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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
3/67

1.図書館で出会ったヤバいやつ 後編

文字数(空白・改行含まない):3060字

「人が空を飛んでる……⁉︎」

「当たり前だろ、ここは、魔法使いが住んでいる、魔界なんだから」

「へっ……」

「ふん。ついてこい」

 空は淡い青色。どうやら、僕の世界と違って「春」らしい。空に向かってそびえる建物は、レンガに、白、ピンク、緑、黄色。

 大きな家ではない。

 派手な形でもない。

 そのような面では、日本にも似ている。

 でも、鮮やかだ。

 近所付き合いの少なくなった日本の都市じゃない。

 近所のみんなが協力していて、活気がある。

 でも、みんなは、僕の知ってるみんなじゃない―植物も動物も道具も人も子供も。

 植物に話しかける女の人。

 平等な立場での子供と大人の会話。

 僕の世界よりも微笑ましくて、差別の無さそうな優しい世界。

 この世界にはいろんな人がいるからだろうか。

 服装は全く僕の世界と変わらないけれど。

 でも、金髪の人も、黒髪の人も、青髪の人も、銀髪の人もいる。黒い目の人も、茶の目の人も、青の目の人も、緑の目の人もいる。

「ついてきてる?迷子になってねーよな」

「なってないよ」

 何故、僕は6歳の男の子に心配されているのだろう……。

 コイツが知り合いに会ったようで、足を止める。

 というよりも、用があるのはこの建物?

 コイツがサングラスをはずす。

「chbch guuhv kbf. yfycyv hthof hvhbd agbod. 」

 コイツがわけが分からない言語を喋っている。

「ychc rxt jcu hcjvsrwgjo. ephcqbkn ezo jviblp. 」

 知り合いらしきオレンジの目の色で優しい茶色―ボワ色の髪をポニーテールにした女の人が笑いながらそれに答える。

「igcal gxts anrt?」

 女の人が僕のことを指差して、コイツに何かを聞いている。

「お前、これ、食べろ」

 と、ソフトキャンディを投げてきた。

 え?

 女の人が不思議そうな顔をしている。

 僕が不思議な顔をしたいんだけどな。

 分かったけど。

「食べたけど?」

「それでよし」

 女の人がコイツに喋りかけた。

「それで、この子、誰なの?」

 聞き取れる‼︎

 僕、女の人の言葉が聞き取れる‼︎

「コイツは、ルイ・サトー、です」

 コイツが敬語を使っている。

「ルイ、よろしく。私はナミヌ・リアート。ナミって呼んで」

「よろしくお願いします。ナミ、さん」

「で、あなたと陸の関係は?」

 陸?誰だ、ソイツ。

 『「もしもし。母さん?僕の家、通ってる私立白流中学校から、遠いだろう?しかも、今日から夏休みだからさ。友達の()の家が中学校から近いらしいから、夏休みから泊まりに行くよ』

 陸!

 コイツのことか!

「図書―むぐぐっ!」

 やめろ!

 陸、僕の口をふさぐな!

「俺の母方の従兄弟です」

「そうなの?どこから来たの?」

 おいっ!

 そろそろ、手……をは……ず……せ……ぇ……、死……ぬ…………。

 僕の睨みに気づいて、手をはずす。

 「変なこと言うなよ」。目が、そう言っている。

「アリアンテ地方です」

 ちょっと待て、リク!そんな所、知らないぞ!

「あら、そんな田舎から」

「ナミさん、失礼ですよ。変わってないですね」

 本人の目の前で田舎って言うところ、失礼極まりなくないか?

「ミリハさんはどうですか?帰ってきていませんか?」

「ええ。帰ってきてない。リオルトも帰ってきてないよ」

「そうですか……」

 場の空気が重たい。

 僕が軽くしないと。

「布団がふっとんだ。なんちゃって」

 ああ、ナミさんと陸の視線が痛い。

「お前、学校でモテなかっただろ?」

 うん。それが?

「ふーん。やっぱり」

 なんだよ、それ。

「ナミさん、部屋を買いたいのですが」

「いいよ。前に貸した部屋がいい?」

 前に貸した部屋?

 来た時から思っていたけど、やはりコイツ、僕と来る前にもこの世界に来ているらしい。

「お願いします。買う時は600000ヴェイルでよかったですよね」

 ヴェイル、は魔法使いの世界のお金の単位でいいのかな?

 600000ヴェイル?日本で買ったら、もうちょっと、せめて、あと一桁は多いでしょ。

「そうよ」

「これを」

 陸がお金をナミさんに渡した。

「はい、カギ」

「ありがとうございます。ついてこい」

「あー、分かったよ」

「頑張って、少年」

 あは。

 頑張……り……ま…………す…………。

 先行きが心配です……が。

 陸はスタスタと階段を上る。

 どうやら、部屋は3階らしいぞ。

 コンクリート製の階段と違い、廊下にはベロア生地の赤い絨毯が敷かれている。

 フワフワとした足の感覚が、陸が部屋のドアの前に立つと、ワクワクとした気分に変わった。

 304号室だ!

 ガチャ。ギィー。

 うわあ。

 きれいな部屋だ!

 木目調の白っぽいフローリング。

 机とテレビらしきものが置いてある。

 寝室にはフカフカのベッドが2台、真ん中には仕切り、ドアが2枚、それぞれ部屋の端についている。

 そして、左右対称についているドアの奥には個人部屋がある。

 うわっ!広い!寝室と同じくらいに!

 キッチンもトイレも風呂も綺麗に保たれているこの家は、白とレモン色が基調になっている。

「おいっ!勝手に歩き回ってブツブツ呟くな!不気味だっ!荷物は、右の部屋をお前の部屋にするから、そこに置け。あとでベッドは動かして自分の部屋に置くからな。はあ。俺が買ったって言うのに」

 それはそうだ。

 というより、6歳の子に家を買ってもらって、6歳の子よりはしゃいで、6歳の子に気味悪がられる僕って……。

 はあ。

「ねぇ、訊きたいんだけど、僕、佐藤流射だよ。どうして、ルイ・サトー、ってナミさんに紹介したんだ?」

「うるさいなぁ。お前の特技は直感と勘じゃなかったのかよ?ちょっとは活用しろよ―この世界は日本人の名前じゃ怪しまれる。サトウ・ルイって紹介したら、姓がルイ、名がサトウになるぞ。しかも、この世界に漢字なんて存在しているわけがない。漢字で紹介したら異世界から来たことがバレるだろ」

「で、でも、ナミさん、君のこと陸って言ってたじゃないか」

「陸じゃない、リクだ。リク・アリガって紹介してるんだよ。俺の名前は有賀陸だからな。覚えとけ」

「分かったよ。じゃ、あれは?ソフトキャンディ。なんだったんだ?」

「この世界のものだよ。この世界にいるんだから、当たり前だろ?翻訳機能のあるソフトキャンディだ」

「へえ。あ。600000ヴェイルでこの部屋買っただろう?一桁、足りてないんじゃ」

「はあ。あのさ、お前の頭、何のためにあるんだよ。お前の世界中心で考えんなよ。この世界はこの世界。金の単位と価値も、ち・が・う・ん・だ・よ!」

 は、はあ。

 ご、ごめんなさい。

 はああ。6歳の子に怒られる僕って……。

「1ヴェイルには、10円の価値がある。それだけのことだ。ああ、そうだ。この旅行は、お前の高等部進学試験前に帰ることになっている。旅行しつつ、レポート提出で進学点を取っとけ。で、異世界一自由なこの世界の学園に通ってもらう。レイネス学園というんだが。2週間に一度行けばいい学園だ。一つ言っておくが、決して、ヤクザだらけの学園じゃない。レイネス学園はこの世界一(?)入試が厳しい学園だ。まぁ、お前のレベルなら、入れるだろうよ」

「旅行だろ?学園に入ったら、どこへも行けないじゃないか」

「だーかーらー!あー!うっとうしい!2週間に一度学園内に入れば良いんだよ。通信授業で勉強。分かったか!」

「分かった、分かった」

「……」

 …………。

 え?

「ハーヤーク、いけ!」

 は?

「学園だって!早くいけ!30分後に入試、始まるぞ?」

 はあー⁉︎

 リクに背中を押されて、部屋を追い出されてしまった。

 ……はあ。

 ん?

 どこ通って行けばいいんだよ。

 おい!

 リク〜!

 こんにちは。

 風葉 千尋です。

 楽しんで頂けたでしょうか?

 投稿するのは初めてなので、なかなか慣れていません!

 が、しかし!

 楽しい話が書けたのではないか、という、自己満足は、あります。

 次話投稿も頑張らせていただきます!


 ここからは、ネタバレ含むかもですー。


 異世界転移の話を書こうと思ったのは、友達の影響です。

 まあ、私自体もファンタジーが好きなんですけど。

 友達に、楽しんで読んでもらえたらなー、と、思ってます。

 もちろん、読んで下さる皆様にも!

 自分が書ける、読んでもらえる、この機会、シッッッカリ書きます!

 続きの話も、どうか、どうか、読んで下さい!

「あのさ、すごく、うるさいよ。」

 あ、リク。

「なんで俺のこと呼び捨てにしてんのさ。」

 私が、リクを作ったんだもん。悪い?

 そっちこそ、ナミさんに対して敬語で利口なのに、なんで私に対しては全く敬意がないわけ?

「お前には敬意を持つ必要がないよね。俺、必要性のないことはしない主義だから。」

 ムッカー!

「てかさ、お前の部屋、汚くね?」

 ムッカー!

 っていうか、どうやって、入ってきたのよ!

 変態!

「6歳相手にそうやってムキになるところ、馬鹿っぽいね。ルイより、馬鹿なんじゃないの?」

 ムッカー!

 6歳をボコボコにするところは見せられないのでこれで失礼します!

 次回も、よろしくお願いします!

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