラークリアの別アプローチとして、楽鳥羽町周辺に発生した全てのイレギュラーを各個撃破するというものも存在する。
物語群のイレギュラーであるため、【英雄を生み出す】という最適解を出さなくとも、単体の複合型イレギュラーがたくさんあるだけだと判断して無理やり力業で解決することもできるのだ。
しかし、その方法はとあるダンジョンのせいでかなり難しくなっている。それが、ツバサの探索したイレギュラーダンジョン【戦士の揺り籠】である。
英雄であるクー・フーリンを愛するモリガンは、無理やりダンジョンをクリアしようとする探索者を血祭りにあげることだろう。さらに、仮にモリガンが敗北したとしても、眠れるクー・フーリンに勝利できる人間は相当数が限られているはずである。
余談ではあるが、眠れるクー・フーリンと確実に争う必要があり、モリガンが生存している状態……つまり、ツバサが挑戦した初期状態の【戦士の揺り籠】が既存のダンジョンとして存在していた場合、推定される難易度は特級、もしくは、一級探索者がパーティを組み、作戦を練って対応策を作り出し、多くの支援を受けた状態でギリギリ攻略可能ということを意味する特一級に指定されるはずである。
そして、イレギュラーが発生した当初、特級ダンジョン無限迷宮【ヨミノクニ】探索が行われていたため、比較的話の分かる(もとい、会話可能な)一級探索者の多くは探索につききりであり、また、探索に参加していない一級探索者も、所詮準五級のイレギュラーだと軽視していたため、【戦士の揺り籠】に挑戦することはなかっただろう。
もしも、ツバサが戦士クー・フーリンを連れ出していなかった場合、ダンジョン周辺……もとい楽鳥羽町のほぼ全域は、正体不明の赤色のツタによっておおわれ、住人は全員行方不明になっていたことだろう。結構危なかった。
ちなみに、モリガンがクー・フーリンから息子コンラの記憶を奪わなかった場合、目覚めた直後に息子を殺したことを思い出して発狂→『ねじれの発作』発動で怪物化したクー・フーリン(怪物クー・フーリン)がダンジョンから脱出し、敵味方構わずの虐殺が始まっていた。お前さぁ……
ちなみに、そうなった場合は新たなダンジョン【憂いの半英雄】が発生し、クリア、もしくは説得することでボスモンスターのコンラッハをダンジョンから連れ出すことができるようになる。
父に対する憎しみの感情を捨てた、もとい、持たないコンラッハは、おそらく本気を出すことはできないものの、父が悲しみで怪物になってしまったというならば、相打ち覚悟で戦ってくれることだろう。そうなると、楽鳥羽町は戦場に変わるため、確実に地図から『楽鳥羽町』の文字は消えることになる。
眠れるクー・フーリンは起こそうと思えば割と起こせる。目を覚ますと、モリガンの判断次第で『戦士クー・フーリン』と『怪物クー・フーリン』のどちらかに進化するよ! やったね!
なお、『戦士クー・フーリン』として自然に目が覚めることは基本ない模様。何故ならば、モリガンさんが好きなのは『英雄クー・フーリン』か『怪物クー・フーリン』かのどちらかなのだから。
閑話休題。
まあ、とにかく、もろもろの事情で、ダンジョンの各個撃破は推奨されない。どうにかして、この複合型イレギュラーの原因が【英雄がいないこと】であることに気が付き、英雄たる人物にどこでもいいからダンジョンをクリアしてもらう必要がある。
そこで重要になってくる『英雄たる人物』だが、既存の召喚獣ではまず無理である。召喚獣は基本的にもともと英雄であることが多いため、英雄化しない。コンラッハの捨てた憎しみの感情から派生した召喚獣、コンラならまだ可能性はゼロではないが、そんな召喚の乱数に頼るような方法をダンジョンが提示するはずもない。必ず回答は存在するのである。
というのが、『イレギュラーで変異したダンジョンのボスモンスター』は、基本的に英雄化する資格があるのである。ユウキとコンラによって討伐された赤牡牛ドン・クアルンゲも、王アリルも、場合によっては女王メイヴさえも、英雄と化す可能性はあった。
まあ、女王メイヴは英雄化の条件に命がけの乙女ゲー(選択肢失敗でウィッカーマンにぶち込まれ火あぶりされる)をやらされる羽目になるので、ほぼ無理だと考えてもいいのだが。
というわけで、最適解は結局のところ、【戦士の揺り籠】から戦士クー・フーリンを引っ張り出し、どこかのイレギュラーダンジョンで英雄化させ、そのままクリアさせるというものである。ユウキたちがやった方法そのままだね。
クリア推奨人数は一人以上。上限はないが、基本的に一対一の方が話し合いができ、英雄化の条件をそろえやすくなる。というか、引っ張り出してきたボスモンスターを英雄化させてクリアさせなければ無意味なので、たくさんいても結局邪魔なだけになることが多い。
ちなみに、イレギュラーで変異したダンジョンは、召喚術式が復活している。そして、イレギュラーに引っ張られてアルスター物語群に縁のある召喚獣が召喚されやすくなっている。性格に難ありな者の多いアルスター物語群の召喚獣だが、力量は保証されているため、正しく絆を結べば神話の再現に近しい仲間を得ることができるだろう。
スカサハ様はブラフ。というよりも、これからの話にシンジが関わってくるため、どうしても身近に『教師』に近い人間が必要だったという事情から存在する必要があった。
王アリルはどうなったのか?
スカサハとシンジの戦いに巻き込まれて死んでいる……といいたいところだが、実際には同行していた三級探索者、隼峰さんが仕留めていた。隼峰さんは王アリルが召喚したなら、彼を殺せばスカサハもワンチャンあるのでは、と思っていたようだが、契約前だったため普通にスカサハは死ななかった。うん、ドンマイ。
作中で書かなかったのは、単純にテンポが悪くなるため。悪いねアリル君。君の役目、スカサハ師匠を呼び出すことだけだったから……
ドン・クアルンゲ英雄化ルートは、己を攫おうとした女王メイヴとの対決か、どこかのイレギュラーダンジョンに存在するフィンヴェナハとの再戦で果たされる。が、基本シュールになるので、あんまり小説にするときにはこのルートには入らないかなぁ。牛がぶもぶも言いながら血みどろの争いしているの、書きたくないですからねぇ。動物はあんまりいじめたくない。
次点で王アリル英雄化ルートもあるにはあるが、競合であるクー・フーリン英雄化ルートに負けて普通に採用見送り。
アリル君はまあ、その、なんだ。アルスターのところの王様と比べれば、妻であるメイヴがヤバいだけであって君自身は全然マシな部類だから……。フェルグス暗殺させたりしたけど、アレは割と共感できる理由だから。やり方があんまり戦士らしくなかったってだけで……
ちなみに、アルスター関連の特効関係は下記の通り(プラスアルファでゲッシュによる縛りあり)。
コンラ(コンラッハ):クー・フーリンとの決闘が発生するとダメージ量が増加
クー・フーリン:狗肉摂食で半身不随。また、コンラを殺し、己の息子だと判明した場合、発狂。
スカサハ:特になし(女王である特性から基本契約者の言うことを聞かない)
フェルグス:槍や王アリルの攻撃によってダメージ量が増加する。あとは毒に対して弱体化
メイヴ:固いチーズは止めろ。実はケルトの男戦士全般に特攻を持っている
王アリル:フェルグス特攻持ち。でも全ステータスが弱すぎて話にならない
ドン・クアルンゲ:精霊の怒号(咆哮)持ち。シンプルに恨みのおかげで人間特攻。フィンヴェナハは最終的には勝っているため、弱体は入らない。名前聞くとキレる
フィンヴェナハ:ドン・クアルンゲは止めろ。メイヴ弱体、王アリルと一緒に居るとバフがかかる
モリガン:弱点なし。しいて言うならクー・フーリン弱体
アルスター物語群本編では、基本ドンマイ枠の人間が多いが、マイナーズにおいてのガチでミスタードンマイは王アリルである。ごめんな、見せ場作れなくって。申し訳ないけど、こっから出番ないんだ、君……
なお、アルスター物語群のモリガンと、アーサー王伝説のモルガンは別人。少なくとも、中の人はそう解釈してる。モリガンさん、やっていることも信仰も大分破天荒だけれども、クー・フーリンにツンデレたり、割と人間らしさがあって結構好き。
クー・フーリンの最後をみとったのはネヴァンだったけれども、多分モリガンもクー・フーリンの死を見届けてあげたかっただろうなァ。
ちなみに、これらのイレギュラーダンジョンは平均的な五等級探索者ではクリアできない。筆記試験フルスコアの三人だったからこそ、運が味方したからこそ、普段の努力が身になったからこそ、奇跡的に探索を成功させただけなのである。というか、実力だけで見るならシンジとツバサはとっくに五級の枠に入っていませんし、知識量だけならユウキは二級に筆頭します。
知恵は武器であり、幸運は盾であり、努力は命を長める。が、無理や蛮勇を行えば死神はすぐに背後に立つことだろう。
ついでに。
この物語は一部神話や伝説などを取り扱っていますが、解釈は中の人が独断と偏見で行っており、当然間違った情報もちょっとおかしい解釈も存在します。間違っても、この小説の知識をどや顔で他人に話さないように。赤っ恥かくぞ。
この作品はフィクションをモデルにしたフィクションです。
【クー・フーリンの三体系】
召喚されていないボスモンスターのクー・フーリンは『怪物形態』、『戦士形態』の二つを持つ。ぶっちゃけ、『怪物形態』クー・フーリンは出現するとまずハッピーエンドに入れないので(他人を殺していない状態でコンラと出会えばワンチャンあるが、今回の時系列的にそんなことが起こりえない)、英雄ではない戦士クー・フーリンが登場した。
しかし、自力で再召喚した『英雄形態』のクー・フーリンは、召喚前の特性を引き継いでいるので、怪物形態になりえる。というか、コンラが目の前で死亡すると、『ねじれの発作』が発生して怪物になる。
メタ的に言うと、再召喚特典、もしくは、正規の回答を導きイレギュラーダンジョンをクリアした報酬のようなもの。元がボス個体であるため、召喚で契約できる可能性のあるクー・フーリンよりも若干強かったりする。
なお、怪物に変貌する『ねじれの発作』は転用すると自己強化にもなるため、ある程度のリスクを許容できるようになるか、クー・フーリンですら本気で戦わなければならない敵と対面した時は、切り札として『ねじれの発作』を使うことになるだろう。




