episode2
この国の消費税は、先進国と比較して低い。
だからこの国は、追いつこうと消費税を高くしようとしているらしい。
消費税を上げて経済成長が止まったこの国で、さらに消費税を上げる。
俺には、正気とは思えない。
国土は狭く、眠っている資源も乏しい。
だから不足する物資は、税率も低く人件費の安い近隣国から大量に輸入している。
生産しようにも、人件費も税金も高く、安い海外製に対抗するのは難しい。
それにこの国は、島国で観光客は少ない。
結果、この国の多くの労働者は、生産するにも難しく外貨を稼ぐ機会もなく、内需に依存することになる。
そして消費税は、この国の内需、消費を確実に減らしている。
似たような経済規模の国と陸続きでつながっている西側諸国とは大違いだ。
西側諸国と税制を合わせる前に、違いを確認するべきではないだろうか。
そもそも税制を他国に合わせる事にどんな意味があるのか、俺にはわからない。
この国は、経済規模、お金の流通量が国力となる資本主義。
この国の生産力以上に税が高くなっていては当然、国はどんどんやせ細る。
お金の流通量が減るという事は、消費が落ち、そして生産力も合わせて落ちていく。
経済面でもっと議論が必要だ。
でもこの国で議論される事は、くだらないスキャンダルばかりだ。
国民が心地よい税制、国の経済が自然と成長していく税制が検討されているとは思えない。
このままでは、今回減税したとしてもいつかまた失敗を繰り返すだけだ。
わからないことだらけなのに、まともな議論がされているとは思えない……。
くだらないスキャンダルに、今日も気分が悪くなる。
月曜日になってまた、サーバーにプレイヤーが集まってきた。
何度も攻略失敗しているのに懲りない人たちだ。
徐々に人数が増えてきたようだ。
攻略不可能という言葉は、人の闘争本能に火をつけるらしい。
新規プレイヤーが周囲を探索し始めた。
「なんだほとんどデフォルトサーバーと同じじゃないか」
という声がちらほらと聞こえてくる。
その通りだ。基本的にはデフォルトから変えていない。
街並みも周囲の様子も、攻略する四つの秘密もデフォルトを踏襲した。
ゲームを作りたくて作ったが、新しい世界観を作る時間までは取れなかった。
だけど、冒険に出たらすぐに違いに気づくはずだ。
それは、難易度――敵の強さだけではない。
敵の外見が、冒険の度に、変化するのだ。
敵はもちろん、デフォルトサーバーに合わせて、飛行能力を持つ敵、攻撃力が高い敵など数多く用意されている。
そして、難易度を上げるため、それぞれの敵の能力を強化した。
レベルが低いうちは、攻撃力の高い敵に一撃でやられてしまうだろう。
そんな敵の姿が、冒険の度に入れ替わる。
最初はどの姿の敵が防御を必要とする敵かわからない。
弱そうな姿をしたモンスターが、一撃必殺の特技を持つことだってある。
ローグライクゲームでは、拾ったアイテムの効果がわからないゲームが多いけれど、このゲームでは、敵の能力を冒険の度に見極める必要がある。
わからないことだらけのこの国にはぴったりだ。




