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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
9/67

3.生徒会メンバーは美人さんと王子様(?)〜飛行部〜

文字数(空白・改行含まない):2225字

「飛行部の部室ってどこですか?」

「3階だ。飛行部は時空の間が部室になっている。ここからは―エヘント。君、飛行部だったよな?―エヘントに紹介してもらおう」

 と言いながら、生徒会室の隣にある階段を登る。

「オッケー、会長。時空の間は数代前の時空の能力を持っていた部長が、部室が狭い、と能力を使って広くした部屋なんだ。永遠に続く広さで帰って来られなくなる、という噂が立つぐらいにね。みんな飛び回ってるよ。あとは、物を飛ばしたりとかね。見てもらう方が早いかな」

「ですかね」

 あれ?階段を上がったら、生徒会室に似た部屋がある。

 あ、皆が先に渡り廊下を渡っている。

「ここが部活棟、部活階だ」

「そして、1番手前のこの部屋が、飛行部室!」

 カルさん、楽しそう。

 トントン。ギィーッ。

 ビュン。

 おっと。いきなり、目の前を横切ってくるとは。

「やあ、グヌネスバ」

 カルさんが声をかけると、さっき、目の前を横切った人が振り向いた。

 あれ、女の人だ。

「カル!生徒会の活動?このかわいい、坊やたちは誰?」

 カルさんのことを知っているらしい。銀髪で灰色が混じった白―灰白色(かいはくしょく)の目をした、この女の人は。

 カルさんとは違う色。属性は風なんだろうけど。

 カルさんは金色と銀色の混じった色―ヴァニーユ色―だから。

「グヌネスバ、相変わらずおしゃべりだな」

「そりゃ、どうも。で、誰なの?」

「男がルイ・サトー。女がクティルヴィア・ジョーノーヴ」

「ティルって呼んでください!」

 そういや、ティルもハキハキ言うタイプの子だったな。

「よろ、ティル。私、グヌネスバ・キュリティー。飛行部部長よ。…………ルイは無口なタイプ?」

「あ、いえいえ。ちょっと圧倒されて」

「あ、ごめーん。周りにそういう常人いないから、いつものノリでいっちゃった」

 …………常人がいないって……。周りにどれだけ変人ばかりいるんだろう。

「変人ばかりって……、って思ったでしょ。残念ながらねー、変人しかいないんだよね。悲しいよね。レネアは、The ・血も涙もない人間でしょ。カルは、腹黒ヤンチャ男。飛行部員も飛行のことしか考えてないし。ていうか、飛行部員、男ばっかだしね。周りの子もテンションがおかしかったり、どんくさかったり、ドSだったり……。ああ、ドMもいたわね。周り、こんなのしかいないのよね」

 周りの子を「こんなの」扱い。なかなかだな。

 というより、レネアさんとも知り合いなんだ。こんなに広い学園で。

「レネアさ……先輩と知り合いなんですか?」

「知り合いだよ。実技クラスで一緒だったの。いやー、あの時の戦いは血も涙もない人間だって実感したわね」

「ああ、あの時か。君が弱いだけだろう?普通に戦ったつもりだが。君も飛行能力の一つの超動体視力で俺の攻撃から逃げただろう?あれ、大分うっとうしかったからな」

「そうなの⁉︎初めて聞いたわ……」

「……そうそう、思い出した。ルイ、俺のことを先輩呼びする必要はないぞ?今まで通り、『レネアさん』で構わない。エヘントのことも『カルさん』と呼んでいるだろう?ああ、ジョーノーヴもな」

「そうですか?なら、そうします」

「あ、はい」

 ティルがちょっと、ボーッとしているね。

「エヘント、ジョーノーヴ、ルイ」

『なんでしょう?』

「次の部室に行くぞ」

『はい』

「じゃあな、グヌネスバ」

「じゃあねー、カル。ティルと、ええっと……ルイ」

 ええっと……、って。

 僕、影薄いな。

 そうだ、挨拶しないと。

「さようなら、キュリティー先輩」

「じゃあね、ティル、ルイ。また、会いましょ」

「「はい」」

「すごいわー、キュリティー先輩。さすが、オーラが違います。さすが、キュリティー家の御令嬢です」

 キュリティー家?

「よく、マイナーな旧家、キュリティー家を知ってるな」

「はい!レネアさん!攻撃に特化している私は防御の人と一緒にいないと()られてしまいますから」

「なるほど……。キュリティー家は、風の血を守る防御特化家系だからな」

 キュリティー先輩のこと、「セキュリティ」みたいな名前だな、と思ってたけど、防御特化家系だったんだな。

 って偶然か。

「そうです。私、将来、キュリティー家の方とペアを組むのが夢なんです」

「なら、グヌネスバと組めばいいじゃん」

「どうだろう、カルル。私なんかと……」

 私なんかって……。

「ティル。僕は、君がティルだから、今、こうやって話しているんだよ?キュリティー先輩もティルのこと嫌だと思ってないよ。私なんか……、って思わず先輩に言いに行ってみなきゃ。前向きにならなきゃ。夢に向かって進むなら、マイナス思考は必要ないよ」

「いいこと言うな、ルイ。ティル、言いに行ってきな」

 カルさんがニヤッと笑う。

「え?今?」

「そ」

「いいんですか?会長」

「オレには聞かないのね」

「うん」

「……はあ」

 かわいそう。カルさん。

「行っておいで。ただし、急いで」

 レネアさん。「行っておいで」って僕の叔父さんみたい。

「はい!」

 ティルが制服をひるがえして、タタタと走って飛行部室に戻って行った。

「どうする?会長」

「どうする?って?」

 レネアさんには、カルさんの言葉の意味が分かっていないらしい。

「いや、次の部室へ行くか、ここで待つか」

「そうだな。次の部室へ行くか。キュリティーが運んでくれるだろう」

「それもそうか。ルイ、行くよ」

「は、はい!」

「グヌネスバは飛行部の中でオレの次に速く飛ぶからね。速いぞ、見えないほどにな」

 ニヤァっと自慢げに話す。

 見えないほど……!

 そして、それより速く飛ぶカルさんがすごい!

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