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何でも屋は女神に頼まれました  作者: 神代零
1章 始まりの街にて
14/24

第13話 生命力と魔力

はい、続きです!

あと、『竜魂の適合者 ~竜王と盟約を交わす少年~』も同時に更新しています。

こちらも宜しくお願いしますー。

 


 哲也は陽が真上に上がっても、そろそろ陽が落ちようが、まだ布団の中で惰眠を蝕むっていた。このまま、夜になっても眠りから覚めない勢いだったがーーーー




 ドバァァァァァッ!!




「おいッ! 早く起きやがれ!!」


 ドアが吹き飛び、エリラが現れた。当の哲也は吹き飛んだドアの下敷きになっていた。そのドアがブルブルと揺れたかと思えばーーーー




「貴様ぁぁぁぁぁーーーー!!」


 ドアごと布団を蹴飛ばして、叫びながら立ち上がっていた。蹴飛ばしたドアはエリラに向かっていったが、『パリィ』であっさりと弾かれた。舌打ちをし、何故ここにと疑問を浮かべていた時に、エリラの後ろから慌てた様子のカレルが現れーーーーーーーーすぐに理解した。


「カレル! お前は!!」

「ひぇっ、すいません!」


 カレルは言い訳も誤魔化すこともなく、正直に謝っていた。


「おいおい、怒ってやるなよ。私が隠れて、カレルに着いていったからな。カレルならテツヤの居場所を知っていると思ってな」

「うぅっ、不覚です」


 つまり、エリラはカレルなら哲也がいる宿を知っていると考えて、カレルにストーカーをしていたようだ。夕方になっても、まだ来ない哲也に焦れて、カレルが宿まで行ったのが運の尽きだった。宿前まで着いたカレルを追い抜き、今に至るわけだ…………。


「ストーカーをしてんじゃねぇよ!! 気付かなかったカレルも非があるかもしれんが……」

「ごめんなさい……」


 シュン、と落ち込んで謝るカレル。その反対に、エリラは笑ってドアを立てていた。


「がははっ、何時まで待ってもギルドに来ないお前も悪い。さぁて、ドアの弁償代を払ってくるかー」

「払うぐらいなら、壊すなよ!?」


 なんで、起床したすぐにツッコミを入れなければならないんだと、溜息を吐きたくなるのだった。


「って、夕方から行くのかよ?」

「あぁ、クエストなら昨日に受けておいたぞ。夜にしか現れない魔物だから、丁度良いだろ」

「勝手に受けたのかよ……で、内容は?」

「ポインズマミーの討伐だ」


 話によると、ポインズマミーは夜にしか現れないアンデットの魔物で、毒を扱うようだ。強さはそれ程に高くはないから、毒消しを持っていれば苦戦はしないのこと。


 ポインズマミーか、毒消しは事前に数個か買ってあるから大丈夫だが、問題は夜間に行動することだな。


 この世界は地球と違って、灯りが火しかない。魔力で動く光の魔道具があるかもしれないが、哲也はまだ見たこともない。夜間の森や草原は、月の明かりしかないから不意打ちが怖い。そこら辺はどうしているのかと、このパーティで冒険者歴が一番長いエリラに聞いてみた。


「そうだな、火か光の魔法を使える奴がいたら楽だが、普通ならランプを持たせるな。1人がランプを持って応戦するか、後は月の明かりか気配に頼るしかないな」

「気配? 熟練者みたいなことを俺達が出来ることじゃねぇだろ」

「魔眼を持っているんだから、魔力ぐらいは感じ取れるだろ?」

「ーーむ、魔力を感じる? 確かに、自分の魔力を感じたこともあるな」


 哲也は既に魔力を感じることを経験している。自分がスキルを使った時、何かが減った感覚を感じたことがある。


「それが出来ているなら、周りの魔力を探るように意識を向ければいいだけだ。感度は個人によって違うが」


 哲也はエリラの言う通りに、周りの魔力を意識して感じてみた。そしたら、魔力を感じるだけで留まらず、見えるようになったのだ。


「お、これが魔力か。青白い色が帯びているように見えるな」

「ん、それも魔眼の影響か? 普通なら見えないが、見えるなら夜間でも魔力が目立つはずだ」

「そうみたいだな…………、この技術はスキルに出ないのか?」


 カードが鳴っていないから、魔力を感じる技術は能力ではないようだ。感じられる範囲は個人の差があるが、誰にも出来る技術なのでスキルに現れないらしい。


「そろそろ夜になりそうだ。準備を終わらせたら、門前で集合な」

「はいはい、さっさと出ていけよ。着替えられんだろ」

「あわわっ、まだ出てないのにズボンに指を掛けないでよ!?」


 そう言って、カレルは慌てて部屋から出て行った。エリラも笑いながら出て行く。1人だけになった部屋では、哲也は溜息を吐いていた。








 ーー夜になり、3人は目撃情報があった草原へ向かった。月の明かりがあるので、全く見えない程ではない。

 あまり動くことがない魔術師であるカレルがランプを持って前に立ち、後ろは魔力の気配を感じて見ることが出来る哲也に、真ん中には動きが早く、咄嗟に壁へなれるエリラがいる。この陣形で草原を歩いていた。


「他の魔物は出てこないな?」

「そりゃ、魔物も寝るからな。草原に出てくる魔物は殆どが昼に行動する。反対に森は夜行性が多いな」

「成る程。夜の草原に出てくるのはーーーー」

「アレとかな」


 エリラが指を指すと、そこにはゾンビがゆったりとした動きで歩いていた。服を着ており、それ程に汚れては無かった。


「ありゃ、最近に死んだ冒険者の誰かだな」

「冒険者は死ぬ確率が高いから、何処からでもゾンビが現れても驚かないな。ゾンビは群れないよな?」

「まぁ、墓場とか死体が集まった場所じゃなかったらな」


 ゾンビは群れる習慣があるかと思えば、それは墓場や死体が沢山捨てられている場所ではない限りは1、2体が普通らしい。


「ゾンビは頭を潰せば、死ぬのか?」

「そうだな。もう死んでいるが、脳に損害を与えれば、動きが止まるぞ」


 それだけ聞けば充分だった。哲也は分銅を回して、すぐ頭を狙った。いつもなら脚を先に狙うが、ゾンビは動きが鈍くて思考する頭はないので一撃で決めることにした。

 何も予想外のことは起こらず、ゾンビは頭を潰されて、暫く痙攣した後に倒れた。


 お、レベルが上がったか。


 これでレベル12に上がった。カレルにも聞いてみたが、レベルは14でまだ追い付いていない。


「ゾンビは雑魚だが、ゾンビになってから間もなければ、経験値は良いぞ。何せ、冒険者だった時の経験値が溜まっているからな」

「時間が経つたびに経験値が減るのですか?」

「あぁ、経験値は生命力+魔力と同義だと聞いたことがある。死んだら魔力が無くなるが、少しだけ生命力が残っている。邪なる魔力を死体に注入され、ゾンビになってしまうとその生命力は減っていく。まぁ、ゾンビにならないで死体のままでも減るがな」


 纏めると、経験値は生命力と魔力を持った生物を殺すことで得られる。死体になると魔力が無くなって、生命力は少しだけ残る。ゾンビは邪なる魔力を注入されることで発生する魔物で、ゾンビになったばかりの状態なら、生命力と魔力を持った状態になり、倒せば経験値が得られる。

 ただし、ゾンビになると邪なる魔力が生命力を削っていき、最終的には生命力が無くなっていき、ゾンビは動きを止める。


「うーん、魔力が無くなったら死ぬのか?」

「健全な身体に外傷もなければ、生命力は減らないから死なないな。ただ、死なないだけで魔力欠乏になって生命力が減る。すぐに魔力を補充すればいいが、放っておくと寿命が減ると思え」


 この話に哲也は納得した。カレルは教養もあるので、話を理解して頷いていた。この会話で哲也は、ただの鉄女じゃなかったんだなと見直していた。




「お、見つけたぞ。さっきのゾンビはアイツが魔力を注入していたんだろうな」

「包帯男? アレがポインズマミーか?」

「そうだ。ゾンビとは違うから気を付けろ」


 ポインズマミーと呼ばれる魔物がこっちに気付き、襲い掛かってきた。皆はそれぞれの武器を構え、移動の陣形から戦いの陣形へ変えていくーーーー







どうですか?

楽しんでくれているなら嬉しいです。

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