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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第2話 紫の月
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23.紅、朱、紫。〜ペンダント〜

文字数(空白・改行除く):929文字

 ヒューイ、ヒュイ。

 ――バサァ。

 ザルソンがベッドの上に着陸した。

 いつもと同じように、僕たちはザルソンにまたがり、ザルソンは移動を始めた。

「ねぇ、見てほしいものがあるんだけど」

 飛び始めてから何分か経って、プレーヌちゃんが口を開いた。

「何を?」

 彼女は、首に掛けていたダイヤのチャームが付いたペンダントを手のひらに載せた。

 これって、ヌヴェルさんのペンダントだよね。

「これ、普通のペンダントじゃないみたいでさ」

 プレーヌちゃんがチャームの右側に手を掛けると、パカッと開いた。

 これ、ロケットペンダントなんだ!

 中に入っていたのは、8、9歳くらいの金髪の少年が、赤ちゃんを抱いている写真。

「これ、ヌヴェルさんと――」

「プレーヌ、だよね……」

 あどけなさの残る顔だけど、間違いないと思う。

「うん、多分ね。でさ」

 プレーヌちゃんが、ペンダントから1枚写真を引き抜いた。

「あれ、まだ写真が――」

「――!」

 ツェルドくんが、声を出さずに驚いた。

 当たり前だ。

 だって、その写真には、プレーヌちゃんとツェルドくんが写っているのだから。

「なんで!? 何故、ぼくが!?」

 写真の2人は、何故かびしょ濡れ。

 楽しそうに笑い合う2人の写真を、どうしてヌヴェルさんが持っているのだろう。

「不思議でしょ?」

「うん」

「ボクは見てないから分からないけど、これはお兄ちゃんがくれたものなんでしょ?」

「そうだよ、きっと」

「なら、不思議でも、大切にするだけだね」

「ガウッ、ガウッ」

「ん、着いたみたいだね。ザルソン、下りて」

「ガウッ」

 フワァァ。

「ありがと、ザルソン」

 プレーヌちゃんが、軽く降りた。

 僕たちも降りて、ザルソンを撫でた。

「ザルソン、今までありがとう」

「決定戦でも、世話になったな」

「これからも、プレーヌを守ってね。今まで、ありがと」

「乗せてくれて、ありがとな」

「ガウッ」

 ザルソンは目を細めると、飛んでいった。

「プレーヌ。前王からの引き継ぎ内容を伝えておきたい」

「分かった。じゃあ、ボクの部屋に来てくれない?」

「OK」

「なら、リク」

 立ち去ろうとしたリクに、ツェルドくんが声をかけた。

「あ?」

「鉄、まだ残ってるよね。ちょーだい?」

「ああ。俺の鞄の中にある」

 鉄? なんで?

「じゃあ、行こう」

 僕たちは、アパートに入っていった。

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