2.航海団
「おーーい。第11、12航海団が帰ってきたぞ!!」
と港の方から男が大声をだして走り去っていった。その知らせを聞いた俺とソーンは急いで港に向かう。
港にはもう人だかりができていて、その中から背伸びをして海の方を見てみると白い旗をつけた船が二隻港に向かってきていた。
その二隻をみてソーンが愚痴を言う。
「なんだよ今回も白旗かぁ」
「そんなこと言うなよ。いつになっても帰って来ないよりはマシだろ?それに白旗でも何か成果があるかもしれないぜ?」
とソーンに言ったが、実際白旗で成果があったのは二回だけであったため俺もあまり期待していない。
旗というのはソテリアを発見した場合は赤旗、見つけられなかった場合が白旗だ。
なぜ旗をつけるのかというと船が沈没してしまった場合、陸に情報を少しでも伝えるためである。
旗には魔力が込められているため陸に流れ着くようになってある。
白旗が流れ着いた場合はソテリアに着く前に何かしらのイレギュラーがあったということがわかり、
赤旗が流れ着いた場合はソテリア付近で何かしら起こったということがわかる。
旗に文字を書き込めればいいのだが海を漂ってるうちに、文字は旗のように魔力で守られていないため消えてしまうらしい。
ちなみに赤旗は二回流れ着いている。
そうこうしているうちにどんどん船が近づいてくる。船の上から船員の叫ぶ声が聞こえてくる。三ヶ月だ。そんな長い時間海の上にいたら叫びたくもなるだろう。
それに遠くからは分からなかったが国の技術をこれでもかと注ぎ込んだ船はボロボロになっていた。
そうなるとこの後は船の整備や成果報告などが行われるのだろう。
それらがひと段落してから新聞などに成果載るため一般市民が成果を知れるまでには三日ほどかかる。
そのため今日は港でお開きにした。
―――――――――
三日経った。
小走りになりながら新聞を取りにいく。
きっちりと盗み見た新聞はとてつもない内容であった。
〜第11、12航海団 白旗ながらも大きな成果を持ち帰る〜
1、奈落を発見。
2、大型の魔獣を討伐。
3、海上に人工物を確認。
まず一つ目の奈落というのは海にぽっかりと空いている大穴である。
大穴を中心に漏斗のような形で海が下がっており、渦巻いている。絶え間なく海の水が流れているが、いまだに底が見えないらしい。
研究者曰く奈落から大量の魔力が流れ出ているためこんな不思議な形になるんだそうだ。
二つ目の大型の魔獣というのはここ10年で現れたもので、奈落から出る魔力に当てられた生き物達なため、奈落の周辺で見つかっている。
非常に大きくまた獰猛で倒すのが難しいため今回を含めてまだ五匹しか討伐できていない。
三つ目。これは今回が初めてのものだ。
海の上に立っている人工物。
大きく載せられている写真には遠くに塔のようなものが建っており、
写真越しにも人工物であることが伝わってくる。
なぜこんなものがあるのか。
どのようなものなのか。
誰が建てたのか。
『ソテリアは近いのだろうか』
色々思うところはあるが、今回の件で国がよりソテリア捜索に力を入れるはずだ。
国が人員を要請すればもしかしたら次の航海団に入れるかもしれない。
早くソーンに伝えて話さなくては。
と思い、声をかけてくれる人達に会釈だけ返し、早めに新聞配達を終わらせる。
そのまま駆け足で学校に向かうも教室にはまだ誰もいなく、早く来すぎてしまったことに気づく。
仕方ないためソーンに何から話そうか考えようとした時、
教室の扉が勢いよく開けられた。
「ソーン!いるか!?」
「え、お前なんでいるんだよ…まだ学校始まらないぞ?」
「何言ってんだ?じゃあなんでお前もいるんだよ…ってそんなことはどうでもいいだろ。
お前も読んだんだろ?新聞!あんなの読んで落ち着いてられるか!」
とソーンがすごい速さでこちらにくる。
ああ、そうだった。
驚いてまだ学校始まらないぞ?とかいうアホなことを言ってしまった。
「すごいよな。奈落に魔獣、初めて発見した謎の人工物。それも写真付き!あの人工物はやっぱりソテリアと関係あると俺は思うんだけどさ!どう思うソーン?」
「一旦落ち着けって。新発見した塔みたいな謎の人工物は俺もソテリアと関係はあると思う。あんな海のど真ん中に建物は普通建てられないし、だいぶ大きい。」
「そうなると国も大規模な調査をするよな?」
さっきまで子供みたいにはしゃいでいたがソーンもちゃんと考えていたらしい。
「そうだろうな。お前も気づいてるんだろ?国が人員を要請すれば俺たちも15歳だから航海団に入れる。試験もあるがなんとかなるように勉強してきたんだ」
「やったな!」
甘い考えだと大人はいうかもしれないが、
俺達の技術は航海団試験に合格できるレベルなのは間違いない。
ともあれやっとスタートラインが見えてきたのだ。楽しみだ。
そう思ってソーンと笑った。




