↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
96/112

第96話 Aブロック 1組目

 魔法大祭、第二日目。

 第一日目の三競技を終え、ついに始まったトーナメント式対戦。

 今年は三日目にチーム競技が控えているため、ただ勝ち上がればいいというわけではない。

 どのブロックに所属するかによって、明日のチーム戦で戦う相手も変わってくる。

 その最初の試合。

「さあ、第二日目のトーナメント式対戦! まずはAブロック一組目!」

 実況の声が闘技場へ響く。

「二年! 神崎おと!」

 歓声が上がる。

 昨日、必殺技披露で第三位。

 そして去年は一年生ながらトーナメントへ出場し、わずかな動作だけで三年生の成田翔平を戦闘不能へ追い込んだ謎の魔法を披露した少女。

 しかし、その魔法の正体を知る者はほとんどいない。

 本人が口にした名前だけは――

 《共振》

 それだけだった。

「対するは!」

「二年! 志水周平!」

 こちらにも歓声が起こる。

 去年は一年生ながら教師推薦でトーナメントへ出場し、鳴神春香を相手に水と土を組み合わせた高度な戦術を見せた。

 惜しくも敗北したものの、その応用力は高く評価されている。

 そして今年。

 二人はともに二年生。

 さらに――

 二人とも、短い杖を持っていた。

 杖を構えた瞬間。

 観客席から小さなどよめきが起こる。

 魔法使いにとって、魔法陣をどれだけ速く描けるかは重要な技術だ。

 その中でも、この二人は特に速い。

 杖を一振りする。

 空中に魔法陣が現れる。

 その速度は、学院でもトップクラス。

 天城理人は観客席から二人を見下ろしていた。

(志水か……)

 去年の試合を思い出す。

 水と土。

 足場を変え、相手の動きを制限し、状況そのものを利用する戦い方。

 今年はどうなっているのか。

 そして。

(神崎おと……)

 天城はおとを見る。

 昨日の必殺技披露でも使っていた。

 あの――

 《共振》

 だが。

(結局、何をしてるんだ?)

 天城にも分からない。

 魔力の流れを見ても、通常の魔法とは違う。

 おと自身も、詳しく説明したことはない。

 観客のほとんども同じだった。

 審判が両者を見る。

「準備はいいな?」

 二人が頷く。

「それでは――」

 旗が振り下ろされた。

「開始!」

 最初に動いたのは――

 神崎おとだった。

 杖が一閃する。

「炎虎」

 魔法陣から炎が飛び出した。

 ただの炎ではない。

 炎は虎のような形を取りながら、志水へ向かって一直線に迫る。

 志水が杖を振る。

「土壁!」

 地面から土の壁がせり上がった。

 炎虎が激突する。

 しかし――

 壁の表面から水分が一気に広がった。

「湿らせたのか!」

 実況が叫ぶ。

 土壁そのものを湿らせ、炎の熱を受け止める。

 炎虎が壁へ食らいつく。

 だが、火力だけでは突破できない。

「なるほど……」

 観客席で天城が呟く。

(去年と同じだ。)

(相手の魔法そのものを見てから、最適な対策を組み立てる。)

 志水は炎虎を防ぎながら、次の魔法陣を描いていた。

 速い。

 神崎おとに負けていない。

 しかし。

 おとは杖を下ろした。

「……」

 炎虎が消える。

 そして。

 次の瞬間。

 おとの周囲に、いくつもの魔法陣が浮かび上がった。

「速っ……!」

 観客席がざわめく。

 複数の魔法陣。

 それを一瞬で展開する。

 おとの魔法陣が――

 震えた。

「……共振」

 小さな声。

 その瞬間。

 空気が震えた。

 音ではない。

 しかし。

 確かに何かが揺れている。

「来た!」

「去年のやつだ!」

 観客席が騒ぐ。

 志水の土壁が震える。

 地面が震える。

 さらにその奥。

 防御魔法までが細かく振

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。