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灰色大戦  作者: 灰色のネズミ
第一章 炎路のラスボス
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母のいる家庭

「すみだ〜〜! 起きろー!」


 入学式より、次の日。

 黄色の少年住田は朝、紫の少女新垣美穂に大きな声で叩き起こされた。マフラーを巻いた彼女は、ツインテールをぶんぶん振り回して、住田の布団をひったくった。


「うう〜ん、美穂、今何時だよ……」


「七時! 入学そうそう初日に遅刻なんてありえないよ!」


「でも炎路も島も無断欠席だったろ」


「悪い事を真似しない! 私のような健全で明るい可愛い女の子を真似しなさい!」


「なら一個言っていいか」


 眠気まなこを擦り、そして住田は新垣美穂を指差してこう言った。


「パジャマのままな奴の、どこを見倣えって言うんだよ」


「え……あー!」


 マフラーはしてきたが、服はパジャマのままだった。自分の姿を確認して新垣美穂は顔を真っ赤にする。


「わわわ! こ、これは、そう! 住田を起こすために急いでたからなの! 住田が寝坊するのが悪いんじゃん!」


「そ、そう」


「そ、それじゃ! 私は一回家に帰るから、先に家の前で待ってて!」


 それだけ言って、新垣美穂は部屋から出て行った。

 住田はため息をつき、赤校の制服に着替えてから、一階に降りた。玄関では母親が今から出勤するところだった。


「いってら」


「おう色男、おはよう」


「なんだよそれ」


「朝から可愛い幼馴染に起こされて、いいご身分ですこと。私なんか愛情のかけらもない時計よ」


「もしかして玄関通った時も母さんはここにいたのか? 見てた?」


「うん。まさかパジャマで男部屋に突撃するなんて思わなかったわ。美穂ちゃんったら大胆」


「見てたなら俺の部屋に来る前に止めてやれよ。いらん恥かいただけじゃんかアイツ」


「恥を見るくらいいいじゃん、どうせ結婚すんでしょアンタら」


「……しねーよ」


「いい? 結婚って言うのはね、その相手のうんこ触った手で握った握り飯が食えるかどうかなの」


「母さん独身未婚だろ」


 支度していた住田の母は、住田の頭を撫でる。住田は金髪で母は黒髪。


「ふふっ、アンタはうちの子よ、間違いなく」


「……うん」


「そいじゃ、中央街に出張だからかなり日がかかるけど、そのうち帰るから。美穂ちゃんとこの家にもよろしく言っといて」


「いやもう美穂んちに頼りになる必要ないって」


「だーめ」


 息子のおでこにデコピンしてから、住田の母は出て行った。

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