二度目の告白とうぬぼれ。
慶太郎が出ていくと、美夏が口を開いた。
「あのさ・・・」
「ちょっと待って」
僕が美夏の言葉を遮る。
「・・・なによ」
「その前に言いたいことがあるんだ」
僕の決心が揺るがないうちに、伝えておきたい・・・。
「・・・」
「早く言ってよ」
いらだちを隠せない美夏。
「・・・・・・・好き」
「はぁ?」
僕の声は蚊のなく声のように小さかった。
あの夜よりもっと緊張する。
・・・ハンパじゃねぇ。
「なんて言ったの」
「・・・好きって言ったんだよ!」
美夏は目を見開いて「なにいってんだ、こいつ」的な目で僕をみる。
「意味分かんない」
「意味分かんないって・・・」
「要するになんなの」
え?
要するにって言いたいこと言ったんだけど。
でも後ひとつ言いたいことがあった。
「付き合ってとか?」
「うっ・・・」
図星。
「まぁ・・・」
僕が煮え切らない返答をする。
「無理」
即答かいっ!!!
へこむわ・・・。
っていうかなんか美夏イライラしてる・・・いつもより。
「私と慶太郎は付き合ってんの」
「知ってるけど・・・」
・・・でも、別れて僕と付きあおうとか思わないのか・・・。
美夏と家族以外で一番近いと思ってたのは僕のうぬぼれだったのか。