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第2話 王都アスフェルダム

目が覚めてから、どれくらい歩いただろう。

天城理人は森の中をさまよっていた。

「……腹減った」

最初に出た感想は、それだった。

異世界に来た。

知らない森にいる。

帰る方法も分からない。

普通ならもっと焦る。

しかし理人は、

「とりあえず食べ物探すか」

だった。

なぜなら、今一番困っていることが空腹だったから。

「遭難した時は水と食料……だったよな」

理科の授業で習った知識を思い出す。

「でも、どのキノコが食えるかは知らない」

理人は近くのキノコを見る。

「……まあ、毒っぽい」

なぜか雰囲気だけで判断した。

理科は得意だが、植物図鑑を暗記しているわけではない。


その時。

「おい!そこの少年!」

後ろから声がした。

振り返ると、武器を持った男女が立っていた。

冒険者らしい。

「こんな森の奥で何してるんだ?」

理人は少し考えた。

正直に言うべきか。

「別の世界から来ました」

……

絶対信じてもらえない。

「……迷子です」

「迷子?」

冒険者たちは顔を見合わせる。

「この森で?」

「はい」

「一人で?」

「はい」

「服装も変だぞ」

理人は自分の制服を見る。

「あ」

確かに異世界で高校の制服は目立つ。

冒険者に助けられ、理人は王都へ向かうことになった。

そして――

「……」

理人は言葉を失った。

目の前には巨大な都市。

石造りの建物。

大きな城壁。

そこまでは想像通りだった。

しかし。

「……あれ?」

街の奥を見る。

高層建築。

ガラス張りの建物。

鉄筋コンクリート。

さらに、

「……コンビニ?」

いや、違う。

でも似ている。

棚に商品が並び、店員がいる。

看板には見たことのない文字。

「何この世界」

理人は混乱した。

「中世ファンタジーじゃないのか?」

冒険者が首を傾げる。

「中世?」

「いや、なんでもない」

街を歩く。

魔法で動く乗り物。

自動で開く扉。

見たことのない道具。

なのに――

「これ、100円ショップじゃん」

理人は店の前で立ち止まった。

冒険者:

「ひゃくえん?」

理人:

「いや……似てるだけ」

店の中には、

便利そうな小物。

日用品。

謎の魔法道具。

理人は商品を見る。

「これ、魔力で温めるカイロ?」

店員:

「はい!初心者向け魔道具です!」

理人:

「電子レンジみたいな?」

店員:

「でんし……?」

理人:

「あ、なんでもない」


王都アスフェルダム。

そこは、

古代の石造建築と最新技術が混ざった不思議な都市だった。

魔法科学が発展した世界。

しかし理人には、もっと大きな問題があった。

「……俺、帰れるのかな」

そしてもう一つ。

「その前に……飯食べたい」

異世界生活二日目。

天城理人は、まだ魔法のすごさより空腹に困っていた。

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