表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
22/67

8.嘘と真実〜そして来たる鬼〜 バレ編

文字数(空白・改行含まない):3950字

「カル。強くなったな」

「レネアもな」

 他のメンバーがいないから、ソファに座って話せる。

 ワミも遅れてくるだろうし。あんなにドジだと。

「あの、腹部を蹴って押してくる攻撃、避け方分かんねーんだけど?」

「知らない。自分で考えろ」

「そう言われてもさー」

「第一、結局、カルが勝っただろう」

「それはそうだけどー」

「カルの攻撃も連続攻撃が多くて、対応が難しかった。上手いじゃないか」

「ありがと」

 褒めてくれるのは嬉しい。レネアは強いから。

「失礼しまーす」

「ティル」

「ジョーノーヴか」

「ルイくんは遅くなるそうです」

「そうか。まあ、活動は16:30からいいのだが。……その間はこれをつまむといい」

 コト。

 レネアが、ガラスの瓶を机の上に置く。

 何これ?

 丸い、上から粉がまぶしてある菓子。

 何という菓子だったっけ?見たことあるんだけど。

「ブールドネージュですか!」

 ティルが指を立てて、思い出した、という顔をしている。

 そうそう、ブールドネージュ!

「学園会長からもらったんだ。学園会長が美味しかったと言っていた」

 もらおうかな。

 お、美味い。

 くどくなくて、これは何個でもいける。

「このお店は、メインストリートに―」


「君は、この世界の住人じゃないだろう?異世界から来たんじゃないか?」

「ち、違いますよ。ていうか、い、異世界なんて本当にあるんですか?」

 ああ、答えがしどろもどろだ。

 これじゃあ、嘘だってバレバレじゃないか。

 バレちゃ、いけないのに。

「ああ、異世界はある。君がいるんだから。―そうだ、君は俺のことをこの世界の人間だと思っているかもしれないが、俺は君と同じ世界の住人だ」

 え……⁉︎

 アユミ先輩はノートを開き、サラサラと文字を書く。

 そして、ノートを目の前に。

 ん?

 もしかして、名前?

「俺の名前は、阿弓(あゆみ)(けい)だ。弓道家の阿弓一族の次期当主だ」

「すみません。阿弓一族ってなんですか?」

「阿弓の名字の中でも、弓道家の一族のことだ。そして、阿弓一族は霊能者一族でもある」

 なんか、阿弓一族すごい?

「君がもし、無理やりに異世界に連れてこられたのなら、元の世界に返してあげよう。君は異世界転移者のようだし」

 たしかに無理やりだったけど……。

「いえ、別にいいです」

「⁉︎……どうして」

「好きで来たので」

「そうなのか⁉︎」

「はい」

 そこまで驚かれるとは思ってなかった。

「なら、ここにいてもいいが。人間界では何か対策を取ったか?」

「一応」

 リクの家に泊まる、って言ったけど、あれは対策なのかな?

「出来るだけ、対策はしっかり取るべきだ」

「分かりました」

「あと、正体は絶対にバレてはいけない。以前に、人間界の人間がこの国で事件を起こしてな。まあ、その人間を追って俺はこの国にいるのだが。火の能力を持つ魔法使いの話を聞いたか?」

「はい。ひどい話だと思いました」

「この国の人間は事件を起こした者―いや、事件を起こした種類の者を忌み嫌う傾向にある。人間界の人間が事件を起こしたことによって、今、人間だとバレると何をされるかわからない」

 それって、火の者みたいに殺されるかも、ってこと……⁉︎

「確かに、バレてはいけないですね」

「分かればいい。―そうだ。もし、神崎(かんざき)美莉葉(みりは)という人間の情報を得たら俺に知らせてくれ」

「もしかして、その神崎美莉葉さんが事件を起こした人ですか?」

「ああ。事件って言っても美莉葉さんが誘拐された誘拐事件なんだがな」

「それって、美莉葉さんは何もしてないじゃないですか‼︎」

「そうだ。でも、美莉葉さんがいたことで事件は起きた。ということになるらしい」

 そんな……‼︎

「情報を得たら連絡だ。これは連絡先」

 いつの間に紙に連絡先を書いたんだろう。

「話はこれだけだ。じゃあ」

「さようなら」

 美莉葉さん……。

 どこかで名前を聞いた気がする……。


「遅れてすみません」

「ルイか」

 あれ?生徒会室にはレネアさん以外、誰もいない。

 皆、僕より先に来てると思ったんだけど。

「皆はどうしたんですか?」

「生徒会の仕事をしてもらっている。今から誰がどの部活に入ったかをまとめないといけない。それをもとに学園からの部費などの補償の度合いを決めるからな。ジョーノーヴ、ツェルドにはそれぞれ部活に2・3年の部員数を聞きに行ってもらっている。カル、エーナには職員室に1年と編入生の入部届をもらいに行ってもらっている。俺は今から表を取ってくるから、ルイは人数分のボールペンとシャーペンを用意してくれ」

「分かりました」

 ガチャ。

 さすが、レネアさん。行動が早い。

 さ、ボールペンとシャーペンを探そう。

 文房具だから書記の机の引き出しかな?

 右の引き出しと左の引き出し。

 右から開けよう。

 あった。

 人数分ってことは6本ずつだね。

 いち、にい、さん、し―。

 よし、終わり。

 何しよう。

 プルルルルルルル、プルルルルルルル―。

 何の音だろう。

 もしかして、携帯?

 制服のポケットに入れてたから―。

 リクからだ。

 通話ボタンを押して、っと。

「もしもし。何だよ」

『日曜から旅行に行くぞ』

「は?」

『俺、図書室で言っただろ。異世界に旅行に行かないか、って』

「異世界ー⁉︎」

 しかも、日曜⁉︎

 この国は、人間界と同じ太陽暦。

 今日は火曜だから、日曜は5日後⁉︎

『そう。言っただろ』

「言ったけど、ここ、異世界じゃないか。旅行に来たようなもんだろう?」

『ここは、中継地点。ここは異世界への扉を開けやすいんだ』

「本当に行くのか、異世界⁉︎」

「―異世界に行けるのか?」

 レ、レネアさん⁉︎

「ルイ、異世界に行けるのか⁉︎」

「え、えーとですね……」

『ルイ!そこに誰かいるのか?』

「う、うん。レネアさんが」

『あー。あの、異世界が好きなナミさんの弟か。なら、こう言え。「はい。異世界へ行くことが出来ます。一緒に行きますか?」ってな』

「なんで一緒に⁉︎」

『なんでもだ。仲間は多い方がいい。早く訊け!』

「分かったよ……。レネアさん、僕たち、異世界へ行きます。一緒に行きますか?」

 レネアさん、どう答えるんだろう。

「行けるのなら行きたい。行ってもいいのか?」

「はい。お願いします」

「ただ、行くのにも目的があるので、数日、いや数週間は帰れないかもしれませんがいいですか?」

「それくらいは大丈夫だ。姉さんにも適当に言っておく。ルイのこともな」

「お願いします。あと、皆には異世界に行くってこと、言わないでください」

「もちろんだ。そろそろ他のメンバーが帰ってくる。この話は終わりにしよう」

「分かりました。日曜、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく。さあ、仕事の準備をするぞ」

「はい!そういえば、生徒会って制服、ないんですか?学園会はローブを着ているじゃないですか」

「あるにはあるんだがすごくダサいんだ。生徒会の制服は、腕章だ。白い縁取りの群青色の腕章に生徒会って書かれているだけの」

「それは確かにダサいですね」

「だろう?」

「だから、生徒会は制服を使わないんだ」

「へえー」

「終わったー‼︎」

 最初に歓喜の声をあげたのはカルさん。

 カルさんらしいな。

「おつかれ。あとは部活に行ってもらったらいい。その前に、連絡先を交換するから携帯を出してくれ」

 携帯を出して、と。

「じゃあ、連絡先を紙に書いてくれ。5枚」

 5枚?

「書き終わったら、自分以外の人に1枚ずつ渡してくれ」

「5枚もらったら部活へ行ってくれ」

『はい』


 1、2、3、4、5!

 よし、5枚揃った。

「「5枚もらいました!」」

 あれ?ティルとハモっちゃった。

「こういう時も仲良いんだね、ティルとルイ」

「それ、どういう意味で言ってるんだよ‼︎」

「べーつにぃ」

 ツェルドくんってば。

「なら、ジョーノーヴ。5時半、橋で集合だ」

 橋?

「あぁ、この話をした時、ルイはいなかったよな。帰りに学園会中等部代表のゼナイトの家の犬に会いに行こうと思って」

「なるほど」

「ルイも行くか?」

「行きます!」

「なら、橋で集合だ。また、後で」

「またー」


 5時半になったからプログラミング同好会を抜けてきたけど、遅かったかな。

 皆、来ている。

「遅れてすみません」

「大丈夫だ。行くぞ」

 ゼナイト代表の犬だよね。

 勝手に会いに行っていいのかな?

「部活、どうだった?」

「うーん。楽しかった。自己紹介があったから、プログラミングを長くはできなかったけど」

「楽しかったのならよかった。心理部は新しい魅力魔術の体験をしてたの。人の心に入って、その人とつながる人の心に入って、その人のいる場所に出る、って魔術を試していたの」

「すごい魔術だね」

「そう!楽しかったよ!」

 そういえば。

「ゼナイト代表の家はどの辺なの?」

「学園に1番近い住宅街の中よ。一軒家をお兄さんと借りてるらしいの。だから、このあたりのはず」

「着いたぞ」

 外壁は薄い水色のようなブルー・パール色。

 綺麗な色。

 ワンワンワンワン!

 もう、犬の鳴き声が聞こえる。

 犬小屋から犬が出てきた。

 犬小屋にはネームプレートが下がっている。

 「僕」?

 何て読むんだ?ぼく?

「『シモベ』だよ。ゼナイトの飼い犬の名前は」

 シモベ⁉︎

「そう。(シモベ)。ゼナイトらしいよなー」

 カルさん、ノリが軽い‼︎

 あ、ダジャレみたいになっちゃった。

「まあ、シモベって言っても、単なるよくしつけられた賢い犬だけどな。人懐っこい」

「それぐらい見たらわかる」

 ツェルドくん、今まで見たことないくらい(いや、昨日会ったばかりなんだけど)顔を緩ませて犬をなでている。

 柴犬みたいな犬だな、シモベは。

「シモベ、かわいいじゃん、あんた。クソ親父の手下を癒してあげているのか。頑張りなよ、シモベ」

「うわ、かわいー」

 エーナ先輩は珍しくこけずに来たみたい。

 テンションが上がってる。

「ティル」

「なに?カルル」

「これ、エサ。エサやれば?」

「分かったー」

 犬のおやつって書いてある。

 カルさん、買ってたんだ。

 犬か。悠斗の家が飼ってたな。

 ああ。マリッジブルー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ