第1話〜聞こえてるんでしょ?
ご覧いただきありがとうございます。
ふと降り立った見知らぬ駅で始まる、少し不気味で不可思議な物語です。
もしよろしければ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
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周囲の空気が急に冷気を発生し始めた。心臓が跳ね上がり、呼吸が浅くなる。
「な、なに……それ……」
自分の声のはずなのに、そこには氷のように冷たい、見知らぬ感情が宿っていた。震える手を抑えつけながら、ゆっくりと振り返る。
そこには——誰もいない。
ただ、薄暗い改札口の向こう、黒い霧の奥にポツンと立つ鏡のようなガラス窓に、自分の姿が映っていた。画面の向こうの「自分」は、スマートフォンを耳に当てたまま、にやりと口角を上げて嗤っている。
「聞こえてるでしょ?」
耳元のスピーカーと、霧の向こうから同時に声が響いた。鏡の中の自分が、ゆらりとこちらへ一歩を踏み出す。
「ようこそ、私の世界へ」
動こうとしたが、身体が思い通りに動かなかった。まるで、金縛りにあったようだ。
呼吸だけは荒くなり、自分の心臓の音がバクバク と聞こえるようだった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
見知らぬ駅の不可思議な雰囲気、少しでも楽しんでいただけていたら嬉しいです。
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また次の物語でお会いしましょう




