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マギア・クライシス〜魔術師たちの現代戦記〜  作者: 山崎ペンギン
第一部 災嵐開演

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4/19

渋谷の殺人


「なんでこんなところに呼び出したんだ、全く会社を今日は休みにしてまで来たと言うのだぞ。」


50代の男性がそう言いながら渋谷の裏通りを歩く。


時計を見ると時刻は15時を指している。


表通りは人が多いが裏通りに一本入ると人通りが少なくなる。


「もう15時だぞ、一体誰が呼び出したんだ。いたずらでこの俺を呼び出したなら承知しないからな」


苦虫を噛み潰したような表情でいう男。


その時後ろから誰かに肩を叩かれた。


「あ、なんだ?」


と口にした瞬間だった。男の足元に魔法陣のようなものが描かれ始める。


「なんだこれは!?お前は魔術師か!」


その瞬間魔法陣の内部が白く光り出し、光の塔となる。男はその魔法陣の光の中に閉じ込められていた。


魔法陣の正面には黒いマスクで顔を隠した女性が立っていた。


やがて光が消え始める。男は魔法陣が描かれていた場所で倒れていた。


「なんだあれは!」


「キャー!!!」


一部始終を目撃した通行人が叫び声を上げる。


それを聞いた女は路地に向かって走り出した。


「人が倒れているぞ!」


「あれはなんだったの!」


「あいつがやったんだ!」


口々に声を上げ始める通行人たち。


「大丈夫ですか?!」


倒れた男に駆け寄る男性。だが男はすでに亡くなっていた。外傷はない。見ただけでは死因はわからない。


「どういうことなんだ。さっき見たあの光は一体・・・、いやとにかく110番通報しないと。」


そう言いながら男性はスマホを操作し始めた。




「被害者は?」


駆けつけた40代の男性刑事が部下に問いかける。


「栗山慎介、52歳、男性。普段は警備会社の社長をしているとのことです。」


男の身元はカバンに入っていたマイナンバーカードで判明した。


「で、目撃者は?」


「あそこにいる男性が色々と証言してくれています。救護活動も最初に行おうとしたみたいです。」


「そうか、改めて話を聞かなければな。」


「ですが、奇妙なことを言っているのです。」


「奇妙なことだと?」


刑事は訝しみながら部下に聞く。


「それが魔法によって被害者は殺されたのだと。魔法陣のようなものが急に現れて光が被害者を包んだ後、光が消えると被害者は倒れていたとのことです。」


「そんなバカな。魔法なんてものがこの世にあるわけないだろう。まあいい、俺からも話を聞く。」


刑事が呆れたような表情を浮かべながら部下に話す。


「刑事さんその時の映像があります!!」


野次馬の中からとある女性が叫んだ。


「何!映像が残っているだと。」


「たまたまスマホで裏通りを撮影していたときに事件があったです。」


刑事たちはスマホを女性から借りて映像を確認する。


見ると確かに男性の証言と同じものが動画に残されていた。


声を失う刑事たち。


そして魔法を使ったように見える女性もその動画に写っていた。


「とにかくこの女が重要参考人だ。行方を追うぞ。」


「はい!」


刑事は狼狽しながらも部下に指示を出す。


「本当に魔法があるとしたら・・・。いやあるはずがない。そのはずだ。だが厄介なことになるのは間違い無いだろう。」


刑事の予感は的中することになる。




16時半、渋谷のカフェで手紙の宛先人を待つセレネとルナ。だが一向に相手が来ない。


「これだけ待っても来ないのだからあの手紙はいたずらだったのかもしれないわ。だけどいたずらだとしても2年前のことを知っているのはあの男しかいないはずなのだけれども。」

セレネがこう言った。


「そうですね、正直待ちくたびれましたし。帰りましょうよ。」

ルナはすでに帰りたがっている。


セレネとルナの二人は席を立ち、会計へと向かう。


「お会計ですか?2400円になります。お支払い方法はいかがなされますか?」


「うわ、カフェって意外と値段するんですね。」


呟くルナ。これだけでも外に出ず、世間知らずなところがわかる。


「現金で。」


セレネが現金で支払う。


代金を支払い二人は外に出た。外はすっかり夕方である。太陽が西へと沈み始めていた。


そのまま渋谷駅に向かうが何か自分たちに視線が向かっているのを感じた。


「気のせいかしら。何かざわざわするわ。」


この予想は当たってしまうことになる。








読んでくださりありがとうございます。

今回のお話から物語は動き始めます。

どうかよろしくお願いします。

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