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LAST GAME  作者: よむよみ
短編 お料理教室

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episode1

 夫婦円満の秘訣?

 そんなもの決まっているわ。もちろんゲームよ。

 ゲームだけが私の心を安らかにしてくれる……。

 無料でストレスを解消できる。


 この世界はストレスにあふれている。

 当然、幸せに満ちているべきであるはずの夫婦の間にだって、ストレスはある。

 もともとは他人だったのだ。

 残念だけどストレスなしなんてありえない……。

 それで、気晴らしに外に行こうとしても、どこもかしこも高くなってしまった……。


 だから、今日も笑顔で旦那を迎えるために、私はゲームにログインするのよ。



 さあ始めよう、と思って椅子に座った途端に、旦那から着信がくる。

「いまさら……、今、何時だと思ってるの?もう5時間も経っているじゃない」

 少し顔がぴくつくのを感じながら、携帯の画面を見る。


「なんでもいい」

 ……。

「晩御飯何がいい?」の問いかけに長時間かけた答えがこれだ……。

 うんざりしそうになる心をなんとか沈め、椅子に座りなおす。


「“なんでもいい”が一番困るのよね。

 毎日毎日作っていると何を作ればいいか、わからなくなる」


 もし、自分一人だけのために作るのであれば、特に困らない。

 適当に買い物して、適当に炒めて、適当な調味料で味付けする。

 この国の食材、調味料はとても優秀だ。

 かなり適当でもそれなりのものができる。

 ただ、それを他の人に提供できますかと言われると、答えはNoだ。

 自分だけなら「うん。食べれる」と思って食べるけれど、もし店で出されたらその店には二度と行かない。

 自分用の食べれる料理と、人様にお見せする料理は全く別物。

 後者の料理を作るには、当然、レシピが必要。

 そして、レシピがある料理となると……、知っているレシピは限られる。

 途端に、何を作ろうか迷うようになる。

 それを毎日……。料理を作るっていうのも大変なのよ……。

 たまにしか作らない旦那にはわからないでしょうけれど……。


 はあ、とため息をつきながらゲームにログインする。


 ただ、最近のゲームは素晴らしい。

 こんな時にぴったりのゲームがある。サーバーがある。


 私は心を無にして、笑顔を作り、ゲームを始める。

 ゲームの名前は「LASTGAME」。

 そして、このサーバーの名前は「お料理教室」。

 名前の通り、料理するRPGだ。


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