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464話 「詩織さんと、四季の詩」
464話 「詩織さんと、四季の詩」
詩織が滞在する中で、灯台荘は少しずつ賑やかになった。
凛は毎朝、詩織に父の詩や自分の詩を読み聞かせ、詩織はそれをノートに丁寧に書き写した。 ある夕暮れ、四人(凛・湊・詩織・フサエさん)が灯室に集まった。
凛は新しい詩を、春の風に託して読んだ。春招き
雪解けの水が すべてを流す
新しい芽が 希望を灯す
私は扉を開け 風を招く
遠くの光も 近くの音も
この灯台に 集まれ 悠真さんの旅路が どんな色でも
湊くんのメロディーが どんな調べでも
私はここで 皆を迎える
灯台荘は 四季を巡り 止まらない 詩織が静かに拍手した。
「これを本にしましょう。『灯台荘の光』というタイトルで」
凛は頰を赤らめながらも、嬉しそうに頷いた。
守るだけでなく、誰かを招き、物語を広げていく——それが今の自分の役割だと、確信した瞬間だった。




