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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第2話 紫の月
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16.お盆休み〜教会のあった場所〜

ツェルドくんのお盆休みです。


文字数(空白・改行除く):2,143文字

「ねぇ、プレーヌ」

「何?」

「鎧を着てるってことは、教会があった場所(あそこ)に行くの?」

「うん。月曜日だからさ。午前中は、戦場に。午後は学校に行くんだよね」

「なるほどね。じゃあさ、ぼくもついてっていい?」

「えっ?別にいいけどさ、()られないでよ?守ってあげられるほど余裕ないからさ」

「大丈夫。ぼく、そんなに弱くないし。逆に、守ってあげるよ」

「そ。ありがたいけど大丈夫。ボクも弱くないから」

「たしかに」

「で?ツェルドの武器は?」

「ちょっと待ってて」

 ぼくは癒しの間を出て、階段を上る。

 部屋に置いていた刀を持って、また癒しの間へ戻る。

「これ」

「ああ、刀」

 ぼくは、手に朱色の紐のついた刀―「朱翼」をのせる。

「鎧はボクのでいい?ツェルドって、成長期まだでしょ?だから、体格、そんなに変わんないだろうし」

 と言って、プレーヌが部屋から出ていく。

 プレーヌが持ってきたのは、防弾チョッキのような鎧と小手。それは、プレーヌがいつも使っている鎧。

「大事なところだけしか守んないんだからさ、本当に頑張ってよ?」

「分かってるって」

「じゃあ、行こ」

 階段を上って、地上に出る。

 ヒューイ、ヒュイ。

 バサァ。

 本当、大きいよね。ザルソンは。

 そして、ザルソンを呼んだプレーヌは、すごく凛々しいんだけど。

 かっこいいね。ザルソンも、プレーヌも。

「乗って」

 何回か乗ったから、簡単に乗れるんだよね。

「飛べ、ザルソン!」

 バサァ。

 みるみる地上の影が小さくなっていく。

「進め!」

 ビュン。

 一瞬。

 ぼくの前にいるプレーヌは、どれくらいの風圧を受けてるんだろうね?相当、すごいと思うけど。

「降りるよ!」

「うん!」

「せーのっ」

 ジャンプ!

 ヒュウウウウウウウゥゥゥ―。

 ザルソンは飛び去っていく。

 着地。

「来たよ!」

 キーン。

 プレーヌが誰かと戦っている。

「おりゃあああ!」

 男が僕の方に向かってきた。

 鎧で全部覆っている。けど、そこまで硬くなさそうじゃん。

 人を傷つけたりはしたくないし、追い払うくらいで良いよね?

 斬りかかってきた。

 受け流して、腹部を強く叩く。

 力を一点にかけたから、少しは効くと思うけど。

 ふらっ。

 案の定、効いたみたいでふらついてる。

「片付けた?早く行くよ!殺されそうな人を守んなきゃ!」

「オッケー!」

 これはいわゆるパトロール。

 移動する。

「おりゃあああ!」

 男の人が斬りかかってきたんだけど。

 刀でスッと男の剣の向きを変え、峰打ち。

 ドサッ。

 男が倒れる。

「ふーん。強いんだ」

「強いって言ったじゃん」

「―あ、あそこ!」

 プレーヌが指差した先には、尻もちをついた女の人と、斬ろうとしている男の人。

 プレーヌが人と人の間を縫って進んでいく。それをぼくは追いかけていく。けど!プレーヌは足が速くて追いつけない!

 プレーヌは、男の人の鎧を着ている部分をなぎ払う。

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫よ」

「逃げてください」

「わ、分かったわ。ありがとう」

 女の人が逃げて走り出した。

「―やりやがったな」

 男の人が立ち上がる。

 プレーヌはそれに気づいてない。

 ヤバイ!

 ぼくの頭で、警報が鳴り響く。

 考えるより先に足が動き出した。

 けれど、男もプレーヌに近づいていく。

 男の方がぼくよりプレーヌに近い!

 走れ!走れ!

 男がプレーヌの肩に手をかける。

 プレーヌが振り返り、目を見開く。

 剣が振り上げられる。

 ぼくもプレーヌに追いついた!


「プレーヌに触るなぁぁぁぁぁ!」


 ぼくは剣を振り上げている男の右腕を掴む。

 ぐいっと引っ張って、倒す。

 手を離し、倒れた男を足で押さえる。

「ツェ、ツェルド⁉︎」

「大丈夫、プレーヌ?」

「うん。大丈夫」

「良かった。プレーヌが無事で。プレーヌは、かわいいし、かっこいいから。失ったら、ぼく困る」

 かわいいのは、ぼくと似てる顔のことじゃない。

 しぐさや性格だ。

 かっこいいのも。

「あ、ありがと」

 プレーヌは目を逸らした。


 誰かの手が肩にかけられたと思って振り向いたら、さっきの男が剣を振り上げているのが目に飛び込んできた。

 殺される!

 不意打ちすぎて、体が動かないし!

 死にたく、ない!

「プレーヌに触るなぁぁぁぁぁ!」

 えっ?

 男の体が右に傾いて倒れる。

 そして、男が足で押さえられる。

「ツェ、ツェルド⁉︎」

「大丈夫、プレーヌ?」

 尋ねてくれるその顔は、真剣そのもの。

「うん。大丈夫」

「良かった。プレーヌが無事で。プレーヌは、かわいいし、かっこいいから」

 かわいいっ⁉︎

 かっこいいとはよく言われるけど、かわいいって言われたのは初めて。

 ボクのこと、ちゃんと女の子だ、って思ってくれてるんだね。

 今まで、誰からもちゃんと女の子に見られてこなかった。

 どうしてツェルドは、ちゃんと女の子だと見てくれるんだろう。

 トクン、トクン。

 胸が少し速く鳴る。

「失ったら、ぼく困る」

 まっすぐボクの目を見て、ゆっくり言う。

 ボクがいなくなったら、ツェルドは、困るの?

 ツェルドはボクを大事にしてくれる。

 優しい。本当に、優しい。

 顔が熱を持つ。

 心臓の鼓動が、指の先まで届く。

 ドクン、ドクン。

 破裂しそうなほど、大きな鼓動。

 全身が温かくなってくる。

 ツェルドの目が綺麗で。言ってくれたことがうれしくて。目を見られていると心臓の音がツェルドに聞こえそうで。

 いろいろごちゃ混ぜになって恥ずかしくなったボクは、自然と目を逸らした。

「あ、ありがと」

 全ての思いは、この一言に乗せた。

お盆休みシリーズ、書き終わりました!

いやー、長かった。

それにしても、新キャラ出しすぎましたね。

私、ほとんど名前を覚えてません。

特に男女混合小学生。

いやー、ヤバイです。はい。

今回はここで終わりです。

また会いましょう!

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