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マギア・クライシス〜魔術師たちの現代戦記〜  作者: 山崎ペンギン
第一部 災嵐開演

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13/19

戦闘

「誰が捕まるか!」


 月彦が叫ぶ。と同時に魔術師対策室の三人の足元に魔術陣を構築する。


「魔力を吸収、分散させるっていうならそれ以上の魔力を込めればいい!」


 そう言いながらありったけの量の魔力を魔術陣へと送り込む。


 長門はクサナギを魔術陣へと突きたてるが完全には魔術陣が消えない。


「ちっ。」


 長門は舌打ちしながらクサナギを虚空へと振りかざし、振り下ろす。切先からクサナギの軌道に沿って光る何かが現れ、それが月彦へと向かう。まるで刃が飛んでくるようであった。


「危な!」


 間一髪で月彦は防御の術式の魔術陣を構築してその光る刃を防いだ。だが、その分対策室の三人の足元に構築していた魔術陣は消えてしまった。


「どういう・・・。吸収した魔力を放出したということ・・・?」


 月彦が問いかける。


「ご名答。こいつは吸収した魔力を放出する機能がある。漫画でよく出てくる飛翔する刃ってところだ。」


 長門が答える。


「でも、それは魔力の吸収1回につき1回しか使えないんじゃないですか。ならばもう一度同じことをするまで!」


 そう言いながら再び対策室の三人の足元に魔力陣を構築する月彦。


「固まれ!!」

 長門と加賀、北見がクサナギを魔術陣に突き立てるも魔術陣は消える気配がない。


 月彦が発動したのは束縛呪法である。対象の相手を魔術陣に縛り付け動きを封じるというものである。魔力を供給する限りは半永久的に相手の動きを封じられるが、魔力の供給がなければいずれは解けるものでもある。


「今のうちに2人とも逃げて!近くに大井さんがいるはずだから合流するんだ!」


 月彦が二人に叫ぶ。


「月彦はどうするの?!」


 セレネが聞きかえす。


「僕はどうにかできるから二人とも逃げて!」


「・・・わかったわ!ルナいくわよ!」


 セレネがルナの手を引き後方へと逃走しようとする。


「逃がさないですよ。」


 魔術で動けないはずの加賀が拳銃を抜いて発砲した。中身は先ほど長門が放ったのと同じゴム弾だ。そのゴム弾がルナの左腕に命中した。


「痛っ!!!」


 ルナが膝から崩れ落ちる。ゴム弾が命中した左腕は赤く腫れていた。


「ルナ!大丈夫かしら?」


 セレネが慌ててルナのもとに駆け寄る。


「なんで動けるんだ・・・。」


 その光景を見て疑問に思う月彦。


「このベストのおかげだよ。相手の魔術の威力を最大50%低減させる。最も我々も完全に動けるわけではないがね。かなり君の魔術は効いているよ、黒姫月彦。」


 顔を顰めながらこう話す長門。動くのはきつそうではある。

 対策室が着用するのはAM–04「タテナシ」と呼ばれるベストである。薄型のベストであり魔力を分散させる特殊樹脂がコーティングされている。コーティングがはがれると効果がなくなる。相手の魔術の威力を最大50%低下させることができ、防刃、防弾能力もある。


「まさか命中するとは。長門さんすみません。威嚇のつもりで射ったのですがやはり手元が狂ったみたいです。」


 加賀が申し訳なさそうに言う。本当に命中させる気はなかったようだ。


「いや、大丈夫だ。これで逃げられないということはわかったであろう。素直に投降するんだ。」


 長門はセレネたち三人にこう告げる。


「あんな専用の装備で対抗されたらこっちの手に負えないわ。他にも魔術はあるけど一般の人を巻き込んでしまう。どうしたら・・・。」


 セレネが考える。だが答えは出ない。まさしく絶体絶命のその時であった。セレネたちと対策室の間に炎の壁が現れた。


「なんだこれは!赤魔術か?」


 長門が叫ぶ。


 セレネたちの目の前に現れたのは同じ魔術師である赤川弘陽(あかがわひろあき)と黄柏光希(おうばくみつき)であった。


「ヒロ!光希!どうして、いやどうやってここに?」


 月彦が問いかける。


「話は後だ!今すぐ逃げるぞ!光希頼む!」

 弘陽が叫ぶ。


「はいはいさー、いくよー!」


 光希はそう言いながら右手に持つステッキのようなものに魔力を込めて振る。


 魔術師側5人の足元に魔術陣が構築される。


「待て!」


 長門が叫ぶ、だがその場から動くことができない。構築された魔術陣から黄色い光が現れる。そしてその光があたり一面を包み込んだ。


「どうなったんだ?」


 長門が口にする。


 光が消えたと同時に炎の壁も消えていた。そして魔術師たちの姿も無くなっていた。


「くそ、逃げたか!なんだったんだ今の光は・・・。」


「わかりません、まだ近くにいる可能性はありますが。遠くに行っていたとしたら厄介ですよ。我々もまだその場からは動けませんし。」

 加賀が長門に話しかける。


「刑事さん見ましたか。今のが魔術師です。まだ近くにいる可能性があります。捜査のご協力をお願いできますか?」


 長門が刑事に話かける。


「ああ、わかった・・・。」


 一部始終を見た刑事は心ここにあらずといった感じでポカンとしている。


「さてと、周辺をもう一度捜索だな。動けるようになるまでそれくらいかかるかはわからないが。」


 長門はこう言い、クサナギを自身の足元にある魔術陣へと突き立てた。



ユニークアクセス100人ありがとうございます。

これからもぜひ見てください。

よろしくお願いします。

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