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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第2話 紫の月
66/67

23.紅、朱、紫。〜白〜

文字数(空白・改行含まない):984字

「クザリアさん、鍵をお返しします」

 癒しの間には皆が集まっていた。

「あー、どうも。しっかし、寂しいなぁ。こんなに賑やかな人たちが一気にいなくなるのか」

「クザリアさん、9日間ありがとうございました」

「いやー、本当、寂しくなるなぁ」

「こっちもです」

「注文しすぎた料理、一緒に食べてくれてありがとね」

「こちらこそ、美味しかったです。ごちそうさまでした」

「君の食べっぷりは、凄かったからね。見てるこっちが、スッキリするぐらいだったよ」

「プレーヌ、ありがとう」

「こっちこそ。ありがと」

「プレーヌには、来た時から世話になったからな」

「そんなことないって。ボクがたまたま、いただけだもん」

「縁だねぇ」

 うわぁぁん。名残惜しいよぉ。

「じゃあ、そろそろ帰るか。この後、学校、行かないといけないしな」

「そうなんだよねー」

「荷物があるんで、一度、上に戻ります。見送りをされると帰りたくなくなってしまうので、見送りは無しで」

「分かった。じゃあ皆、部屋に戻ろうか」

 クザリアさんが、皆を促した。

「「「「ありがとうございました」」」」

 皆、にこっと笑って、部屋に戻っていった。

「さあ、帰ろうか」

 リクが先頭を歩き、僕たちはそれに続く。

 トン、トン。

 9日間で何度も上り下りした階段。

 204号室のドアを開ける。

「さ、荷物を持て。穴を開けるぞ」

 僕はリュックを背負い、リクの後ろに立つ。

「<,#|*#;*#.|\}.<,#;}_€$+%%#^{>€@?&.(.(?」

 黒い穴が開いた。

 そして、リク、僕、レネアさん、ツェルドくんの順番で足を踏み入れ――。

「ツェルド!」

 204号室のドアを開け放って、彼女は部屋に入ってきた。

「プレーヌ!?」


「――ボクは、ツェルドのことが好きだ! 1人の男として、大好きだ!」


 僕は、反射的にツェルドくんの顔を見た。

 大きく目を見開き、口は半開き。

 口を閉じて、もう一度開いた。

「ぼく――」

 ひゅう。

 独特な音を立て、穴は閉まった。

 ツェルドくんは、俯く。

「――ツェルド。もう一度、開けようか?」

「……いや、いい。ぼくは、シュイと結婚する、フィヌレース国の王子なんだ」

「……そうか」

 誰も、何も、言えなくて。

 唇を噛み、顔を手で覆うツェルドくんを見て、2人が幸せになればいいと思った。

 そして、僕たちは、あるドアの前に立った。

 リクが、ドアを開け、いつものように眩しさが襲う。

 フィヌレースに帰ってきたんだ。

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