猫はチョコ、ダメだよね?
今回は、マルの番外編です
こないだから、真悠の様子がおかしい。
なんか避けられてるような気がする?
膝枕をして貰おうとしても、真悠は前なら頭を撫でたりしてくれたのに、最近はなんか固い。
朝も、俺が起こしに行く前に起きてるし、一緒のベッドで寝てくれなくなった。
一体、俺が何をしたというんだ!!
マルは真悠が、仕事に行った後だいたいテレビを見て世の中の事を知る。
真悠と、一緒に外に出かけたりしたことはあるが1人で出かけない様に真悠に約束させられていた。
最近、テレビでよく特集をしているバレンタインデーにマルは、興味深々だった。
ふん、ふん、今日は好きな人にチョコレート?をあげるっていう日なんだな?
マルはニヤリと笑い、真悠に買ってもらったよそ行きの服に着替え、アパートをコッソリと出る。
街は、ピンクや赤、ハートなどバレンタインデー一色になっていた。
たしか……こっちに真悠と前に来た店が……あれ?
真悠と来た道を思い出しながら歩くが、全然違う道に思えてくる。
さっきから、マルをチラチラ女の子達が振り返って見ている事に気づき、マルはちょっと嫌な気持ちになっていると、サングラスをかけた怪しそうな男がマルに近づいて来た。
「お兄さん、数時間だけアルバイトしない?」
「あるばいと?なんだそれ」
「お兄さん、アルバイトした事ないの?仕事だよ仕事」
「仕事……あぁ、真悠がしてるやつか」
「お兄さん、彼女に貢がせてんの?さすが!!アルバイトして何か彼女にサプライズしてあげたら喜ぶと思うよ〜」
「真悠、喜ぶのか?!ヤルぞその、あるばいとってやつ」
マルは、男に連れていかれるがまま店に入ると、まるでコックの様な制服を着せられた。
「実は、俺、パティシエなんだけどこんな見た目でこの稼ぎどきにチョコが全然売れねーの!だから、数時間ココでこう、テンパリングしてて貰いたいんだ」
言われるがまま、ガラス張りのキッチンでテンパリングをするマルに、まるで動物園のパンダを見る様にワラワラと人が集まり、店にも面白いように人がどんどん入る。
マルが数時間、テンパリングをただしていただけで、店のチョコが完売してしまうほどの盛況ぶりだった。
「マル君!!ありがとう!!これでオヤジに顔向けできるよ!コレ、細やかだけどアルバイト代と、あとチョコレート!!家で彼女さんと食べて」
「チョコレートか!ありがとう!おじさん」
マルは思わぬ所で、チョコレートをゲットでき喜んでいたのも束の間、真悠が帰ってくる時間が近いことに気付き、急いでアパートへと向かう。
「マル!?マル!!どこ!?」
真悠の声が、アパートの外まで聞こえる。
アパートのドアが開き、涙目の真悠が飛び出して来ると、マルと目が合う。
「あ……真悠、あのごめ……」
マルが怒られるのを覚悟してギュっと目をつぶると、真悠が泣きながら抱きつく。
「マル、出てったかと思った……良かった」
「真悠、ごめん……俺、真悠にバレンタインデーやりたくて、コレ」
急いで帰る途中にバイト代で買った花束と、チョコレートを真悠に差し出すと、真悠は目をパチクリしている。
「バレンタインデーは、大好きな人にチョコレートをあげるんだよね?真悠、大好きだよ」
マルは、真悠のホッペにチュウをすると、照れた様にへへっと笑う。
「ありがとう……でも、どうしたのコレ?」
真悠は、嬉しそうに、でも不安そうに聞くと、部屋に向かいながらマルは得意げに話す。
「今日、色んな事があったんだ!!てか、そのチョコレート後で俺にも一口ちょーだいね」
真悠は、嬉しそうな顔を見ながらウンウンとうなづにながらマルの話に耳を傾けた。




