6.王と私と僕とドジっ子 後編
文字数(空白・改行除く):3,674文字
よいしょっと。
上手く、ワープホールから出られたでしょうか?
木の隙間から城が見えれば、成功です。
さあ、どうでしょうか。
さわさわさわ。
葉が風に吹かれて揺れる。
あ!城!
どうやら、成功のようですね。
それにしても、ワープホールの出口であるエレエイユの森は美しいです。
木漏れ日が形を変えながら落ちる。
ザクッ、ザクッ。
木漏れ日を踏みしめる音が響く。
美しい。
少し歩けばもう、森の出口。
また、来ましょう。
さあ、王に会わなくては。
門の前にいる見張りの方から、王まで連絡していただきましょう。
「すみません」
「はい、なんでしょう」
「王様にお会いしに来ました、レイネス学園、学園会長のフウジュ・クォールです。通していただけますか?」
「どうぞ、お入り下さい」
さすが、王。庭園が広いですね。
城の戸の前にも見張り。
「王様にお会いしに来ました、レイネス学園、学園会長のフウジュ・クォールです」
「名前を書いてください」
フウジュ・クォール、っと。
「それでは、お入り下さい」
ギイィィィィィィ……。
幾度か来て、見たことのある大広間。美しく、隅々までが輝いています。
「フウジュお嬢様。王への部屋まで、お連れいたします」
スカイブルーの髪でミントグリーンの目の男が現れましたが、どこかで見たことがある気がします。
「あなたは……」
「執事のクルエセ・ロントです。さあ、私に着いてきて下さい」
ああ、執事。どうりで、見たことがある気がするはずです。
「階段です」
階段を上って、廊下の奥の部屋に、王はいらっしゃると聞きます。
執事さんは、どんどん奥に進んでいきます。
やはり、廊下の奥の部屋にいらっしゃるようです。
「王様。お客様をお連れしました」
「客は、謁見の間に連れて行く、と言っているだろう?まあ、いい。入れ」
ガチャ。ギイィィィィィィ……。
王は威圧的なオーラを放っています。
圧迫感で息が上手く出来ません。
「王様、わざわざ威圧的なオーラを放つ必要がありますか?」
執事さんが呆れつつ訊いています。
「俺は王だからな。威圧的なオーラを放っている」
それに対して王は、蝶を指にとめ、放ち、また指にとめ、を繰り返しながら答えています。
年齢よりも若く見えるだけに、普通ならその行動は可愛くも見えないこともないんですけど。
「王様、ふざけるのはやめにして、私の話を聞いていただけますか?」
「ん?君は、ゼレアの1人娘か?たしか、フウジュという名前のはずだが」
「はい。私の名前はフウジュ・クォールです」
「そうか、君がフウジュ嬢か。学園会会長になったと聞いていたが、大きくなったな」
「ありがとうございます」
「ということは、君が、光の家系クォールを継ぐのかな?」
「そういうことになりますかね」
「頑張りたまえ、フウジュ嬢」
「頑張ります、ありがとうございます。ところで、本題に移ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろん」
王のハニーサックルの目が私を捉えました。
少し、怖い。
「王様、学園会に、王子が生徒会と関わらないようにする命を下したとゼナイトから聞きましたが、これは事実ですか?」
「もちろん。子に反抗される親の気持ちが君に分かるかい?」
「はい、ある程度は」
「でもねぇ、君が思うよりももっと辛いんだよ。だから、反抗されないように、反王運動をしている今年の生徒会には近づいて欲しくない、というわけさ」
王は子思いなのでしょうか。
「でも、生徒会の意見と王子の意見は違うでしょう。また、自立し、この国を引っ張っていくのであれば自分で決めたことをするのが1番成長すると思いますが」
「…………自立されては困るんだよ」
「え……」
「この国は俺のものだ。俺が自由にこの国を変える。ツェルドが俺の考えを受け継いで、俺の意のままに動かされるようにしたいんだよ。学園会も、俺の考え通りに学園を動かすために設けた会。分かるかい?だからだよ」
「……わかりました」
王に何を言っても一緒でしょう。
「ただ、中等部代表のゼナイトは行動力がありますが手段を選びません。王様の命令が、手段を選ばない彼によって、間接的にではありますが私の仲間を傷つけました。私は、仲間が傷付かないのであれば誰にだって反抗します。王様、王子を自由にさせてあげて下さい」
「何故だ。俺は王だ。俺に従え。学園会はそのための会だ」
ドスが効いています。
「もちろん、私の仲間が傷付かないのであれば王様に従いましょう。……私の仲間が傷付かないのであれば」
「チッ。……分かった、ツェルドを自由にしよう」
「ありがとうございます。以上です」
「……これだけのために来たのか」
「もちろんです。私に能力を使わないでくださってありがとうございます」
「……帰れ」
「はい」
王はもう私に背を向けています。
「失礼しました」
ガチャ。
果たして私は、私の思う通りに話せたでしょうか。
王は、宇宙属性魅力分野意思操作能力。魔力は98。
知らず知らずのうちに、能力が発揮されているかもしれません。
まあ、そのことは置いておきましょう。
疲れました。……目の保養にはなりましたが。
きっと、王子の美形は王様似でしょう。切れ長で大きい目は王妃様似で。
王様は20代に見えます。が、本当は何歳なんでしょう。
今日の朝、ティルと出会ったあの教室は中2数学の部屋らしい。
バッグはそこに置いているから取りに行かないと。
「ルイくん」
「あ、ティル」
「一緒に帰ろ?」
「うん。もちろん。ちょっと待っててね」
ガチャ。
ええと。バッグ、バッグ……。
「ルイ。お前、気配を感じることができないタチのやつか?」
うわっっ!
ワザフくんが空中で本を片手に寝転んでいる。
「多分。ワザフくん、もしかして、ずっといた?」
スタッ。
「ああ。お前を待ってな」
「僕を?どうして?」
「あ、俺のことは『ゼイ』でいい。君付けもしなくていい。わざわざ1時間もお前を待っていたのは、言伝を頼まれたからだ」
「言伝?」
「ああ、アユミ先輩から」
アユミ先輩は、オカルト・伝説同好会の会長だったよね?
「『明日の放課後、オカルト・伝説同好会室に来てくれ』だそうだ」
「分かった。待っててくれてありがとう」
ゼイはそっぽを向いて、スタスタと教室を出て行った。
「ねぇ、ルイくん。1時間の間にたくさんの人がここにいたと思うけど、その人に言伝を任せるんじゃなくて待っててくれたってありがたいよね」
「うん。ゼイく―じゃなくて―ゼイって優しいんじゃないかな」
「だね」
「じゃあ、一緒に帰ろうか」
「うん!」
「ティルはどこに住んでるの?」
「私?私の家の場所はメインストリートの路地を入ったところ。帰り道は……説明が難しいかな」
「へー」
「ルイくんはどこに住んでるの?」
「僕はレネアさんのお姉さんが管理しているアパートに住んでるんだ」
「え!そうなの!あのリアヌ荘に⁉︎」
ティルがすごく興奮している。
「知ってるの?」
「もちろん!コミニュケーションを大事にしているアパートよ。皆が皆、フレンドリーでとても楽しい、と。まあ、最近はプライバシー、とか、プライベートを守りたい、というふうにコミニュケーションを取らない人も多いけど。でも、私は羨ましい!」
へええ。ティルがアパートのことをそんなふうに思っているとは!
「そんなに羨ましいなら、来る?僕の部屋に」
「いいの⁉︎絶対、行く!何があっても絶対に!」
「じゃあ、明日ね」
あ、森林を抜けた。
「そういや、リアヌ荘は私の家の近くだよ」
「そうなの?」
「うん。リアヌ荘から学園まで、最初に道を右に行くでしょ?私の家は左に行って、2本目の道を曲がったところにある青い屋根の家なの」
「へー。じゃあさ、明日から一緒に学園に行かない?僕が迎えに行くよ」
「いいの⁉︎ありがとう!」
住宅街を抜けた。
僕たち、歩くのが速くなったんだな。
「ルイくんは一人暮らし?」
「ううん。僕の、えーっと、そう、母方の従兄弟と住んでるよ」
「何歳?」
「確か、6歳」
「確か、って覚えてないの?」
「うろ覚えで」
「覚えていてあげないとかわいそうだよ?」
「そうかなー」
だって、あんな怪しげな男の子だよ?
妙に大人びてるし。
「覚えておくに越したことはないと思うよ?その子の両親がやってきて、誕生日を祝いだすでしょ?そうしたら、『あなたは何もしないの?』って言われるよ?」
「確かに」
あんなやつでも両親はいるもんなぁ。
「でしょ?せめて、覚えておいたら?」
「そうする」
「おかえり、ルイ!」
「あ、ナミさん」
「『あ』じゃないでしょ!」
す、すみません……。
「あらぁ?女の子と一緒じゃない!もしかして、デート?青春ねぇ!私、キュンキュンしちゃう!」
「違います。一緒に帰っているだけじゃないですか!」
もう、ナミさんってば。
ティルが硬直しちゃってるじゃないですか!
「じゃあ、私、向こうなんで。さようならー」
「う、うん。さよならー」
あー。ティルが気まずさに耐えられなくて帰っちゃった。
「あらぁ?女の子と一緒じゃない!もしかして、デート?青春ねぇ!私、キュンキュンしちゃう!」
「違います。一緒に帰っているだけじゃないですか!」
え……。
…………あれ?なんで私、え、ってなったんだろう。
おかしいなぁ。
こんにちは。
風葉 千尋です。
今回のタイトルは話のほとんどを表しています。
というところで前置きは終わり!姓名判断をしていきましょう!
『みんなの名前辞典』というサイトで見たよ。サイトは、https://mnamae.jp/でーす。
今回はリアート姉弟です。
姓がラストネーム、名がファーストネームです。
今回も、何故か流射しか呼べていませんがよろしくお願いします!
「何故か、ってひどいな」
では、ナミさんから!本名はナミヌ・リアートですからね。
『40点。
前世から受け継いだ運 7画(吉)
名門の家系。家訓をまもり、男性を中心に栄え、女性は女傑が多いようです。
他人はどう見る? 4画(大凶)
信じた人とはとことん付き合う。裏切られると相手を強く憎む人、というように見られています。
性格 4画(大凶)
報われない人。頼まれると嫌と言えず、自分を捨てて他人に尽くすが見返りがない。
あなたも知らない裏の顔 7画(吉)
義理がたい。口は悪いが温かい心の持ち主。楽器や歌,踊りなどが得意。親との絆が強い。
まとめると 14画(凶)
貧乏くじをよく引く。まじめな人』
「あらら。凶が多い気がしますが。ナミさんって本当はこんな感じなのかな?」
「あまり、占いで出たこういうイメージはないけどなぁ」
「だよね。じゃあ次はレネアさん」
『52点。
前世から受け継いだ運 7画(吉)
名門の家系。家訓をまもり、男性を中心に栄え、女性は女傑が多いようです。
他人はどう見る? 4画(大凶)
信じた人とはとことん付き合う。裏切られると相手を強く憎む人、というように見られています。
性格 3画(大吉)
世話好き。本心は寂しがり。丸顔で笑顔がさわやか。
あなたも知らない裏の顔 7画(吉)
義理がたい。口は悪いが温かい心の持ち主。楽器や歌,踊りなどが得意。親との絆が強い。
まとめると 14画(凶)
貧乏くじをよく引く。まじめな人』
「さすが、姉弟。同じところが多い」
ルイもそう思う?やっぱり。
「まあ、家族だからね」
「性格が全然違うね」
「確かにあの姉弟はね」
というところで今回の後書きは終了です。
次、お楽しみに〜!




