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怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
23/67

8.嘘と真実〜そして来たる鬼〜 日本編

文字数(空白・改行除く):1,493文字

「ただいま」

「ああ、おかえり。人間界の方の課題をやれ。レポートだったか?」

「レポートかワーク」

「そう。で、お前は?」

「ワーク」

「じゃあ、やれ」

「やってるけど。で、どうするんだよ?」

「今から、白流学園に提出しに行く」

「え、マジで⁉︎」

 やったー。久しぶりの人間界ー!

「ただ、基本、誰にも会わせないぞ」

「えー」

「早く荷物をまとめろ」

「はーい」

「そして、半袖に着替えろ」

「はーい」


「<,#|*#;*#.|\}.<,#;}_€$+%%#^{>€@?&.(.(?」

 1週間前に聞いた呪文だよな?あの異世界への穴を開けた時の。

 うわっ!穴が開いている!

 って2回目だよな。そして、大袈裟。

 真っ暗。

「行くぞ」

「はいはい」

 アスファルトの道がドアに向かって続いている。

 確かここを踏み外したら、永遠にさまようことになって、永遠の苦しみを味わうことになるんだったっけ?

 落ちちゃダメだな。

 日本に帰ることができる扉はどれだ?

「手前から2つ目の扉に入る。行くぞ」

「はーい」

 それにしても暗いなー。

 グレーのアスファルトが白く見える。

「開けるぞ」

 あ、まぶし。

 なんでだろう。こういうことに関して、僕って反応が薄いんだよな。


 暑い。

 8月だから?

 暑い。

 非常に、暑い。

 暑い。

 今日は2日。8月上旬ってこんなに暑かったっけ?

 春の世界から来たから暑いのかな?

 えっと、ここはどこ?

 図書館の近くだな。

 一瞬、記憶が飛んだ。

 白流学園はまだ、遠い。

 そういえば、皆、夏休みなんだよな。

 白流の通信教育には基本、夏休みはないけれど。

 はあ。

 夏バテかな?来てすぐだけど。

 それにしても、魔界の服がこの世界の服と似ていて助かったな。

 違ってたら浮いてた。

 一言も発していないから喋るか。

「なあ、リクの家ってあるのか?」

「え?俺の家?あるよ。お前と会った日に『陸の家』のことを言っただろ?なかったらバレるだろ」

「そうか。で、『陸』は誰がやってるんだ?リクじゃないだろう?5歳だし」

「それは、アルバムから俺―じゃなくて―俺の友達の兄弟の分身を作って使わせてもらっている。中3だが、中2の時のアルバムから分身を作ればいい話だし、その友達と兄弟、この辺に住んでいないからな」

 なるほど。

「早くしろ。行くぞ」


 久しぶりの学校。

 久しぶりの職員室ノック。

 職員室に来たのは、提出物を出しに来たことぐらい。

 そして、今回も提出物。

 さあ、ノックしよう。

 コンコン。ガラガラガラ。

「失礼します。中等部第2学年の佐藤流射です。通信教育の課題のワークを提出しに来ました」

「おお、佐藤。久しぶりだなー」

「あ、黒木先生。お久しぶりです。そして、相変わらずですね」

 黒木先生は相変わらず、色白で細い。そして、黒縁眼鏡。イケメンだけど、ニートっぽい。年齢不詳。

「変わらないだろう。佐藤が通信に変えてから2週間もまだ、経っていないんだからな」

「確かに」

「部活で会うクラスの皆が寂しそうだったぞ。担任しているとそれが分かる」

「本当ですか?」

「まーな」

「また、顔を出しに来いよ」

「もちろんです。さようならー」

「バイバイ」

 先生にペコッと頭を下げよう。

「失礼しました!」

 ふう。

 また、ここに来るのは約2週間後。

 黒木先生にしか会えなかったけど、楽しかった。

 黒木先生ってニートっぽいけどいい先生なんだよな。

 でも人間界も落ち着くけど、この部屋も落ち着くよなー。

 優しい木の温かみ。包み込んでくれるみたい。

「もうそろそろ、下に降りるか?」

「うん」

 ……唯一、落ち着けないのはリクがいること。

「あ、トイレに寄るから先に行ってて」

「分かった。てか、お前を待つ気なんか更々ないし」

 あ、そう。

「じゃあ、行ってくる」

 3階のトイレはどこだっけ。

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