出会い
私は、某チェーン展開しているアパレルショップで働いている真悠、25歳。
最近、ペットを飼い始めたんだけど、これがまた可愛いのなんの!!ふわっふわなミルクティーみたいな色した毛と、翡翠のようなキレイな瞳の子猫。
私の後を、小さな手と足でどこまでも付いてくる。
もちろんトイレやお風呂まで付いてきては、扉を開けるまでずっと扉の前でニャアニャア鳴いている。
だから、出勤するときも悲しそうな顔で玄関までお見送り、帰宅した時は扉を開ける前から分かっているのか、ニャアニャアと鳴いていて扉を開けると足にすり寄ってきてずっと離れない。
寝る時も、布団にもぐりこんできては、足元に居たはずなのにいつの間にか首の隣に移動して丸くなって寝ている。
そんな猫ちゃんの指定席は、決まって私の膝の上。
丸くなってふわふわしてるから、名前は(マル)。
可愛すぎて、仕事なんかそっちのけで早く家に帰りたい!ってくらい溺愛しているんだ。
そんなマルと出会ったのは、先月の初め頃。
私の住んでいるアパートの前で、近所の野良猫に追い掛け回されているのを目撃し救出。
救出したものの、ペットを飼う気がなかった私は、猫を安全そうな所に置き仕事に向かったのだが、その日からマルはどんなに雨が降っていても、寒くても、風が強くても、出かけるときは、玄関から道路までお見送り、帰ってきたときは、道路から玄関までお出迎えしてくれるようになっていた。
この子、毎日いるけど、野良ちゃんなのかな?
キレイな猫だから、飼い猫だよね?
最初は、誰かの飼い猫だと思おうとしていたが、日に日に毛もボソボソになり、心なしか痩せてきているような気にもなってくる。
ごはん、食べれてるのかな?
でも、ごはんあげたら居ついちゃうしな……
真悠は、幾度となく葛藤を繰り返しながらも決断できないままで居たのだが、そんなさなか、11月だというのに珍しく雪が降る。
どんどん降り積もる雪と、寒さの中、真悠の帰りを待っている猫を考えると、居ても経ってもいられない気持ちになり、真悠は仕事が終わる時間と共にタイムカードを押し、アパートへ駆け出していた。
案の定、猫は雪が積もった道路でプルプルと震えながら真悠が帰るのを待っていたのだ。
真悠を見つけた猫は、まるでお帰りなさいと言うように一言ニャアと鳴くと、その健気さに真悠の目から涙が溢れて猫を抱き上げる。
「こんなに冷たくなって、ゴメンね……もっと早くこうすれば良かった。
お前、うちの子になる?」
猫は、喉をゴロゴロとならしながら、ウンと返事をするようにまた、ニャアと鳴いた。




