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31 骨騎士、魔物の戦い方を考える

セレナが消えた後、森に残ったのは焚き火の音だけだった。


レイセルはしばらく黙って炎を見つめていた。

その背中は、いつもより少しだけ重く見える。


リリはそんなレイセルを横目で見ながら、

ぎこちない笑顔を作った。


〈リリ〉

「レ、レイセル様……!

 あの、セレナ様はちょっと厳しいだけで……!

 レイセル様のこと、すっごく評価してますからねっ!」


声が少し裏返っている。

無理に明るくしているのが、痛いほど分かった。


レイセルはゆっくりとリリを見る。


〈レイセル〉

「……リリ。

 “魔物らしい戦い方”って、なんだと思う?」


リリは目をぱちぱちさせ、首をかしげる。


〈リリ〉

「えっ……魔物らしい……?」


しばらく考え込む。

翼を指でつつきながら、うーん、と唸る。


〈リリ〉

「スキルをいっぱい使うとか……?

 進化して強くなるとか……?」


レイセルは静かに頷く。


〈レイセル〉

「確かに、それもあるな」


だが、リリは突然「あっ!」と声を上げた。


〈リリ〉

「分かりました!

 魔物といえば──やっぱり“群れ”ですよ!!」


レイセルは思わず固まる。


〈レイセル〉

「群れ……?」


リリは勢いよく頷いた。


〈リリ〉

「はい!

 魔物って、基本的に“数”で戦うじゃないですか!

 仲間を生み出して、群れで襲って、

 いざという時は囮にして逃げることもできます!」


レイセルは目を細めた。


勇者だった頃──

自分は常に“正面から戦う”ことを選んでいた。


仲間を囮にするなど、考えたこともなかった。


〈レイセル〉

「……確かに。

 それは勇者の時とは、まったく違う戦い方だ」


リリは胸を張って続ける。


〈リリ〉

「ですよね!

 スケルトンナイトなら、群れのリーダー適性ありますよ!

 レイセル様が“仲間を生み出す”のは、すごく魔物っぽいと思います!」


レイセルはしばらく黙り、焚き火の炎を見つめた。


仲間を利用する。

数的有利を作る。

囮を使う。


それは──

勇者レイセルが最も遠ざけてきた戦い方だった。


だが、魔物として生きるなら避けて通れない。


リリがそっと尋ねる。


〈リリ〉

「……仲間、作りますか?

 今なら、スケルトンくらいなら作れますよ?」


レイセルはゆっくりと首を振った。


〈レイセル〉

「……いや。

 今じゃない」


リリが目を丸くする。


〈リリ〉

「えっ、どうしてです?」


レイセルは静かに答えた。


〈レイセル〉

「まずは──

 俺自身が“新しいスキル”を得る。

 個としての魔物の戦い方を、もっと理解してからだ」


リリはしばらく見つめ、やがて笑顔で頷いた。


〈リリ〉

「……はい!

 では新しいスキルを獲得しましょう!」


焚き火の炎が揺れ、

二人の影が寄り添うように伸びていく。

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