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Last Quartz  作者: 錢葵
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【用語ファイル-6-】


File_30:華園重工株式会社 千代瀬研究所


華園重工株式会社が千代瀬に置く研究拠点。

召石やイデア伝導、召喚士用装備など、召喚技術に関する幅広い研究を行っている。


周辺には製造施設のほか、職員とその家族が暮らす同規格のアパートや生活施設が立ち並び、研究所を中心とした一つの町を形成している。

ベランダに干された作業着も、この土地では見慣れた光景。


町で唯一のスーパーマーケットは『千代せんだい』、保育園は『ハッピーチルドレン』。

連休には町の広場でマルシェが開催され、研究所の職員や地域住民で賑わう。


聖召学園の宿泊研修における見学先でもあり、華園后が幼少期に召喚事故を起こした場所でもある。



File_31:iCAS


正式名称は《Idea Conduction Armament System》。


大気中に存在する不可視のイデアを人工的に伝導させ、召喚士適性を持たない者でも、召喚獣を介さずに属性現象を行使できるようにする武装システムである。


召喚獣のイデア波形を解析し、同一の波形を定着させた専用クォーツをアタッチすることで属性を得る。


華園重工による管理環境下の実証実験はほぼ成功しているが、製造コストに加え、一般市民の武力保持や波形の権利を巡る倫理的問題も多く、実用化と特許出願には至っていない。

存在を知るのは政府や一部企業などに限られる。


なお、小文字の「i」は、「頭文字を小文字にした製品は大ヒットする」という根拠不明の業界ジンクスにあやかったもの。



File_32:《リンクサイト/Link Sight》


華園后と、召喚獣ベレッタの間で行われる視覚共有能力。


猛禽類と同等の視覚を持つベレッタが捉えた景色を、人間が認識可能な視角へ変換して后へ伝える。


后が激しく動く場合は自身の視界が七割、ベレッタの視界が三割。

静止または隠密行動中は、その比率が逆転する。


后はテレパスに近い感覚で注視する場所を指示でき、上空からの索敵、射撃、味方への指示に利用する。


近頃では片目にのみ、ベレッタの視覚を約八割の出力で集中させる兆候も見せている。


ただし複数の視覚情報を処理する負担は大きく、長時間の使用は眼痛、頭痛、吐き気、著しい疲労を招く。


第三者への共有例については、File_13《共鳴》を参照。



File_33:イデア残滓


召喚や属性現象の行使後、その場所に一時的に残るイデアの痕跡。


通常は肉眼で見ることができないが、ゴーグル型などの携行式測定器を用いれば検出・可視化できる。


直前に戦闘が行われた場所であれば、残された波形から使用された属性を高い確率で判別可能。

登録済みのイデア波形データベースと照合することで、召喚士や召喚獣を特定できる場合もある。


一般的な残留時間は半日程度とされるが、戦闘規模、天候、地形、属性によって大きく変化する。


時間の経過とともに波形は凪ぎ、周囲のイデアへ馴染んで消滅するため、犯罪の決定的証拠にはなりにくい。


ラストクォーツ級の残滓は長く留まるといわれるが、観測例が少なく、十分な検証には至っていない。



File_34:デスペラード


召石や召喚技術に関係する違法活動を、世界各地で行っているとされる国際的な犯罪集団。


召石の強奪や密売、違法な召喚技術の研究、研究施設および要人への襲撃など、多数の事件への関与が疑われている。


特定の国家には属さず、構成員の人数、活動拠点、指導者、組織構造はいずれも不明。


事件ごとに目的や手口が大きく異なるため、単一の組織ではなく、複数の思想や勢力を含む総称ではないかともいわれる。


各国政府は関連情報の多くを機密として扱い、デスペラード側も構成員へ必要以上の情報を与えない。


そのため世間に知られているのは、召喚士や召石を利用する危険な反社会勢力という、曖昧な輪郭だけである。

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