終:やっぱり舞ちゃんはかわいい
「しっかし、よくこんな……一日話題にできちゃうほどネタあるなぁ、お前の舞ちゃんマニアっぷりには頭が下がるレベルだよ」
下らぬ会話をだらだらとし続けて、気が付けあもう結構な時間。そろそろ帰ろうかという話をもちかけたのだが、今日一日話題にしていたことといえば、舞ちゃんの間違い幼児言葉のことだけだ。
いっさい身になる話などなく、今後のためになることなどなく、ここまで会話が続いていたことに恐れ入ってしまうレベルだ。
「ふっふっふ、子育てしていれば、これぐらい余裕なのだよ」
「いや、お前が育ててんじゃないから」
こいつと舞ちゃんは、同居はしているが親子じゃない。叔母と姪っ子の関係が、普通そこまで濃厚なものだとは思えないのだけれど、まぁ、こいつにとっては親子も同然なの矢もせ入れない。
来栖の姉は両親に反対されまくってできちゃった結婚しているので、舞ちゃんが生まれて半年ぐらいは別居生活だったのに、よくぞここまで母性本能を芽生えさせたものだ。
今は、一緒に暮らしているだけではなく、オムツ替えもミルクもお風呂も存分に手伝っているというのだから、まぁ、充分世話をしているほうなのだろう。
「舞ちゃんへの愛は、母親にも負けないぜ。なんてったって、ゲボひっかぶっても、おしっこひっかぶっても、舞ちゃんならいっかって思うぐらいだ」
「うわぁ……もういつでもママになれるね」
「いや、ホント、舞ちゃんに会うまで、ここまで愛しいと思えるとは知らなかったよ。我が子は別格ってホントだね」
だからお前の娘じゃないという言葉は、ひとまず飲み込んでおくことにして、さて、これからの帰り道、この話題を続けるのかそれとも別の話題を提供してみるべきか、下らぬ悩みは尽きぬもので……。
「そういやさぁ、こないだ言ってた童話のネタとかいっとく?」
「やだなぁ、また、くだらぬ情報に翻弄されちゃいそうだよ」
「またまたぁ、そう言って、こういうネタ好きなくせにぃ」
本当に、来栖というヤツは、困ったヤツなのだ。




