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マギア・クライシス〜魔術師たちの現代戦記〜  作者: 山崎ペンギン
第一部 災嵐開演

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10/19

スパイダー始動

「長門さん、聞き込みしている時に不思議なことを言う人がいるんです。」


対策室の加賀が同じく対策室の長門に話しかける。


「ええ、女性二人組なのですが魔術師らしき人を見たかもしれない気がすると。だけど思い出せないみたいです。思い出そうとしても顔などの詳しい情報が思い出せないみたいです。本人たちも記憶を失っている実感はあるとのことです。」


「魔術を使った可能性が高そうだな。黒魔術なら呪いのようなものだ。記憶を操作することもできるのだろう。」


長門が加賀の報告に対して表情を顰めながら返事をする。


「ええ、そしてどうやら渋谷駅から西の方角に向かって逃げているみたいです。」


「わかった。ただこちらは三人だ。見つけるのは難しいな。とりあえず室長に報告だ。」


そう言いながら長門はスマホを取り出し画面を操作し始めた。


数回の着信の後電話がつながった。


「もしもし、長門です。どうやら魔術師は魔術を使い撹乱しながら西へと逃亡しているみたいです。ええ、わかりました。現場の警察官にも捜索してもらうと。了解です。」


長門が電話を切る。そして加賀と北見の二人に告げる。


「室長より現場の警察官にも顔写真などの情報を提供して捜査してもらうとのことだ。発見、拘束などの情報があれば室長経由で連絡が入るとのことだ。」


「了解です。引き続き我々も聞き込みを行いましょう。あとはSNSの確認もですね。もしかしたら情報が上がっているかもしれませんし。」


加賀がこう言う。


「そうですね、記憶を無くさせるとはいえ魔術師側が気付かず市民が発見した場合もありますもんね。」


北見が続ける。


「よし、北見はSNSの確認を中心に行え。加賀は引き続き聞き込みを続けるように。」


長門は二人に指示を出す。そして三人は再び渋谷で捜査を始めたのであった。





「ふう、今日は早めに仕事が終わったから途中で上がったけどこれから何しようかな。」


愛知県名古屋市。ある男が仕事を終え帰路に着いた。


「ただいまーって誰もいねえけど。」


名古屋市内の賃貸マンションの一室が男の家だ。


「とりあえずXでも見るか。」


そう言いながらソファに座りスマホを操作し始めた。


「芸能人の不倫ねー、他にもっとまともなニュースとかはないのかよ。」


Xのニュースには世間を騒がせている芸能人の不倫についての記事が載っていた。


「他に何かないかな。」


そう言いながら男はスマホをスクロールする。。


「何、渋谷で殺人事件。魔法なようなものを使用か。魔法なんてこの世にあるわけ・・・、ほんとだマジで魔法じゃん。」


Xに上がっていたポストを見て驚く男。


「犯人は逃亡中。おそらく渋谷駅の西側にいるのではないかってか。面白そうじゃん、首突っ込むか。」


そう言いながら男はワクワクしながら自室のパソコンデスクへと向かう。


パソコンデスクには3枚ものモニターが設置されており、デスクの下にはデスクトップパソコンが置かれている。そして椅子はゲーミングチェアだ。


「さてと。」


男はそう言いながらゲーミングチェアに座りパソコンを起動させる。


「どうやって犯人を見つけるか。まあ防犯カメラが一番かな。」


画面には白と黒の文字列が浮かび上がる。


「とりあえず渋谷の防犯カメラのネットワークに攻撃して乗っ取るか。」


そう言いながらパソコンを操作する男。そこから1時間も経たずにこの男はなんと渋谷駅西側エリアの防犯カメラのネットワークへのハッキングを成功させたのだ。


「若い女性二人組だよね。最初の事件の時は一人だったけど。多分裏通りや路地裏に逃げているからその近くの防犯カメラをピックアップしてと。」


パソコンを操作しながら呟く男。


この男は八条忠雲、またの名はスパイダーである。世界的にスパイダーの名で裏において知られているハッカーである。ただ基本的には腐敗が進んでいる組織や国にハッキングする正義のハッカーとして活動している。普段は名古屋に本社を構える大手IT企業JNC(ジャパン・ネットワーク・カンパニー)の会社員である。


そこから30分。


「見いつけた。この辺にいたんだ。じゃあXでこの画像と位置情報をアップしてと。さてこれで犯人捕まるかな。」


いやらしい顔で笑うスパイダーであった。


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