29 骨騎士、仲間を知る
ガールナを出発してしばらく歩いた頃、
ガオランは腰に下げた武器を軽く叩いた。
〈ガオラン〉
「そういえば……村を出る前に、これを受け取ってきた」
レイセルが目を向ける。
ガオランの手には、鋭い爪のような武器──
バグナウが装着されていた。
〈リリ〉
「おおっ! なんか強そうな武器ですね!」
〈ガオラン〉
「虎人はこれが一番しっくりくるんだ。
ラナもよく使ってた……」
その声には、妹を思う痛みが滲んでいた。
森の奥から、低い唸り声が響く。
〈リリ〉
「レイセル様! 魔物です!」
茂みから飛び出してきたのは、
黒い毛並みの狼型魔物──ダークウルフ。
〈ガオラン〉
「任せろ!」
ガオランは地面を蹴り、
一瞬で魔物の懐に飛び込んだ。
バグナウが閃き、
魔物は倒れ伏す。
〈リリ〉
「は、速い……!」
レイセルも目を細める。
〈レイセル〉
「……リリ、ステータスを見てみろ」
リリは頷き、ガオランのステータスを開いた。
──────────────
レベル:5
魔力:0
体力:150
敏捷:200
知力:80
力:150
──────────────
リリが目を丸くする。
〈リリ〉
「敏捷200!?
普通に強いじゃないですか!!」
ガオランは二人の会話を不思議そうに聞いていた。
〈ガオラン〉
「虎人は素早さが武器だからな。
ていうかステータスってなんだ!?」
〈リリ〉
「ふふんっ!!
魔物は強さが数字で分かるんですよ!」
〈ガオラン〉
「何だそれ!
めちゃくちゃ便利じゃねぇか!」
レイセルは静かに頷いた。
〈レイセル〉
「ガオランは十分戦えるな。
フォレストリア王国でも力になるだろう」
ガオランの目に決意が宿る。
〈ガオラン〉
「ああ。必ず……ラナを助ける」
日が沈み、三人は焚き火を囲んで休むことにした。
ガオランがダークウルフの肉を串に刺し、火にかざす。
ジュウゥ……と香ばしい匂いが広がる。
〈リリ〉
「わぁぁぁぁ!!
お肉だぁぁぁ!!
レイセル様が食べないから、久しぶりのお肉です!!」
リリは目を輝かせ、尻尾のように翼をぱたぱたさせている。
ガオランが苦笑する。
〈ガオラン〉
「そんなに喜ぶのか……
お前、今まで何食べてたんだ?」
リリは胸を張って答える。
〈リリ〉
「野草です……!」
ガオランが固まる。
〈ガオラン〉
「……野草?」
〈リリ〉
「はい! レイセル様はスケルトンで食べないので、
私はずっと野草生活でした!!」
レイセルは静かに言う。
〈レイセル〉
「……別に我慢する必要はないぞ」
〈リリ〉
「だってレイセル様だけ食べないのに、
私だけ食べるのは申し訳なくて……!」
ガオランは吹き出しそうになりながら肉を差し出す。
〈ガオラン〉
「遠慮するな。
食える時に食っとけ」
〈リリ〉
「は、はいっ!!」
リリは嬉しそうに肉を頬張った。
〈リリ〉
「おいしいぃぃぃ……!
文明の味がしますぅぅ……!」
ガオランは笑い、レイセルは静かに火を見つめていた。




