表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/47

23 骨騎士、湖上都市ミラージュに潜る

湖が近づくにつれ、空気が変わった。

湿った風が草を揺らし、遠くには水面がきらめいている。


レイセル、リリ、ガオランの三人は、湖畔近くの草むらに身を潜めていた。


〈ガオラン〉

「……俺が捕まっていたのは、街の中心部だ」


ガオランが指差した先には、湖の上に広がる幻想的な都市、ミラージュが広がっていた。


〈リリ〉

「うわぁ……とても綺麗な街なのに、なんか怖い雰囲気ですね……」


〈レイセル〉

「ガオラン。捕まった時の状況を詳しく聞かせてくれ」


ガオランは草をかき分け、湖の方を睨む。


〈ガオラン〉

「狩りの帰りに盗賊に襲われ、そのままミラージュの地下へ連れていかれた。

 地下には……大勢の獣人がいた。

 牢屋のような場所で、食事もろくに与えられていなかった」


リリが拳を握る。


〈リリ〉

「ひどすぎます……!」


〈ガオラン〉

「俺は運よく縄を切って逃げ出せたが……

 他の仲間はまだ地下にいる。

 あそこは……地上からは見えない造りになっている」


レイセルは静かに頷いた。


〈レイセル〉

「……夜まで待つ。

 日が沈んだら、俺が索敵に行こう」


〈ガオラン〉

「……目立ちそうだが、お前が行くのか?」


〈レイセル〉

「ああ。遠隔操作で一部だけ飛ばせる。

 頭だけなら、見つからないだろう」


リリがぱっと手を挙げる。


〈リリ〉

「じゃあ私も行きます!

 インプは小さいから、偵察は得意なんですよ!」


〈ガオラン〉

「お前……そんな小さな体で大丈夫なのか?」


リリは胸を張り、どや顔を決めた。


〈リリ〉

「ふふん!小さいからこそですよ!

 それにですね……スキルで透明化できます!!」


〈ガオラン〉

「透明化!? それはすごいな!」


〈レイセル〉

「便利だな」


リリはさらにドヤる。


〈リリ〉

「でしょでしょ!

 これで敵の目の前を通ってもバレません!

 レイセル様の頭と一緒に行けば、最強の偵察コンビですよ!」


だが次の瞬間、リリは少しだけ視線をそらした。


〈リリ〉

「……ただし……

 どこかに着地してる時しか使えませんけどね……」


沈黙。


ガオランとレイセルが同時に突っ込む。


〈レイセル〉

「空中では使えないのか」


〈ガオラン〉

「それ、透明化の意味あるのか……?」


〈リリ〉

「ありますよ!!

 地面に降りたら完璧に消えますから!!

 ほら、ほらっ!」


リリは草の上にちょこんと降りる。


ふっ──と姿が消えた。


〈ガオラン〉

「おお……本当に消えた……!」


〈レイセル〉

「……まあ使える場面はくるだろう」


リリは再び姿を現し、嬉しそうに翼を震わせた。


〈リリ〉

「えへへっ、役に立てそうでよかったです!」


日が沈み、湖面が黒く染まる。


レイセルは静かに座り、意識を首の関節に集中させた。


〈レイセル〉

「……行くぞ」


パキンッ。


レイセルの頭部が外れ、宙に浮かぶ。

魔力の糸が伸び、レイセルの意志でゆっくりと前へ進む。


〈リリ〉

「じゃあ私も行きますね!

 レイセル様、置いていかないでくださいよ!」


〈ガオラン〉

「……気をつけろ。

 思っている以上にミラージュの闇は深いぞ」


レイセルの頭とリリは、夜の湖へ向かって飛び出した。


湖上都市ミラージュ。

その美しい街の下に広がる“地下牢獄”を探すために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ