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駆け出し冒険者の俺は裏レベル100  作者: 可じゃん
第六章 迷宮編
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フェアドラド開門式

第七十三話

 どうやら今日の夜に『迷宮』の門が開くらしい。

当然俺たちはそれを見に行く。

しかし、その前に寄るところがあった。


「もうできたの???」


どうやら昨日頼んだ俺たちの新衣装がもう出来上がったようだ。

あまりの速さに驚いたわけだが、どうやらその背景にはフリエナの懇願(こんがん)があったらしい。

理由はわからないが、服屋の店主をめちゃくちゃ急かしたようだ。


「思っていたよりもずいぶん早いわね。」


ソルナが同調する。


店に入ると、すでに店主が全員分の服を用意していた。

俺たちも折角なので、順番に着替えることにした。


「ど、どうですか....?に、似合ってますか....ね?」


少し照れながらルフテが更衣室から出てくる。

どうやら腰に巻く道具入れを貰ったようだ。

機能性が良いうえに、見た目もかわいらしいので、ルフテにフィットしている。


「どうや?似合ってるやろ!」


次はコラゴンだ。

店の店主にばれないようにこっそりと服を着る。

服といっても普段から何も着てないので、渡されたのはただの風呂敷だ。

それをしっぽに巻いて、ちょっとおしゃれになった気でいるのである。

まあ本人が嬉しそうなので、俺は何も言わないでおこう。


「それじゃあ次は私ね。」


ソルナは意気揚々と更衣室に入り、しばらく経って出てきた。


「おお!似合ってるな。」


ソルナは今までのインナーが黒いシャツに代わっており、足首までしかなかったブーツも太ももまである新しいブーツに代わっていた。

ショートパンツとローブはそのままだが、新しい服とよく似合っている。


「それじゃあ最後は俺か。」


そう言ってフリエナから衣服を受け取り、更衣室に入った。

現世からずっと愛用していたTシャツとジーンズを『インベントリング』の中にしまう。

恐らく今後着ることはないだろうが、前の世界との繋がりとしてとっておきたかったのだ。

フリエナから貰ったのは冒険者用の衣服一式だ。

青黒いシャツに白と黒の上着、それと白いダボっとしたズボンだ。

正直に言わせてもらうと、めっちゃかっこいい。

ちなみに一番最初に『ララン』で買った装備は長らく着用していない。

理由は胸当てとか膝当(ひざあ)てなんかよりも、素の体の方が頑丈だと気づいたからだ。

まあそんなことはさておき、俺もパーティーメンバーに新衣装をお披露目する時が来た。


「どうよ!」


勢いよく更衣室を飛び出る。


「おー、似合ってるわ。」


「い、いいと思います!」


「ええやん、ええやん。俺っちと同じぐらい決まってるで!」


とそれぞれからお褒めの言葉をいただく。


「まあ、ユキマルにしては似合ってると思うわ!」


最後を締めくくったのはフリエナだ。


「ちなみにそれぞれのプレゼントに面白い機能がついてるんだ。」


「機能?」


いつのっまにかそばにいた店主が解説を入れる。


「ああ、例えばローブの子のブーツには脚力が上がる機能がある。短髪の子の腰掛け道具入れには見た目より少し多く物が入るという機能がある。ちなみに君の服が一番特別で、魔力を()め続ける限り、自動で修復したり汚れを落としてくれる。つまり着ているだけで新品同様な状態を保てるってことだ。まあ、あまりにも大きく破損してしまうと相当な魔力を()めなきゃ修復できないけどね。」


なるほどな。

ソルナ、ルフテ、俺とそれぞれ面白い機能が付いた特別な衣服を貰ったらしい。

流石はエルフの里のオーダーメイドといったところか。

それに相当な魔力量なら持っているから、服の修復については常に問題なく作動すると思われる。


「ありがとなフリエナ!」


俺たちはフリエナに感謝を伝え、プレゼントをありがたく受け取った。

そして俺たちは『フェアドラド開門式』が行われる夜まで、一緒に時間をつぶしたのだった。


・・・・

・・


夜になった。

深夜0時だというのに、門の周りの広場は人混みでにぎわっていた。

みんな百年に一度しか開かない『迷宮』の門が気になるのだ。

ヒト族、ドワーフ族、獣人族、それに当然エルフ族。

ぱっと見た限りでもこれだけの種族がこの場にいる。


「おい、いよいよだな!」


近くの人混みでだれかが言った。

そしてそれに答えるように別の誰かが同調した。


「それでは、式典を始める!」


門の前に並んだのは四人の長老だ。

その中にはトイガの高祖母であるトイコの姿もある。

四人は何やら祝詞(のりと)らしきものを(うた)いだした。

どうやらそれが門が開くまでのカウントダウンのようだ。

俺は前の世界にいたときの、新年を迎えるカウントダウンを思い出した。


やっぱ特別な瞬間を迎えるときはカウントダウンをして盛り上げたくなるよな。


なんてことを考えていると、どうやらその時が来たようだ。


「「「「「「「オオオオオオオオオオオオ!!!!!!」」」」」」」


大きな声援で広場が埋め尽くされる。

そんな中前へ出たのは何人もの挑戦者たちだった。

しっかりと数えたわけではないが、ざっと数百人はいたと思う。


「挑戦者たちよご武運を」


長老の一人が言う。


その直後門が開いた。


ギギゴゴゴゴゴ......


重厚そうな扉が土煙を上げながら両開きになる。

改めてみると、やはり大きな門であった。

挑戦者たちが何列かに並び、順番に入っていく。

門の中は光で満ちており、挑戦者たちはその光に吸い込まれるように『迷宮』へと足を踏み入れていく。

24時間のタイムリミットは今、開始したのだった。

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