表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪しいイケメンくんと異世界旅行〜目指せ、世界征服〜  作者: 風葉 千尋
第1話 親子の紅(あか)
15/67

5.顔面蒼白レネアさん〜部活編〜

部活編はちょっと長めです。


文字数(空白・改行含まない):5533字

 僕が入るべき部活は何だろう。

 どの部活もあたたかくて優しい。

 僕が人間、それも超絶普通な人間でも入れる部活はどれだろう。


「もう、3時だな」

「ああ。部活、まわり終わったのっていくつだっけ?」

「2つじゃないか?」

「少ねーな」

「ああ。エヘント、敬語を使うんじゃなかったのか?」

「もう、いいや。疲れた」

「疲れるの速いな」

「何でもいいだろ?」

「まあな」

「で、次は?」

「次?球技部に行くぞ」

「オッケー」

 球技部か。

 球技全般かな?

「今日は体育館練習って言ってたし、ここだな」

「ああ」

 ってことは、ここは体育館?

「眠」

「エヘント、眠気、飛ばせよ?」

「勝手に飛ぶだろ」

「そうだな。いれば飛ぶか」

 どゆこと⁉︎

「さ、開けるぞ」

「よろしく〜」

 ビュン!

 ひゃあ!ボ、ボール!

「ルイ、あんた、女なの?」

「んなわけないだろう⁉︎」

「かわいいねぇ。ルイ子さん」

「子をつけるの古くない?」

 するとツェルドくんが、ソファの背もたれにまたがって、「走れ、馬!」と言っているやつを見る目で僕を見てきた。

 って、この世界も、「子」をつけるの?子を意味する言葉なのかな?

「よっ!レーネア!」

 ものすごく体格の良い人が出てきた。

 170cmぐらいで身長の高いレネアさんよりも一回りぐらい大きい。

「そうだった。ここの副部長、セリエンだった……」

 なるほど、この体格の良い人―先輩っぽい?―セリエンさんっていうのか……。

 って!レネアさん、顔が死んでるっ!

「あ、君たち、生徒会?レネアがお世話になってるね」

 使い方を間違ってるような気もするけど……。

「いえいえ、こちらこそ」

 ティルが丁寧に答える。

「俺は、ムファス・セリエン。この部の副部長だ!そしてレネアの親友だー!」

「……嘘を言うな。君の親友になった覚えはない」

「何を言う。参加授業がそろった時から俺らは友達じゃないかっ!ハーハッハッハー!」

 ああっ!レネアさんの顔色がぁ!白くなっていってる!

 何だ、この先輩。レネアさんの顔色を白くさせるとは⁉︎

「ムファス、部長は?」

「ランニング中」

 へぇー。

 バスケとバレーボール、あとは、ドッチボールなんかしてる。

 なるほど。球技全般をする部活なのか。

「何事もないなら俺らは帰るが……」

「ああ、特にないぞ!」

「じゃあ、次は、水中・水上部だ!」

 レネアさん……。相当、早く帰りたかったんだね……。

『はい!』

「プールですよね?」

「ん?ああ、この時期は」

 この時期は?

「プールにいるのは春と秋。夏は海。冬はランニングしてるからな」

 なんか、すごい。

「ここの渡り廊下から話しかけるか。……ダメか」

「別に良いんじゃないか?プールまであまり距離ないし。というより、30cmぐらいしか離れてないし」

 渡り廊下の上で止まった。

「おい!クレイワ!」

 Tシャツを着て、青い髪でコバルトグリーンの瞳の女の人が反応した。

「あ、レネア」

「問題、起きてないか?」

「だいじょーぶ!私が、女王リクリア先輩から統治の極意を教えてもらったこと、忘れたの?」

 え?女王リクリア先輩?

 え?女王?

 で、統治の極意?????

「いいや。頑張れよ」

「うん」

「リクリア先輩は女王というよりは兄貴だと思うが……。次は雪上部だな」

 この時期、雪、降ってないよね?

 何してるんだろう。

 でも、魔法を使って何かしらをしてるかも。

「そういや、ルイは携帯を持っているか?」

「いえ。持っていません。どうしたんですか?」

 本当は、僕の世界で母さんに買ってもらったスマホはあるんだけど……。

「地方から出てきている生徒に防犯用に携帯を渡しているんだが、確か姉さんが、ルイはアリアンテ地方から出てきていると言っていたような気がしてな。後で携帯を渡すからな」

「ありがとうございます。ただ、携帯をもらうなんて申し訳ないんですけど……」

「大丈夫だ。だって、携帯を買うお金ぐらい国が保証しているだろう?」

「え?」

「だから、携帯は国から貰えるだろう?国に言えば。まあ、最新式はもらえないが……」

「あ、そうでした」

 いきなり、社会に出されるって大変だぁ。

 言ってることが、ほっとんど、わかんない。

「ここだぞ。が、俺らは何もせずにここに入ると凍死するからな。ジュンヴェイテ、バリアを張ってくれるか?」

「いいけど……」

 若干、不服そうな表情だけど。

 もしかして、ジュンヴェイテ、と呼ばれたくないのかな?

 筋金入りの父親嫌いだね。

 そう考えたら生徒会には、筋金入りの異世界好きと筋金入りの父親嫌いがいるのか。

 なんか、すごいな。

「本当ならこの中を暖かくしたいところが、まあ、いいだろう。入るぞ」

 ビュオオオオッ!

 えええええ⁉︎

 ここ、どこぉ⁉︎

 ちょっと待って。まず、何故部屋の中が吹雪いてるの?というより、広くない?中に小屋もある。って、家もある⁉︎

「左」

 ええええええ⁉︎

 山ぁ⁉︎

 何故、山。ん?何故?

 もしかして、この部活も……。

「ここは飛行部と同じ、時空の能力を持った数代前の部長が広くした部屋だ。いや、広くしたというより、別の時空を持ってきた、という方が正確か?」

 雪合戦ぽいのをしているけど、確かに普通の広さの部室だと壁にぶつかりそう。

「レネア!パトロール、ご苦労様!」

 薄着の緑色の髪で金色の目をした男の先輩が声を張り上げた。

『ご苦労様です!』

 おお?すごいぞ?

 ご苦労様、って、部員が全員、繰り返してくれている。

「雪上部、ありがとう。ルエッタ!問題はないか?」

「ないよ。あるわけないじゃん。頑張ってね、パトロール」

「ああ。次は……。科学・化学部だ……」

 なんか、嫌そう。

「そうか、科学・化学部員にはダリアがいたっけ?」

「…………ああ」

 うわわわわ、レネアさんの顔がセリエン先輩に会った時より白くなってる!

 確か、セリエン先輩は熱血系だった。というよりも暑苦しかった?

 なら、レネアさんをセリエン先輩以上に真っ白な顔にさせるって、どんな性格なんだろう?

「開けるぞ?レネア」

「……」

「どうする?やめておくか?」

 バーンッ!

 内側から開いた⁉︎

「レーネア。来てくれたのねん」

「入るつもりはなかったが……」

「何、嘘を言ってるのん?愛してるわ、レネア」

 か、彼女?

「は?こんなやつが彼女だなんてまっぴらごめんだ!」

「もう、照れちゃってぇ」

「誰が照れるか!君と付き合うなんてこと考えただけでも死にそうだっ!」

「だって、彼女いないんでしょう?」

 え?こんなにイケメンなのに彼女いないの⁉︎

「彼女ができないのは君のせいだろ!今すぐ呪術を解除しろ‼︎」

「嫌よ。解除したらレネアと結ばれる確率が低くなるじゃない」

 結ばれる確率、って言っているってことは今、結ばれていないって自覚してるんだ。

 ギロリ。

「何か言った?」

 ひいい。目力が凄すぎる‼︎

「君と結ばれる確率は高くても0、低くても0だ!」

「丸い輪の0。私達が結ばれる象徴よ」

 なんか、無理やり。輪だから結ばれるって……。

「何が象徴だよ。俺の将来はまだ後に俺が決める。勝手に決めるな、そして、勝手に妄想するな!」

 ウザったらしい、とでも言うかのように喋ったけど、強い意志がある。レネアさんは、死ぬまで「自分」を貫くんだろうな。

「ドナシェー、ダリアを頼む。ダリア以外、問題は起こってないな?」

 レネアさんが見たのは、机に座って頬杖をついているオレンジと茶色の間ぐらいの色―肉桂色の髪の男の先輩。

 この世界では珍しい、髪と同じ色の目をしている。

 甘いマスクのイケメンだぁ。どことなく、雰囲気がツェルドくんに似てる。

「そ。皆、平和。レネアさえこの近くを通りかからなければ」

「すまなかった」

 確かに皆、実験をしてる。

 呪文を唱えたり、薬品に何かを入れたり。

「じゃあ、帰るぞ」

『はい‼︎』

「次は美術部だ」

「美術部は平和だから安心だな」

 カルさんの言うトーンが、気持ちいい。

「ルイ、さっきの科学・化学部の紹介をしとくけど、基本、平和な部活だからな?ザリェ・ダリアを見たらそうは思えないと思うけど」

 さっきの女の先輩、ザリェ・ダリア先輩って言うんだ。

「まず、ザリェ・ダリアは魅力属性呪術分野感情誘導能力の面倒くさい奴だよ。ちなみに、レネアにかけている呪術は彼女ができない呪い。レネア、かわいそ」

「カルさん、それ、本当に思って言ってます?」

「いいや。全く」

「やっぱり」

「おい!エヘント!」

 カルさんがニヤッと笑った。

 うわー、ドS〜。

「そして、ツィズ・ドナシェーが科学・化学部の部長。光属性日光分野増幅能力だ」

「へー。属性と分野が同じ人っているんですね」

「そりゃあ、いるって。まあ、珍しいけどね」

「着いたぞ、美術部部室」

 レネアさんはなんのためらいもなくドアを開けた。

 綺麗なクリーム色。

 優しいクリーム色が目に優しいよ。

 皆、スケッチブックに鉛筆で絵を書いている。

 目の前に物があるから、デッサンの活動中かな?

「デイヴァ。問題は起きていないな?」

 デイヴァさんは栗毛色の髪を一つに結んでいる。そして、薄桃色の垂れ目をレネアさんに向けた。

「ええ。リアートくん」

 初めてレネアさんをリアート呼びする部長に会ったよ。

「なら、いい。次に行くぞ。次は技術部だ」

 技術部。僕の世界で通っていた学校にはなかったなぁ。

 それにしても一々、僕の世界、こちらの世界、とかって表すの、面倒くさいな。

 人間界と魔界、で伝わるかな?

「さあ、着いた。ここも平和だからね、ルイ」

 ガチャ。

「おお、レネアくんではありませんか。何をしに来ましたか?」

 クリーム色の髪の男の人が指を組んでこちらを向いている。

「ヴァジエッタ、今度は誰のモノマネだ?」

 あれ?どことなく、レネアさんの顔が白い。

「技術のクレイント先生のマネですよん。レーネア」

 うわー、ダリア先輩のマネだ。クオリティーがエグい。

 ダリア先輩のことを思い出して、レネアさんの顔が真っ白。

「もう、『自分』に戻れ。面倒くさいだろう、俺が」

「レネアが?楽しいのに、レネアをからかうの」

「俺で遊ぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

「えー。ケチぃ。ケチケチ、ケッチー。お?」

 ヴァジエッタ先輩が僕の方を向いた。

「レネア、新メンバー?」

 僕を指差して、レネアさんに話しかけた。

「ああ。そいつはルイだ」

「ルイ・サトーです。よろしくお願いします」

「よろしく。僕はヴァジエッタ・チェール」

 レネアさんはヴァジエッタって呼んでたけど、ヴァジエッタって名前なんだ。レネアさんが名前呼びするって珍しい。

「清光属性変化分野物真似能力だよ。こういう、遊びにしか使えない活用場所がない能力なんだよね。ルイの属性とか分野とかは?」

「属性は土、闇分野透視能力です」

 この答えをするのにも慣れてきた。

 これがいいことなのかは分からないけど。

「へえ。そういや、レネアはパトロール?」

「ああ―技術部メンバーがいない気がするのだが。どうしたんだ?」

「今日は部活は休み。僕はここでくつろいでるけど」

「え、くつろいでいてもいいんですか?」

「ルイ、部活は先生に口出しされないの。部長、および、生徒会の自治なんだよ。先生は問題が起こらないようにするとか、生徒が先生に掛け合う時のためにいるの。だから、休部している時は生徒の好きにしていい部屋に変わるってわけなの。まあ、好きで休部の時も部室にいる人は少ないけどねー」

 ティルはやっぱり、詳しいな。

 でも、ヴァジエッタ先輩がいるってことは、先輩、変わり者?ってこれ、失礼だね。

「ということで、次は家庭科部に行くぞ」

「頑張ってねー、レネアと生徒会メンバーさん」

「「はい。頑張ります」」

 答えたのは僕とティルだけ。

 ツェルドくんとカルさんとレネアさんはうなずいてる。

「…………あ、家庭科部は休みだったと思うよ」

「そうなのか?ありがとう」

「どーいたしまして」

 バタン。

「家庭科部を飛ばして、心理部だな」

 おお。ティルが所属している部活だ。

 あれ?レネアさんはどの部活なんだろう?

「俺は同好会に所属している」

 同好会。確か、6つあったよね。

・オカルト・伝説研究会

・サバイバル同好会

・飼育・栽培同好会

・本同好会

・イベント同好会

・プログラミング同好会

だったはず。

 ん?もしや。

「オカルト・伝説研究会に所属している」

 やっぱり。筋金入りの異世界好きのレネアさんが入ってるかも、と思ったけど。

「何の活動をしているんですか?」

「えーとな。書物を読むのが中心だな。後は、考察を討論したり、遠征したり」

「遠征するんですか⁉︎」

「ん、ああ。オカルト・伝説を見るためにな。まあ、それ以外、特にやることもないし」

「そうなんですか⁉︎」

「ああ。まあ、書物がたくさんあって面白いがな。オカ伝会のこのテの本の所有数は本同好会の所有数より多い。読み放題だ」

 へえ。オカルト・伝説研究会のことをオカ伝会って言うんだ。

 …………本同好会の持っているオカルト・伝説系統の本よりも、冊数が多いってすごい。さすがだー。

「本は会員が自分で仕入れに行く。そして、通はオカ伝会の部室に本を借りに来る。俺らの方が所有数が多いからな」

「着いたよ、レネア」

 ガチャ。

「お、生徒会じゃーん。やっほー」

 薄桃色の髪と目の女の先輩。

 ヴァジエッタ先輩と同じで珍しい人だな。

「キュードリール、問題は起こってないか?」

 レネアさん、「やっほー」を無視した……。

「起こってないって。道化引きの途中だし」

 道化引き?

 皆が円になってカードを持っている。

 4種類あるカードに描かれているのは、それぞれ、剣、器、お金、こん棒。

 もしかして、剣、聖杯、貨幣、こん棒なんじゃ……。

 人間界にもこれをモチーフにしたカードがあった。

 これは、このカードは、トランプ、だよな?っていうか絶対。

 道化は、ジョーカーのことかな?

 ってことは、このゲーム、ババ抜き⁉︎

「楽しそうだな。道化引き」

「楽しいよ。レネア、パトロール頑張ってねー」

「チッ」

 レネアさん、遊びたかったんだ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ