5.顔面蒼白レネアさん〜同好会編〜
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「次は、同好会巡りか?」
「……ああ。次は我らがオカルト・伝説研究会だ」
おおー。レネアさんの会。
…………レネアさんの会って言ったらファンクラブみたい。おそらく、会員は、ダリア先輩だけだろうけど。
寂しい。
「ここだ。今日は何をしているだろうか」
ガチャ。
皆、本を読んでいる。
一番前にある机と椅子に座っている漆黒の髪と目の男の先輩が顔をあげた。
「レネアか。生徒会パトロールか?」
「ああ、ケイ。問題は起きてないか?まあ、起きていないだろうが」
ケイ先輩とレネアさんってどことなく、似ている気がする。
「なあ、レネア。どうしてヴァジエッタとかケイとかはファーストネーム呼びなのに俺はラストネーム呼びなんだよ」
確か、ファーストネームが日本でいう名前のことで、ラストネームが日本でいう名字のことだよな?
「なんとなくだが。ファーストネームで読んだ方がいいか?」
「別に……」
「これからは気をつける」
「レネア。生徒会、メンバーが増えているな。こちらは王子だろう?で、君は?」
ケイ先輩は僕を指差している。
ケイ先輩、目が鋭い。
ちょっと、怖いんですけど……。
「僕はルイ・サトーです。編入してきました。よろしくお願いします」
「よろしく。俺は、ケイ・アユミ。オカルト・伝説研究会長を務めている者だ」
芯がしっかりしているケ―アユミ先輩だった……―は会長を務めているのか。
さすが、レネアさんに似ている先輩。
「レネア、今日は研究会に出れそうか?」
「あー、無理そうだ」
「そうか、分かった」
「次は、サバイバル同好会だ」
「レネア。フレインみたいなノリ、苦手だろ?」
「…………ああ。苦手というより、近づきたくもない感じだ」
また、レネアさんの顔が白い。
「サバイバル同好会室……。スゥゥゥゥゥ―」
「生徒会だ。問題はないか?」
レネアさんがドアを開けながら声を張り上げた。
ホワイトボードの前に立って、ペンを持っているのは千歳緑色のロングヘアーの大きな淡紫色の目をした女の先輩。
屈強な大男や、小柄な子がホワイトボードに向かって椅子に座っている。
女の先輩ってフレイン先輩……?
「レネア。どうしたの?やっと、入る気になってくれた?」
「いや、パトロールだ」
「早く、我が同好会に入ってくれない?伝説のナミヌ会長の弟であるあなたは入る必要があるわ」
「いや、ないだろ」
「何が!あなたは冷静に周りを見て、生き抜く力がある!入って、一緒に生きましょう!私はあなたのためを思っているの!」
「しゅ、悪徳商法みたいだぞ、フレイン。第一、自分のことしか考えてないくせに、俺のことを思っているって言うな!」
ん?ダリア先輩のノリに似てる気が……。
「もういい!問題はないようだから、次の部活に行くぞ!」
「え、ちょっと待って!」
バタン。
僕たちは、フレイン先輩の声が聞こえてすぐに外に出た。
「凍れ‼︎凍れ‼︎凍れ‼︎」
ちなみに、レネアさんは部室のドアを氷で覆っています。だーいぶ、凄まじいスピードで凍っていってます。顔も顔芸?って感じです。
お?全部、凍らせ終わったみたい。
「逃げるぞ!」
え?はい!
ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ!
走るのそこまで速くないんだけどなぁ‼︎
「はあっ、はあっ、はあっ……」
カルさんは余裕そうに、腕を組んで壁にもたれている。
レネアさんの顔色は相変わらず白っぽい。
そういや、ここ、どこ?
「ここは、飼育・栽培同好会室の前だよ。ルイ」
カルさん、ありがとうございます。
「入るぞ。ここにいても見つかるだけだ。もっとも、ここまでは追いかけては来ないだろうが……」
ガチャ。
「その様子、サバイバル同好会に行ってたでしょ?」
薄縹色の髪で石竹色の目をしたちょっとズレた雰囲気の女の先輩。
会員は動物と触れ合ったり、植物を観察したり、思い思いのことをしている。
「ああ……」
「すごい!よく分かりますね!」
「まあ、探偵気取りの女子中学生ですよ♪」
なんとなく、本人が言うセリフではない気がするんだけど……。
「私はナテーラ・アズレー。飼育・栽培同好会長だよ♪。ここにアレザ・フレインが来ないようにしとくよ。えーい、っと」
アズレー先輩が指を宙に突き出した。
「これで、アレザはレネアを追いかけては来ないよ。ただ、そんなに持続しないから。まあ、その頃には他の事に気が向いていると思うけど」
「ありがとう」
「どーいたしまして。じゃあね」
「ああ。次は、本同好会だ」
飼育・栽培同好会室と本同好会室は隣り合っている。
ガチャ。
「生徒会だ。問題はないか?」
おおおおお……!周りを本棚に囲まれている!
すっごい冊数!本棚の背は低いけど、多すぎて迷路みたい!
「生徒会?カウンターまで来るの?」
女の先輩の声。よく通る声だな。
「いや、カウンターまで行くのは時間がかかる!ここで聞く!」
「問題があるかどうかよね!ないわよ!強いて言うなら、本棚を動かしたいくらいね!本を借りに来た人が道に迷っちゃうの!」
「それは自分達の活動内容にするべきだろう!」
「ええー。……分かった。そうするわ!」
「ああ。じゃあ、もう行くぞ」
「バイバイ」
バタン。
「次は、イベント同好会だ」
イベント同好会ってなんだろう。
「イベント同好会は由緒正しい部活だ。年々、部員が減っていっているらしいがな」
「元々、部活だったんですか?」
「ああ。学年で30人を抱える部活だったと聞く。しかし、今は、学年で10人未満だとなる同好会だ。時代の流れだな」
時代の流れ、か。
ガチャ。
「生徒会だ。問題はないか?」
「あ、レネア。…………次の全校集会はいつだ?」
「まだ、決まっていない。決まったら連絡する」
「よろしく。それ以外、特に問題はない」
「そうか。なら、いい」
「あと、部活パトロールはどこに行くんだ?」
「プログラミング同好会だが」
「ふーん。今日、プログラミング同好会にレイン・シュキザが来ているってさ」
「そうか。シュキザが……」
「じゃあな」
「ああ」
バタン。
「来ているのかー、レインが。天才さんは何をしてるかねー」
カルさんは少し、嫌味っぽく言う。
「カルはもう少し勉強しろ」
あ!カルさんのこと、「カル」って呼んでいる!
「はいはい、レネアも頭良かったもんねー」
「はあ」
ガチャ。
「生徒会だ。問題はないか?」
「ん?リアートか。問題はない。帰れ」
レネアさんよりもわずかに高い声。普通に低いけど、でも、女の先輩っぽい。
黒髪と黒い目。ダークパープルの縁のメガネをかけ直している。
机に伏せて、寝ていたらしい。群青色のブレザーが頭の上から少しずり落ちている。
「シュキザ、会員の代表としての答えか?」
「ああ、もちろん。不登校だからといってナメるな」
「別に毎日登校する必要はないから、いいのだが。異様に解答が早いのでな」
「頭の回転が、リアートより速いというだけだ」
「そうか。頑張れよ」
「何を」
「会員を引っ張っていくことだよ」
「ん、ああ」
バタン。
「シュキザはプログラミングについてよく知っているが、会長としてしっかりしてもらわないとな……。生徒会室に戻るぞ」
「「「「はい」」」」
「こんにちはー」
お、流射。
「ねえ、姓名判断占いってしたことある?」
「突然だな。したことないけど…」
「じゃあ、しようよ」
「いいよー」
「まずは、流射のを見てみよう!『みんなの名前辞典』というサイトで見たよ。サイトは、https://mnamae.jp/でーす」
えーと、何々?
『48点
前世から受け継いだ運 25画(吉)
芸術,金融に強い家系。運勢が強く、巧みに生き残ってゆく家柄です。
他人はどう見る? 17画(吉)
自分に好都合な人を選ぶのがうまい。人を見る目が厳しい。グループを作る人、というように見られています。
性格 28画(凶)
ロマンチスト。頭がよい。独創性がある。金運は弱い。
あなたも知らない裏の顔 20画(最大凶)
男女とも、子供運が弱い。責任感が強い。頑張り屋ですが,スロースターターです。
まとめると 45画(大吉)
周囲の人に尽くす。欲を捨てて、脇役に徹するとチャンスをつかみ、出世運、名誉運が上向きます。』
「流射。性格と裏の顔、凶とか最大凶とかじゃん。大丈夫?」
「うーん。あまり、よくないけど。48点って微妙だし。」
「だね。次はリクだよ。」
『72点。
前世から受け継いだ運 18画(吉)
名誉職の家系。代々、財産家か社会的信用、地位のある役職についている人が多くいました。男性を中心に繁栄してきました。
他人はどう見る? 17画(吉)
自分に好都合な人を選ぶのがうまい。人を見る目が厳しい。グループを作る人、というように見られています。
性格 23画(大吉)
他人を軽蔑する。女性は男性をバカにしやすい。大きな野心を抱いています。まじめな努力家。
あなたも知らない裏の顔 11画(大吉)
独立心が強い。ピンチに強い。一族一家の責任者となります。男性は嫁の親に可愛がられ、女性は長男と結婚します。
まとめると 29画(大吉)
おとなしくてまじめ。誠実、控え目で、礼儀正しい。結婚は早く、健康にも恵まれて、順調な人生を送ります。お年寄りに可愛がられます。』
「『まとめると』におとなしくてまじめ、って書いてあるんだけど。ん?」
「どこが、おとなしくてまじめなんだろう」
「だよね」
「凶がないよね」
「え?うん」
「主人公より運勢の良いキーパーソンってなんなんだよ」
「あはは」
今回はここで終わりでーす。
次、また紹介出来たらしますので待っててくださーい。
じゃあねー。




