027『新たな武器』
第9区画での金属オンパレード(ただし鉄は除く)で私はどっと疲れを感じながらも第10区画を作っていた。
第10区画……ここまで掘ることになるとは思わなかったが、まあ致し方がない。他の区画と同じようにして休憩スペースも作っておく。
金属が手に入ったこともあり、こういう休憩スペースに置く家具や明かりなどもそれらを応用したものにアップグレードしている。
水を流したりするパイプは耐食性の高い銅を引き続き利用する。ステンレスとかそういう物が作れるようになってからが本格的な改築になると思う。
「ふぅ」
第10区画の基礎が出来たら私は一度地上へ戻る。流石にここまで来ると昇り降りが結構大変かもしれない。
「トロッコを作るべきか……」
いや、トロッコを作ったとして地上に持って行くには別に動力が必要だ。下りはいいが、動力も何もなければ上りには使えない。
電気が必要だよなあ。金属類は鉄を除いて豊富だが、電気を作るにはまずは発電機が必要だ。その発電機を作るのにも鉄が必要。
今の金属だけでは発電機とかはまだ作れんのよな……だが、発電機を作れれば他のパーツはほぼ完全に作成できる。送電ケーブルとか銅があればいけるのだから。
「わふ」
「おお、ポチ。よしよし」
正直も地下は見飽きてきてしまった。
第10区画を作ったはいいが、ちょっと今はそのモチベがない。採掘作業は一旦休憩するか……。
それに鉄がなくても色んなものが作れるようになってきた。ログハウスや周囲の柵、装備類を整えるのもいいかもしれない。
「ん? 硝石?」
そんなことを考えながらポーチの中を探っていると、見慣れない石が入っていた。
恐らくは掘っていた途中で手に入れたものだろうと思うが……石ではなく硝石と表示されているのが気になる。
「硝石ってなんだったかな」
ここはクラフトテーブルの出番だ。
「ええと硝石を置いてっと」
慣れた画面に硝石が表示される。そしてそこから作れるものというのが――
「火薬か!」
クラフトテーブル画面を見ながら叫ぶ。
硝石と木炭で火薬が出来るらしい。あれ、火薬って硫黄とかも必要だったような……いや、このクラフトテーブルのことだ。考えるだけ無駄だ。
現実だけどこのクラフトテーブルくんはゲームだと思っていいと思う。だってぶっっちゃけ、レシピなんてゲームにもよるけど謎素材で出来るものもあるのだ。私が知っているやつだと、鉄と魚で戦車ができてたぞ。(正確には装甲車っぽいやつ)
「何も言うまい。クラフトテーブルは優秀。それだけだ」
「わふぅ?」
待てよ。
火薬が作れるってことは、銃弾の補充ができる?
「こうしてはいられん!」
自衛のレベルが更に上がると考えれば優先事項だろこれ。
結局作っても使わなかったクロスボウについては、全く使わないのもあれだったので的あてゲームみたいな感じで使っていた。
まずクロスボウを持っていても当てなきゃ意味がない。動いているやつに当てることを考えると練習は大事なのだ。
「銅と火薬で弾丸作れるな……」
レシピを見ながらふと最初から持っていた小型拳銃を思い出す。使う機会がなかったから弾薬はそのままそっくり残っている。
「鉛とかは必要ないのか」
まあ、クラフトテーブルだしな。
ゲーム風に考えるならそんな細かいところまでは考えていないだろう。銅と火薬、これがあれば作れるとクラフトテーブルが言っているのだから余計なことは言うまい。
それならばそのクラフトテーブルの意図を素直に受け取り、作成してみようじゃないか。
「おお」
そんなわけで試しに銅と火薬を合わせて作成してみたところ、最初から持っていた弾丸と全く一緒のものが完成した。
名称はHG弾。何ミリとかまでは書かれていないようだ。まあわかりやすいといえばわかりやすいな。
「いいね」
弾の補充が出来るようになるならば、クロスボウとかを使う必要がなくなってきた。
「流石に銃はまだ作れないか……鉄が必要だな」
アルミや銀、銅といった金属はあるから作れるかなと思ったが……やはり鉄が必要か。
残念ながら新しい銃はお預けのようだ。
銃弾は作れるのに肝心の銃が作れないという、この何とも言えない感覚。ちなみに、他の銃弾に関してもAR弾だったり、SMG弾だったり、そんな名前になっている。
「まあでも銃弾が作れるようになったなら拳銃も使い放題出来そうだな」
明らかにクロスボウよりも高速で射出される弾丸。殺傷力はかなり高いだろうしな。
新しい銃を作るにも、やはり鉄が必要なのでこのあたりで見つかって欲しいところだなと思いながら採掘場に向かうのだった。




