2.入試試験とNaminu's brother〜終わりました〜
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ドンドンドンドンッ、ドンッ!
ガチャ。
開いた!
ゆっくりと開くドアの、狭い隙間に体を傾けて滑り込ませる。
「おか……おわ、っと。強引だな」
「ゆっくりドアを開けるからだろっ!」
「ゆっくり?何が?普通に開けたんだけど」
「そーれーよーりー!どうして、僕に魔力があるんだよっ!」
「あー。それも、お前を選んだ理由だよ、旅行のパートナーに」
「はああ?」
「お前の世界とこの世界は双子世界なんだ。同じ時間に生まれた。そのために、お前の世界には魔力を持っているものがいるんだ。まあ、あまりできることはないけどな」
「な⁉︎ってか、『そのために』ってなんのためだよ!」
「知らねーよ」
「はあ?」
「俺だって、知らねーもんは知らねーんだよっ!」
怒りが沈黙を呼んでいる。
「ごめん」
「いいけど」
また、沈黙。
「あ、そうだ。テスト、見せろよ」
「いやだ。断固、拒否する!」
リクの手が少し動く。
「ということは、90点以下だってことだな?」
ブンブンブンブン、頭を振る。
「ふーん。88点ねぇ。なぁ、俺、お前のレベルだと90点以上取らなきゃいけないって言ったよな?」
えっ?隠して、手で押さえてたはずなのに!
押さえるより早く抜き取ったのか!
「いや、言ってない!」
「言った。お前がドア、叩いてる時だ」
「そんなこと、覚えてないよっ!」
「そうか、そこまでお前に記憶力がないって思ってなかった。ごめん」
「……っ!それ、僕のことディスってるだろ⁉︎」
「ふん」
「ふん、じゃ無いよっ!」
「ごめん、ごめん。あー、うっとうしい」
「謝ってないだろ!」
「そうか」
「そうか、ってなんだ!」
「そうか、は、そうか、だ」
あー、らちがあかない!
「とにかく、この後、何らかの手段を使って通知が来るからそれを待て!だってさ!」
「なら、待つか」
意外と、素直。
「意外って思うなよ。お前と喋ってるのは時間の無駄。面倒くさい。それだけだ」
おーい。
自分が1番面倒くさいこと、わかってるかーい?
わかってないと君に世間知らずレッテルを貼るけどいいかーい!
てか、僕と喋るのが面倒くさいなら、異世界に連れてくるなって話だろー。
はーあ。
ちなみに、「レッテル」って、ドイツ語なんだよね。英語でいうと、ラベルのこと。意味は、商品の目印として貼り付ける紙の札という意味と、人物や事物に対して一方的、断定的な評価をすることなんだとか。
あー。
リクが黙ったから、部屋に音が全くないや。
はーあ。
「郵便でーす」
「はーい」
通知かな?
「この封筒ですね。すごいですね。レイネスに応募したんですか」
「そうですけど……。どうして分かったんですか」
「どうしてって言われても……。封筒。細い縁取りがあるじゃないですか。それ、レイネスだけしか使えないデコレーションですし」
「そうなんですか!」
「そうなんですか!って。知らなかったんですね」
「はい。すみません」
「謝られても……」
「あ、すみま……」
「じゃ、次も配達あるので」
最後まで言わせてもらえなかった。
「引き留めてしまって、すみませんでした」
「いえいえ」
合格、してるかなぁ。
怖いなぁ。
「リク~。届いたよ~」
「早く開けろ」
「はいはい」
それにしても、6歳ぐらいの男の子にこき使われるのはいい気分じゃないな。そんなこと、趣味じゃないし。
ガサガサ。
「どうだ?」
「せかすなよ。黙ってろ」
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合格通知
レイネス学園中等部第2学年の部に応募頂き
ありがとうございます。貴殿が合格いたしまし
たことをここで報告させて頂きます。おめでと
うございます。
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合格っ!
やったーっ!
合格しないかもって、心配だったのに。
「なんか落ちたぞ」
ん?
セルリアンブルーの縁取りのメモが落ちたみたいだ。
すっごく、整ったきれいな—美しいというべきかな?—字が書かれている。
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ルイへ
非常に魔力が少ないために君を合格させ
るのはとても大変だった。俺が君を合格させ
たのには理由がある。それは今年の生徒会方
針が、「礼儀を重んじ、平等な態度と平等な
姿勢、誇りを持てる活動をする・させる」
だ。君は、礼を忘れない男だと思った。俺が
意見を並べ、通らせた。若干、職権乱用みた
いになってるけどな。他の奴に言うなよ。ま
あ、そこも、観点の一つだったと分かってお
いてくれ。
それを分かったうえで、君は生徒会に入っ
てくれ。詳しくは入学式の日に生徒会室に来
ればわかる。
レネア・リアート
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レネアさんからの手紙だったのか。
さすが。字がきれいだな。
って、生徒会っ⁉
えーっ!
なんて、勝手な……。
「合格か。レイネス、今、そんなレベルなのか?」
「そんなレベルって僕のレベルが低いみたいじゃないか。これ見ろ。この手紙」
「はーん。なるほど。でも、お前が生徒会役員なら、学園、終わるんじゃないか?」
リクがニヤッと笑う。
なんか、嫌だな。
「終わらないよ!そういや、僕なら合格できるって言ったのはどうして?」
「あー、説明してなかったか。レイネス学園も白流学園も入試が選択問題が多いんだ。直感と勘が特技のお前なら、受かるんじゃないかと思ったんだ。白流で受かってるしな。まあ、もとから残念なお前なら面接も、残念なまま、どうにかなるだろうと思ってな」
「もとから残念で、悪かったなっ!」
「後、1週間は休みなんだ。俺は、メインストリートに行く。一緒に行くか?」
「行く!」
ここが、メインストリート!
ドロップみたいな、粒が敷き詰められてる。
奥には高い塔があって、わきに店が並んでいる。
「ねえ、僕、お金持ってないんだけど」
じとーっ、という目で見てくる。
「なんだよ。はっきり、言えって」
「そっくりそのまま返してやる。買ってくれって言えよ。リク様、買ってくださいませ、お願いいたします、ってなあ」
「は?言うわけないだろう?ここから僕は、君と別行動したいんだけど」
「そ、そうか。…………行動範囲はメインアーチからフィールの塔まで。この時計、渡しておくから17時になったらメインアーチで待ち合わせだ。はい、金」
あの塔、フィールの塔っていうんだ。
「オッケー」
「じゃあな」
あ!チキンナゲット~!
「何円—じゃなかった—何……ヴェイルですか?」
「15ヴェイルよ」
「安いですね。これだけ入って」
「そうねえ。メインストリートマーケットだからね」
「ありがとうございます」
あれ?
あそこにいる、優しい茶色―ボワ色の髪の人、レネアさん?
「レネアさん!」
レネアさんは驚いた顔を一瞬、見せて「ああ、君か」と、つぶやいた。
「何を買っているんですか?」
「パフェだ。ライセンドパフェ」
「ライセンド……」
「ああ。このライセンド、という茶葉は異世界で抹茶、という名前で売っているんだそうだ」
「え。レネアさん、異世界、信じてるんですか!」
「悪いか?」
ふ、不機嫌……。
「い、いいえ!実は、僕も信じてます!」
実際は、信じざるを得ない状況なんだけど……。
「そうか!一緒だな!」
レネアさん、とっても嬉しそう。
「このパフェを売っている店、キノルエは、メインストリート内で1番の店だ。食べたことがないなら食べてみるといい。じゃあ」
レネアさん、甘党なんだな。
抹茶好きって大人~。
1歳違いなのになあ。
やったー!
書き終わったー!
あまり書いてないのはわかってるけどー(´;ω;`)ウッ……。
今回は、覚えてる人もあまりいないと思われる、悠斗くんを呼んでまーす。
どーぞー!
「こんにちは。悠斗です」
「ようこそ」
「流射を元の世界に帰らせてよー。風葉さんー」
「ごめん、無理だわー。あんな人の部屋に忍び込んでいる変態に口ききたくないもん。自分で頼みなよ」
「無理ですよー。あんな脅迫犯の顔、見たくありません」
「じゃ、無理だわー」
「えー」
「しょーがない、しょーがない。流射に頑張ってもらわないと」
「はあ」
今回は、ここで終わりです。
ばいば~い!
「あ、ばいばいっ!」




