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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
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2.入試試験とNaminu's brother〜入試試験〜

文字数(空白・改行含まない):3129字

 うわああ!

 広い!

 すごい!

 天井がドーム型でとっても高い!

「入試試験受験者ノカタデスカ?『ハイ』カ『イイエ』ヲ、押シテクダサイ」

 突然、ロボットがスーッと現れた。

 ロボットについているタッチパネルには、「はい」と「いいえ」が表示されている。

 ええっと。よし!はい、っと。

「オ入リクダサイ」

 ロボットから出てきた紙には僕の座席がかかれている。

 F列の7か。

 えー、前からA、B、C、D 、E、Fで…7は右から2番目だ。

 銀色の眼の人が教壇に立った。

「受験者は席についてください」

 始まるようだ。

 僕は急いで席につく。

 唾がない。口の中がカサカサだ。

 試験用紙が配られてきた。

 うわあ。プレッシャーがすごい。

「それでは、始めてください」

 頑張らないと!


「筆記用具を置いてください」

 テストは全て埋めるのが基本!

 一応、全て埋めておいた。

 わけの分からない答えを書いたところもあるけど。

「それでは、解答用紙を持ってきてください」

 受験者が一斉に立ち上がった。

 重苦しい空気感とフワフワした空気感が混じって、とても過ごしにくい空間になっている。

 どうやら、解答用紙をあのロボットにかざすと点数の書かれた紙が返ってくるらしい。

「次、F列」

 F列の1から丸つけしていっている。

 僕の番だ。

 ビーッ、ガシャ。

 よくわからない、謎の音が鳴っている。

 点数は、100点満点中の88点!

「退いてください」

 す、すみません。

「次、G列」


「それでは、合格点数を発表します。86点以上の方は一次試験、合格です。おめでとうございます。」

 ということは、一次、合格!

 やったー!

「合格者は、次、会議室に来てください」

 会議室?

 どうしてだろう?

「これから、1時間後、来た順番で面接を行います。これが二次試験になります。それまでは休憩時間です。学園マップを配ります」

 学園マップが配られてきた。

 というより飛んできた。

 フワーっと。

 学園、広っ!

「では、休憩してください」

 ふー。

 終わったなー。

 何はともあれ、一次試験は合格したんだ。そこまでリクに怒られることもないだろう。

 面接、怖いなぁ。


 礼儀を忘れない俺より年下のやつがまだいるとは思わなかった。

 今の社会、どの世代も、媚びを売る奴、怠ける奴、考えなしの奴、人に流される奴、いじめる奴、脅す奴、全てのことを当たり前だと思う奴、他力本願な奴、心が弱く、器が小さい奴がほとんどだ。

 姉さんも、脅してくる。

 姉さんは俺のことをパシリだと思っている。

 いくら、スケジュールを調整しても、それは無駄な時間になる。

 この世界は最近、狂ってきている。

「レネア会長。どうしたんですか?ボーっとしてましたけど」

 そうだった。この男、カル・エヘント副会長もいい男だ。

 人のことを心配できるいい男。

「あ、もしかして、お姉さんにパシられること、考えてたんですか?会長、好きですもんね、お姉さんのこと。さすが、シスコン」

 ……意地悪だが。

「シスコンじゃない。準備に励め、エヘント」

「分かってますって、会長」

 分かってるんだか。どうなんだか。

 エヘントは身につけているものを整えている。

 金と銀を混ぜたぐらいの色合いの髪を後ろで1つに束ねる。

 エヘントの髪は長いからな。

 アクセサリーは外し、上品な男に見えるように見た目を変える。

 どうやら、人との付き合いが億劫だと思う俺より、人懐っこい―というよりも人と付き合いたい―エヘントの方が怖がられているらしい。

 きっと、見た目で。

 確かに、エヘントは、威厳が皆無に等しく、アクセサリーをつけているチャラ男のような出で立ちで、突然あだ名呼びしてくることもある、意地悪な男だが―。

 できる男。

 心優しい、できる男だ。

 だから、俺はエヘントを信用している。


 だだっ広い廊下の端に並べられた20脚のいす。

 来た順で座れ、と看板が建てられている。

 僕が来たのは8番目だ。

「1番、入れ」

「はい」

 面接が始まった。

 ああ、冷や汗が止まらない。

 意識が飛んでいきそうだ。

 目の前がぐるぐる回っている。

 足に力を入れて身体を支える。

「5番、入れ」

「は、はい……」

 身体が熱を持っている。

 吐きそう。

 グワーン、グワーン。

 ああ、幻聴までもが聴こえてきた。

 ううう。

「8番、入れ」

「は、い」

 片足に力を入れてグイッと体を押し上げる。

「お座り下さい」

 ひんやりとした男の声が身体を冷やす。

 レネアさん‼︎

 思わず目を見開く。

「何?会長、この子と知り合いなんですか?」

 金と銀を混ぜたぐらいの色合いの髪の男の人―キラキラ髪さんと呼ぼう―が訊いた。

「……ああ。来る途中で出会った」

「先程は本当にありがとうございました」

 レネアさんは目を細める。

 それをキラキラ髪さんが目ざとく、からかう。

「すごいねー、君」

 自然な動作で机に肘をつくのが妙にカッコいい。

「何が、デ、デスカ?」

「いやさ、レネア会長が目を細めて微笑む時ってなかなかないんだよねー。オレでも見たのはー……」

 キラキラ髪さんは、指を折って数える。

 親指と人差し指と中指を立てて口を開いた。

 このサイン、フランスとかの数え方じゃなかったっけ?

 ふむふむ。

 ここは、そういう数え方が主流なのかな?

「3回、かな!だからさぁ、会って1日経たずの子が会長を微笑ませることがすごいのなんの」

 へ、へぇー。

「早く始めるぞ。エヘント」

 どうやら、キラキラ髪さんはエヘントさんというらしい。

「まず、あなたの得意な能力分野。つまり、魔術分野は何ですか?」

 本格的に始まった。


 すごい子が受験しに来た!

 このThe・血も涙もない人間を微笑ませられる子が来るなんて!

 是非、入学してほしい!

 なーんちゃって。

 オレは心の中で舌を出す。

 実力がないと入れることは不・可・能!

 オレらはその見極めのために集められているんだから。

 オレは、腹黒な人間だよっ!キラーン!

 オレは、絶対に心の中で思っていることは出さない。

 媚び、売ってる訳じゃないけど。

 ……ただ。

 会長はオレの心の中を見抜いていた。いや、見抜いている。

 その上で、オレのことを信頼してくれている。

 オレはそんな会長を信用している。

「まず、あなたの得意な能力分野。つまり、魔術分野は何ですか?」

 会長、冷静。

「…………」

 何故、沈黙なんだよー。

 ここは、どいつも自信を持って答えるところだろ?

「恥ずかしがることないぜ?自信持って答えなっ!」

(いや、そういうことじゃないんだけどなぁ)

 不思議そうな顔をしてる。

 何が違うんだろ?

 The・血も涙もない人間のれーせー会長も困惑顔だし。

 おもしろいなあ。会長。

「……透視です」

「透視っ!ホント⁉︎髪の毛の色といい、目の色といい、土だと思ったよ。ね、会長」

「……ああ」

 しばしの沈黙。

「……魔力を測らせていただきます。先生」

「これだな。指にはめてくれるかい?」

 さっきの銀色の目の先生が指輪を持ち上げる。

「はい……」

(魔力なんか僕、ないよ?人間だもん)

「ふむ。10か」

 先生は考えこむ。

 そりゃそうだ。

 赤ちゃんレベルでも、最大100の内、8。

 低すぎる。

「俺の好きな食べ物は、カレーライスとビーフシチュー、どっちだ?」

 会長⁉︎

「……ビーフシチュー?」

「……正解。」

 確かに透視眼はあるらしい。

 この子は曲者だなあ。

 どうしようか。

「今日はお帰り下さい。全員の面接を終えた後、選考会を開き、討議させていただきます。本日中に何らかの手段を使い、結果をお知らせさせていただきます。ありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました」

 こちらこそ⁉︎

 そんなこと言ってきた人見たの、初めてだな。


 合格したかなぁ。

 してなかったら、怒られる。

 あのエヘントさんって人、面白い人だったなぁ。

 魔術分野を訊かれてとっさに、「透視っ!」って言ったけど、バレてないかな?

 そうだ!

 どうして、僕に魔力があるんだよっ!

 あいつに訊かなきゃ!リクに!

 走れ!動け!疲れた体!

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